| 2017年09月03日(日) |
Infini-T Force(インフィニティ・フォース)、ドリーム、ギフテッド |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『Infini-T Force(インフィニティ・フォース)』 テレビアニメ制作会社タツノコプロの創立55周年を記念して 製作された新作テレビシリーズの第1話〜第4話を観させて 貰った。 お話の背景は現代。渋谷駅前のスクランブル交差点で突然戦 闘が起こる。その戦闘はそこに現れたヒーローたちによって 収束されるが、戦闘に巻き込まれた少女の手に大きな鉛筆の ような物体が残される。 その物体は所持した人間の望みを何でも叶えるという究極の アイテムだった。そしてそこに現れたヒーローたちは…。 何とこの作品では、タツノコプロが1970年代に製作した人気 シリーズ『科学忍者隊ガッチャマン』や『破裏拳ポリマー』 『新造人間キャシャーン』『宇宙の騎士テッカマン』などの ヒーローたちが一堂に会するという破天荒なお話だ。 そして少女の手にもたらされたアイテムを巡って、パラレル ワールドを含む全宇宙を滅ぼそうとする怪人や、それを取り 巻く敵たちとの次元を超えた戦いが繰り広げられる。 シリーズ構成は、2007年7月紹介『阿波DANCE』などの 大野敏哉。監督は、本作が初登板だが2014年『PSYCHO-PASS サイコパス 2』などのシリーズディレクターを務めた鈴木 清崇が担当している。 声優は茅野愛衣、関智一、鈴村健一、斉藤壮馬、櫻井孝宏。 さらに斧アツシ、安元洋貴、平川大輔、花澤香菜ら。 異なるシリーズのキャラクターが一堂に会するという作品で は、最近はディズニー=マーヴェルの『アベンジャーズ』や ワーナー=DCの『ジャスティス・リーグ』が華々しいが、 これらはユニヴァース物とも呼ばれているようだ。 そのユニヴァース物では、さらにユニヴァーサルから2017年 7月紹介『ザ・マミー呪われた砂漠の王女』を筆頭に往年の ホラーの怪人たちが結集する「ダーク・ユニバース」も発表 されている。 一方、ワーナーからは2017年2月紹介『キングコング髑髏島 の巨神』を切っ掛けに東宝怪獣の総進撃が始まりそうだが。 考えてみると、ゲストキャラ登場の1962年『キングコング対 ゴジラ』は別物としても、1964年『モスラ対ゴジラ』がその 嚆矢であったことは注目すべきところだろう。 そして本作もそのユニヴァース物となる訳だが、実はオリジ ナルシリーズの世界観が異なっていると、そのキャラクター を単純に結集しただけでは、ストーリーに矛盾が生じること になってしまう。 正直に言って、マーヴェルユニヴァースのマイティ・ソーな どは、その役割に違和感を感じてしまうものだ。 それに対し本作が採った手段は、何と各キャラクターが別の パラレルワールドから呼び寄せられたという設定。それなら 世界観の違いも解消され、現代という一つの世界観の中で物 語を構築できる。 さらに本作では、それぞれが自分の世界を消滅させられたと いう悲しみを背負っての闘いとなっている。 斯くして観ることのできた第1話〜第4話では、上述の設定 が明らかになると共に、様々な人間ドラマやさらに大きな展 開も予感させるもの。これは僕みたいな者にも納得の作品に なっていた。 放送は、関東ローカルでは10月3日より、日本テレビの深夜 25:59〜の枠にて。その他、読売テレビ、札幌テレビ、静岡 第一テレビ、広島テレビ、福岡放送でも10月中の放送が予定 されている。 さらに本作では、2018年2月公開予定で劇場版の製作も発表 されており、これは楽しみな展開になりそうだ。
『ドリーム』“Hidden Figures” すでに2017年7月9日に題名紹介している作品だが、重要な 作品でもあるので、公開前に改めて紹介することにしたい。 因に試写状に書かれていた邦題から、サブタイトルが消えた ようだ。 物語の背景は、1984年の映画『ライトスタッフ』にも描かれ た米国の宇宙開発計画初期の頃。ソ連邦の有人宇宙飛行成功 を受けて1958年に創設されたNASA(航空宇宙局)では、 独自の有人宇宙飛行の研究開発が進められていた。 そんな中、バージニア州にあるNASAのラングレー研究所 に、飛行軌道の策定などロケットの打ち上げに必要不可欠な 計算を行う黒人女性グループがいた。彼女らの職務は、別棟 から届く計算の検算などを行うこと。 そのグループから数学の天分をもつキャサリン・ジョンスン が才能を認められて、別棟にある宇宙特別研究本部の計算係 に抜てきされる。しかしそこは完全な男性社会で、しかも施 設などに黒人蔑視の風潮が色濃く残っていた。 一方、IBM社から納入された新開発のコンピューターは、 その能力は期待されていたものの前提となるプログラミング が面倒で、研究者からは敬遠されていた。その習得にグルー プの1人のドロシー・ボーンが挑む。 斯くして彼女らの活躍が、アメリカ初の有人宇宙飛行の実現 に向けて力を発揮して行くのだが…。 出演は、2008年12月紹介『ベンジャミン・バトン−数奇な人 生−』などのタラジ・P・ヘンスン、2017年5月紹介『ダイ バージェント』などのオクタヴィア・スペンサーと、2017年 2月5日題名紹介『ムーンライト』などのジャネール・モネ イ。 他に、ケビン・コスナー、キルステン・ダンストらが脇を固 めている。 原作者のマーゴー・リー・シェッタリーは、金融やメディア 企業の設立業務に携わってきたという経歴を持つ黒人女性。 本作は彼女が年月を掛けて調査し、2016年に初めて上梓した ノンフィクションで、その原題には、“The Story of the African-American Women Who Helped Win the Space Race” という副題が付けられているものだ。 実際に映画の最後には、登場する3人がNSNAから特別顕 彰されたという報告も付されているが、それは2015年になっ てからのことで、正に原題通りの「隠された人々」だったよ うだ。それにしても、まさかあのNASAが…と言いたくな るような内容だが、それがアメリカの現実だったということ なのだろう。その根深さを描いた作品でもある。 とは言え、本作は宇宙開発初期のNASAの苦闘を描いた作 品でもあって、その部分は『ライトスタッフ』とは別の視点 で興味深く見られるものだ。2014年11月紹介『ガガーリン』 でも驚かされたが、それにも勝るNASAの事情が描かれて いる。 ところで、本作でも引用されるケネディ大統領の演説だが、 その中で“in this decade”というくだりが「10年以内に」 と訳されている。これは当時の新聞報道などでもそうなって いたもので、本作に字幕でもそれを踏襲しているのだが。 この演説が行われたのは1962年のことで、その10年以内では 1972年まで猶予があることになる。しかしアポロ11号の月面 着陸は、1969年に敢行された。 ここでdecadeという単語には、10年間という意味と同時に、 centuryやmillenniumと同じ、暦上の期間を現しているよう にも感じるので、それなら「10年以内」ではなく「1960年代 の内に」と訳す方が良いように思える。字幕は誤訳ではない けど指摘しておきたいものだ。 公開は9月29日より、東京はTOHOシネマズシャンテ他にて、 全国ロードショウとなる。
『gifted ギフテッド』“Gifted” 『アベンジャーズ』でキャプテン・アメリカを演じるクリス ・エヴァンスが、姉の忘れ形見の幼い姪を育てる男性に扮し たヒューマンドラマ。 物語としては上記の括りとなるが、その実態はかなり変わっ ている。実は亡くなった姉というのが数学の天才で、未証明 の命題に取り組んでいたものの突然自死したという。しかも その娘も幼い頃から数学の天分を見せ始める。そこでその子 にも母親の跡を継ぐ道が示されるが…。 前記の『ドリーム』も言ってみれば数学者の話だが、2002年 3月紹介『ビューティフル・マインド』でラッセル・クロウ がオスカーを得て以降、最近でも2015年の『イミテーション ・ゲーム』や2016年には『奇蹟がくれた数式』など、数学者 を描いた作品は次々製作されている。 ただしここに挙げた作品では、『ドリーム』も含めていずれ も実在の数学者を描いていたものだが。それに対して本作は フィクション。実在の人物の苦闘ではなく、純粋に数学につ いて描いていることも興味深い。 と言うのも、この映画に登場する速算術や、懸賞金の掛けら れた命題などはいずれも実際のもので、その辺の虚実の織り 込みも面白かった。因に映画には『奇蹟がくれた数式』で描 かれたインドの数学者の名前も登場していた。 という訳で、数学という新たなジャンルが生まれているよう な感じだが、実はSFでは、クライン缶やメビウスの帯など 数学を題材にした作品も少なくない。これらは位相幾何学と 呼ばれるものだが、純粋数学でも成立する話も面白い。 因に『不思議の国のアリス』の原作者は数学者だった訳で、 これから数学が題材のファンタシーやSF映画ができたら面 白いとも思っているところだ。この辺は日本の監督も結構で きそうな感じもするところだが…。 共演は、2006年生まれのマッケンナ・グレイス、2017年3月 紹介『レゴバットマン ザ・ムービー』などの声優のジェニ ー・スレイト、2015年2月紹介『バードマン』などのリンゼ イ・ダンカン。他にオクタビア・スペンサーらが脇を固めて いる。 脚本は、1993年に“Watch It”というコメディ作品を脚本監 督で発表しているトム・フリン。その後はTVムーヴィなど を手掛けていたようだが、本作は2014年のブラック・リスト に選出されたものだ。 監督は、2012年6月紹介『アメイジング・スパイダーマン』 などのマーク・ウェブが担当した。 公開は11月23日より、全国ロードショウとなる。
この週は他に 『はじまりの街』“La vita possibile” (俳優出身のイタリア人監督イバーノ・デ・マッテオによる ヒューマンドラマ。夫の暴力に耐えかねてローマを離れトリ ノの街にやってきた母子。母親が親友を頼ってきた街だが、 そこは首都よりちょっとガラが悪かった。そんな街で息子は 居所を求め彷徨う。そして息子には優しかった父親からの手 紙を母親は隠してしまう。さらにいつも陽気な母親の親友の 女優やフランス人で元サッカー選手のビストロ店主、少年が 街で出会うロシア人娼婦など、いろいろな人間模様が息子を 成長させて行く。母親役は2017年2月26日題名紹介『日々と 雲行き』などのマルゲリータ・ブイ。公開は10月28日より、 東京は岩波ホール他で全国順次ロードショウ。) 『地の塩 山室軍平』 (年末になると登場する社会鍋で有名な救世軍を日本で創設 した活動家・山室軍平の生涯を描いた作品。山室は救世軍だ けでなく、娼婦の権利を守る娼妓自由廃業運動など様々な社 会活動を繰り広げた。宗教活動なのでそれには様々な迫害も 受けるが、本作では特にそれを手厳しく描くものではなく、 どちらかというと山室本人の人となりに焦点が当てられてい る。ただそれは傍目に見ると単なる男の生涯であって、特に それが感動を呼ぶようなものではない。まあそれが作品の狙 いでもあるのだろうが。出演は、森岡龍、我妻三輪子。他に 辰巳琢郎らが脇を固めている。脚本と監督は2009年『カフェ 代官山�掘戮覆匹療贓蠕�利が担当。公開は10月21日より、東 京は新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。) 『ソニータ』“Sonita” (イランの難民キャンプで暮らすアフガニスタン出身の少女 の姿を追ったドキュメンタリー。少女は18歳。パスポートも 滞在許可証もなく、不法移民として異国の施設でカウンセリ ングや将来のアドヴァイスを受けている。そんな彼女の所に 本国から実母がやって来る。その母親は9000ドルの現金と引 き換えに彼女を老人に嫁がせるつもりだ。その母親も金で強 制的に老人の許に嫁いでいた。そんな運命から逃れるため、 少女は以前から好きだったラップで自身の窮状を訴える。そ して将来の道を模索し続けるが…。かなりドラマティックな ドキュメンタリーで、その矛先が彼女だけでなく、映画の制 作者にも向くところが凄まじい。公開は10月21日より、東京 はアップリンク渋谷他にて全国順次ロードショウ。) 『全員死刑』 (2004年に福岡県大牟田市で発生した強盗殺人死体遺棄事件 を、獄中にいる次男の手記を基に映画化した作品。生活に困 窮した一家が資産家の家に押し入り、家人1人の殺害をきっ かけに一家皆殺しにするまでが描かれる。出演は2017年5月 20日題名紹介『トリガール!』などの間宮祥太朗、6月4日 題名紹介『彼女の人生は間違いじゃない』などの毎熊克哉。 他に六平直政、入絵加奈子ら。監督は2016年に本物の不良少 年を起用したとされる『孤高の遠吠え』という作品で話題に なった小林勇貴。事件の真相はいまだ未解明だそうで、だと すると作品がかなり興味本位であることは否めない。それも 面白がる人はいるのだろうが…。公開は11月18日より、東京 はヒューマントラストシネマ渋谷他で全国ロードショウ。) 『HER MoTHER娘を殺した死刑囚との対話』 (最愛の娘をその配偶者に殺された母親が、死刑判決を受け た元娘婿と面会し、やがて助命嘆願を行うに至る過程を描い た作品。死刑制度の是非を問う作品では、2017年7月9日題 名紹介『三度目の殺人』が物語として実に巧みだったと思う が、本作は実話に基づくそうで、そのリアルさが勝負になる 作品と言える。ただ本作では途中で宗教のようなものが絡ん できたり、特に主人公の夫の行動が今一つ納得できなかった ところで、実話に基づくことが逆に作品の足枷になっている ようにも感じられた。脚本と監督は南カリフォルニア大学で 映画制作を学んできたという佐藤慶紀。次回はもっと大胆な フィクションの作品を観てみたいものだ。公開は9月9日よ り、東京は新宿K's cinema他で全国順次ロードショウ。) 『覆面系ノイズ』 (歌うことの好きな少女が幼くしてに出会った2人の男子。 しかしそれぞれとの別れを体験した少女は、高校入学でその 1人と再会する。その彼は覆面バンドで人気を得てメジャー デビュー目前だった。そしてもう1人は新進ミュージシャン として売り出し中…。正に女子の願望という感じの物語は、 福山リョウコ原作による人気恋愛コミックの映画化で、その 監督は2016年『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』などの 三木康一郎が担当した。出演は、2016年『セトウツミ』など の中条あやみと、2016年6月記者会見報告『疾風ロンド』な どの志尊淳、それに2016年2月紹介『ドロメ』などの小関裕 太。公開は11月25日より、東京は新宿ピカデリー他にて全国 ロードショウ。) 『ニコトコ島』+『石と歌とペタ』 (2007年のデビュー作からコンビで作品を発表している大力 拓哉と三浦崇志が2008年と2012年に発表した作品。それぞれ 海外の映画祭などにも出品されているようだが、内容は共に ロードムーヴィと言えるのかな、それぞれ孤島や道路をあて どなく移動する2人、若しくはもう1人を加えた3人の姿が 写されている。正直に言って僕には作品の意図か判らないの だが、1本目はイメージフォーラムフィルムフェスティバル 2009大賞を受賞したそうだ。公開は10月24日より、東京は渋 谷のシアター・イメージフォーラムにてロードショウ。) 『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス』 “El Bosco. El jardin de los suenos” (スペインマドリッドのプラド美術館に展示されている宗教 絵画を主題にしたドキュメンタリー。絵画は扉で閉じられ、 それを開くと正面及び左右の扉の裏の3面に現れる。そこに は様々な宗教的な題材が描かれている。映画のタイトルは画 家だが、特に画家自身を探求するものではなく、1点の絵画 をいろいろな分野の人々が観てその感想を述べるという構成 のもの。その中には美術史家もいて、それなりの作品の背景 なども語られるが、総じては各自が絵画に寄せる想いなどが 表明される。ただ作品の中では絵画の全貌はほんの数瞬しか 写されておらず、実物を知らないとなかなか見ても理解し難 い作品だった。公開は12月より、東京は渋谷のシアター・イ メージフォーラム他で全国順次ロードショウ。) 『光』 (2010年12月紹介『まほろ駅前・多田便利軒』などの大森立 嗣監督が、2014年『まほろ駅前狂騒曲』に続いて三度、三浦 しをん原作に挑戦した作品。離島で暮らしていた3人の少年 少女が、大災害で島を離れる。そして25年後、それぞれ大人 になり都会で暮らす彼らに忌まわしい島の記憶が甦る。出演 は、井浦新、瑛太、長谷川京子。他に橋本マナミ、南果歩、 平田満らが脇を固めている。『まほろ駅前』シリーズとは趣 の違うミステリータッチの作品だが、主題はやはり人間個人 の物語になる。災害後の無人島で唯一人暮す灯台守の老人な ど、サスペンスとしても観ることができた。公開は11月25日 より、東京は有楽町スバル座、新宿武蔵野館他で全国ロード ショウ。) を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
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