| 2013年09月15日(日) |
パーシー・ジャクソン/魔の海、REDリターンズ、りんごのうかの少女、死霊館、Tightrope−アウトサイダーという生き方−、落秋 |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々/魔の海』 “Percy Jackson: Sea of Monsters” 9月6日付紹介『ウォールフラワー』のローガン・ラーマン が主演する2010年公開『パーシー・ジャクソンとオリンポス の神々』の続編。 実は前作のときは試写状を貰えず結局一般公開も見逃してし まっていた。という訳で前の話を知らずに続編だけ観ること になったものだが、主人公が海洋紳ポセイドンと人間の女性 のと間に生まれた半神だという基本を含め、設定はほぼ本作 でも説明されていたので、鑑賞に問題はなかった。 その本作の物語は、前作では苦難の末に主人公らが辿り着い たらしい半神たちの訓練施設で、その施設を守るバリアが破 られ、怪物たちが襲ってくるところから始まる。そのバリア は前作で主人公の仲間の1人が命と引き換えに作り出したも のだったが、その変身した樹が枯れ掛かっているのだ。 その樹を復活させるためには、魔海に隠された黄金の毛皮を 持ってくる必要があった。しかしそのクエストに乗り出した 主人公らの前には様々な障害や罠が待ち構えていた。その旅 に同行する仲間たちとの友情や、主人公らに敵対する半神と の闘いの物語が繰り広げられる。 前作は現代社会が背景で、現実の街中などで闘いが繰り広げ られていたようだが、続編の本作では時代は現代だが現実の 世界は脇に置いて、半神の訓練所や魔の海などが主な背景と されている。それはまあいろいろ事情はありそうだが、これ はこれで納得は出来るものにはなっていた。 ただまあ、お話自体は単純な黄金の毛皮の争奪戦になってし まうが、黄金の毛皮と言えば『アルゴ探検隊の大冒険』にも 登場するものだし、それなりにニヤリとするものが描かれて いるというところだ。1つ目のサイクロプスの登場なども、 オマージュと言えるのかな。 ラーマン以外で前作に続いての出演は、今年6月紹介『悪魔 のいけにえ』などのアレクサンドラ・ダダリオ、2008年『ト ロピック・サンダー』などのブランドン・T・ジャクスン、 2011年6月紹介『アイ・アム・ナンバー4』などのジェイク ・アベル。 他に、今年4月紹介『アンチヴァイラル』などのダグラス・ スミス、2009年11月紹介『ジュリー&ジュリア』などのスタ ンリー・トゥッチ、2008年10月紹介『ターミネーター:サラ ・コナー クロニクルズ』などのレヴェン・ランビンらが脇 を固めている。 前作クリス・コロンバスの跡を継いだ監督はトール・フロイ デンタール。VFX出身監督の長編作品は3作目のようだ。 また脚本は、2011年7月紹介『グリーン・ランタン』などの マーク・グッゲンハイムが担当している。なお、物語はまだ 続きそうだ。
『REDリターンズ』“Red 2” 2010年12月に紹介したブルース・ウィリス、ジョン・マルコ ヴィッチ、ヘレン・ミレン共演による痛快アクション『RE D/レッド』の続編。 題名の意味はRED=Retired Extremely Dangerousの略。 退職しているが国家や世界情勢の重要な機密を握り、且つ年 は取っても能力は抜群という超危険な元スパイたちが、過去 のしがらみや組織内の陰謀と闘い、世界存亡の危機に立ち向 かうというもの。 物語は、前作で出会ったフランクとサラが大型量販店で買い 物をしているところから始まる。それはフランクにとっては 憧れの「普通の生活」だったが、スパイマニアで冒険好きの サラは不満顔。そんな2人の前にフランクの元相棒マーヴィ ンが現れ、フランクを仕事に誘い始める。 そんなマーヴィンを軽くいなして昔には戻らないと言い切る フランクだったが、その目の前でマーヴィンの乗ったSUV 車が爆発。葬儀に参列したフランクはFBIに連行され、過 去に遂行した任務について尋問される。しかもそこにCIA の特殊部隊が突入し…。 こうしてフランクは核兵器を強奪したテロ犯として各国情報 部から指名手配され、やむなく彼は旧ソ連を舞台に計画され て未遂に終ったとされる作戦と向き合うことになる。しかし その計画は未遂ではなく、しかも生き残った計画は世界情勢 に強大な破壊力を秘めていた。 果たしてフランクは過去の作戦を清算し、世界の存亡の危機 を回避できるのか? そこにMI6やKGBも絡んで、世界 を股に架けた殺るか殺られるかの大冒険が開始される。 共演は、前作に続いてのメアリー=ルイーズ・パーカー、ブ ライアン・コックス。他にキャサリン・ゼタ・ジョーンズ、 イ・ビョンホン、ニール・マアクドノー、デイヴィッド・シ ューリス、そしてアンソニー・ホプキンスらが脇を固めてい る。 脚本は、前作の後には2012年4月紹介『バトルシップ』も担 当したエリック&ジョン・ハーバー。監督は、1999年に公開 されたSFパロディの傑作『ギャラクシー・クエスト』や、 2005年12月紹介『ディック&ジェーン/復讐は最高!』など のディーン・パリソットが担当した。 物語は痛快で面白い。でも結末はこれで良いのかな。少し前 にも同じような結末の作品があったが、このやり方で核兵器 を始末するのはヤバイと思うのだが…。やはりアメリカ人は 核兵器の本当の恐ろしさを判っていないのだろう。 なおデータベースによると、脚本家は“Red 3”の計画も進 めているようだ。
『りんごのうかの少女』 9月25日からロンドンで開催のレインダンス映画祭において 特集上映が行われる横浜聡子監督による42分の作品。 主人公は題名の通りのりんご農家の1人娘。中学生の彼女は 口煩い母親に反発して家出を敢行。仲間と遊び歩いている。 そんな少女が家出の軍資金が乏しくなって帰宅すると、優し かった父親の葬儀が行われており、誕生日プレゼントの馬が つながれていた。 この両親を、1989年ジム・ジャームッシュ監督『ミステリー ・トレイン』以来の共演という工藤夕貴と永瀬正敏が友情出 演で演じ、1人娘役には地元アイドル「りんご娘」のときが 扮している。 元々は青森県弘前市が町のPRを兼ねた映像作品を企画し、 それを青森県出身の横浜監督に依頼したとのこと。因に地元 アイドルの主演は市側の依頼の条件だったようだ。そんな素 人が主演の作品だが、演出の上手さなのか見事に瑞々しく演 じられていた。 ただし試写会の挨拶で監督は、「青森市の出身なので弘前市 のことはあまり知らなかった。それにりんごは好きな果物で はなかった」のだそうだ。 という作品だが、映画の出来は予想した以上に見事だった。 話自体は思春期の少女が親に反発し、悪い仲間に入って親へ の復讐を試みたりと、それはまあ有り勝ちなものなのだが、 その演出が巧みというか個々の人物の心情などが見事に描か れている。 それは自分が子を持つ親として納得できるものだったし、恐 らく自分が子供の頃にはそう考えていたはずだと思えるもの にもなっていた。その辺がストレートに観客の胸にも響いて くる作品だった。 もちろんそれは上映時間も42分の作品だから、回りくどく描 くこともできないものだが、物事を深く掘り下げなくてもス トレートに理解できる。そんなところが短編を得意とする監 督の魅力なのだろうし、本作でもそれは成功している。 特に全編に張り詰めたような緊迫感が漂うのは、演出の巧み さ以外の何物でもないし、そんな緊迫感が心地よく感じられ る作品でもあった。 公開は、青森県の地元ではすでに先行で行われたようだが、 全国は12月7日から東京・渋谷ユーロスペースのほか順次で 上映されることになっている。東京での初日には舞台挨拶や トークイヴェントも予定されているようだ。
『死霊館』“The Conjuring” 2004年9月紹介『ソウ』の第1作を手掛け、2011年6月紹介 『インシディアス』なども発表しているジェイムズ・ワン監 督が今年春に公開した作品。因に監督は、今秋“Insidious: Chapter 2”も公開している。 物語に登場するのはエドとロレインのウォーレン夫妻。夫は バチカンが唯一公認した悪魔研究家で、妻は透視能力を持つ とされている。そんな夫妻は撮影や録音など科学技術も駆使 して、悪魔が介在するとされる事件を解決している。 その夫妻の許に1971年、1つの事件が持ち込まれる。それは ロードアイランド州ハリスヴィル郊外の一軒家に住むペロン 一家が心霊現象に襲われているというもの。そして調査が進 むとそこには悪魔の介在が明らかになり、正式のエクソシス トを呼ぶための証拠集めが開始されるが…。 その調査に対して悪魔の反撃が始まる。 出演は『インシディアス』とその続編にも主演のパトリック ・ウィルスンと、昨年8月紹介『デンジャラス・ラン』など のヴェラ・ファーミガ。さらに2009年9月紹介『きみがぼく を見つけた日』などのロン・リヴィングストン、2003年5月 紹介『カーサ・エスペランサ』などのリリ・テイラー。実力 派の4人が見事な演技を繰り広げている。 因に本作の登場するエド&ロレイン・ウォーレン夫妻は、実 は1979年『悪魔の棲む家』でアミティヴィルを訪れる心霊研 究家(映画では別名)であり、その他にも1991年に製作され たTVM“The Haunted”にも登場する実在の人物。従って本作 も実話に基づくとされているもので、夫妻が遭遇した最も恐 ろしい事件なのだそうだ。 そしてその恐ろしさ故に公表もはばかられていたというもの だが、その真偽は別として映画の展開ではエドの行為が明ら かに問題とされるもので、そのために公表できなかったとい うのはそれなりに筋が通る話にもなっている。その辺は脚本 家たちも巧みなところだ。 脚本は、2009年9月紹介『ホワイトアウト』などのチャド& ケイリー・W・ヘイズという双子の兄弟。彼らは2007年4月 紹介『リーピング』や2005年7月紹介『蝋人形の館』も手掛 けており、ホラー作品はお手の物という感じだ。 ワン監督の演出は外連もたっぷりで存分に怖がらせてくれる し、ウォーレン夫妻が映画の中で行うアプローチの仕方はそ れなりに科学的で納得ができる。その辺では充分に満足感も 得られる作品だった。 なおワン監督は、現在は来年7月全米公開予定の人気シリー ズ『ワイルド・スピード』の第7弾“Fast & Furious 7”を 撮影中だそうだ。
『Tightrope−アウトサイダーという生き方−』 元プロレスラーの前田日明が2005年に立ち上げた素人格闘家 による全日本選手権「THE OUTSIDER」に出場する選手たちを 追ったドキュメンタリー。 素人格闘家というのは、自分は喧嘩が1番強いと粋がってい るチンピラのこと。そんな連中を全国から集めて「日本一喧 嘩の強い奴を決める」というのがこの大会の主旨と言える。 つまりこの作品は僕があまり好みとしないチンピラを描いた もので、その点では多少躊躇しながら試写を観に行った。 それで観ての感想は、想いの外によく出来た作品だった。 もちろん登場するのは体中に入れ墨を彫っているような連中 だが、それが出場して最初の内は優勝したりも出来ていたの が、途中から正しく格闘家として鍛錬を積んだ連中が参入し 始め、それで勝てなくなってしまう。 そこで挫折を体験した彼らは、今度は自ら道場に通い鍛錬を 積んでリヴェンジに臨む。それはもはやアスリートの心情で あり、本作にはそんな目覚めた男たちの姿が見事に映し出さ れていた。 もちろんこんな風に立ち直る連中はひと握りなのかもしれな いし、大半は元のチンピラに戻ってしまったのかもしれない が、そんなひと握りでも更生の道を歩めたのなら、この選手 権の存在意義はあったと言える。 と言っても、作品はそんな末節のことにはこだわらず、正に 勝つために努力を重ねて王座を奪還しようとする男たちの姿 が、ドラマティックとも言える映像で綴られていた。それに は正直に感動すら覚えたものだ。 因に前田日明は「THE OUTSIDER」旗揚げの記者会見で、「こ こで“あしたのジョー”を見つける」と宣言したそうだが、 確かにいろいろなものを背負った選手たちの姿には名作マン ガを思い出させるものもあった。 しかも作品では複数の選手たちを追ったもので、それは単独 の選手を追うより変化に富んだ内容になっている。そこには いろいろな意味でのマイノリティの姿も描かれており、それ らの社会的な側面も描かれた作品になっていた。 撮影は、NIKON D800とSONY NEX-FS700を併用して行われてお り、解像度はNIKON、動きはSONYで収録されている。その映 像のクリアさも注目したいところだ。 監督は、1995年にテレビCMから派生した長編作品『四姉妹 物語』などを手掛けた本田昌広。出演は、前田日明の他に、 11人の選手たちとその家族。また選手たちに寄り添うような ナレーションを吉川晃司が担当していた。
『落秋』 試写会で年間500本以上観るようになると、いろいろな状況 の作品に出逢うもので、今回の作品は2011年には完成してい たようだが、未だに配給も決まっていないというもの。従っ て一般の人が観る機会は少なそうだが、そんな作品の試写を 観せて貰えたので、紹介だけしておくことにする。 主人公は、元はカメラマンだったらしい男性。しかしある事 情からスランプに陥り、未だにそこから立ち直れていない。 そんな彼には同棲中の恋人もいたが、過去を吹っ切れないま ま彼女との結婚にも踏み切れない状態だ。 そんな彼が飲み屋で1人の女性と出会う。その女性は既婚だ が、夫との関係が上手くいっていないという。それは夫が勝 手に転勤を承諾したもので、遠隔地に行くことになるらしい その転勤が彼女には承服できなかった。 そんな2人が行きずりで出会い。互の状況を探り合いながら 付き合いを続けてゆく。しかしその2人の関係には、ある事 実が隠されていた。 まだ配給が決まっていないということで、試写会にはプレス 資料なども用意されておらず。上記の物語もうろ覚えで書き 起こしたものだ。ただまあ上映時間は1時間20分程の作品な ので、物語的にはこの程度のものだったと思う。 それでスタッフ・キャストなどの情報も手元になかったのだ が、後日監督から礼状としてアドカードが届いた。それによ ると、監督は西本信也、出演者は桑原麻紀、岸田研二、秋山 実希となっている。そこでこれらの名前を検索した。 まず監督の西本信也は、2001年の『BACKSTAGE』という作品 で予告編を担当しており、その他にも検索で監督作とされる 名称は挙がってくるが、実際の作品の情報はチェックできな かった。 一方、出演者の内、女優の2人は過去の作品が挙がってきた が、男優は映画は初出演のようだ。ただいずれにしても映画 はインディペンデンスの作品が中心の俳優のようだった。 という監督、出演者による作品だが、監督の演出はそつなく 映像も美しくて、観ていて悪い感じはしなかった。因に現在 YouTubeに本作の予告編がアップされているが、それに観ら れる雰囲気がそのまま本編になっている。 また俳優たちの演技も悪くはなくて、観ていてすんなり気分 に浸れる作品だった。 ただし物語の展開は、こんなことで主人公は騙されてしまう のかとも思ってしまうし、また映像で三軒茶屋の近辺と確認 できたものが、その直後に屋形船の行き交う川の鉄橋を歩い ているのはいかがなものか。 確かに場面としてここに鉄橋が欲しかったのは判るが、東京 に住んでいる人間としてはやはり違和感がある。それは例え ば『ワイルド・スピード3』では、新宿大ガードを抜けると 渋谷駅前交差点なんて迷シーンもあったが…。何かもう少し 工夫が欲しかった感じがしたところだ。 でもまあ映画の全体は悪い感じはしなかったし、何とか一般 公開の道が開けることを祈りたい。 * * とりあえず、昨年と同じ週報でしばらくやってみます。 遅れはできるだけ早く解消する予定です。
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