| 2013年07月30日(火) |
ニーナ、サイコメトリー、サイド・エフェクト、人類資金、ホワイトハウスD、ビザンチウム、フローズン・グラウンド、Cハーロック |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『ニーナ/ローマの夏休み』“Nina” 昨年の東京国際映画祭「コンペティション」で上映された作 品。コンペ作品なので会期中に鑑賞して10月28日付けで纏め て紹介もしているが、今回は日本公開を前にした試写を観直 したので改めて紹介する。 物語の背景は夏のローマ。バカンス中で人影もまばらなその 街に主人公のニーナは東洋への留学を夢見、その勉学のため に居残っている。そして彼女はバカンスに行く友達に頼まれ て老犬の世話をしたり、研究者について習字の練習をしたり もしている。 さらに本来は小学校の音楽教師である彼女は、内緒で声楽の コーチをしたり…。その他に町には、アパートの子供管理人 や、犬の散歩中に出会ったチェリストの男性や、数人の人々 は暮らしているが、町の全体は普段の喧騒が嘘のように静寂 で厳しい日差しだけが町に溢れている。 脚本・監督のエリザ・フクサスは、世界的に著名な建築家の 娘だそうで、彼女自身も大学では建築学を学んだが、卒業後 にニューヨークで映画制作と脚本のワークショップに参加。 2006年からミュージックヴィデオやドキュメンタリー、短編 映画などを手掛けた後の長編デビュー作となっている。 因に、監督が好きなのはデヴィッド・リンチとフェデリコ・ フェリーニだそうで、彼らの作品にも通じる幻想的な物語が 展開されて行く。ただし物語はあまりテーマ性のあるもので はなく。実は映画祭で鑑賞したときには意味が良く判らなか った。 このため今回試写を観直したものだが、結局監督は物語を重 視していないようで、ただバカンス中の普段の喧騒とは違う ローマが印象的に描かれている作品だった。それが東京の文 化人には心地良さにもなったようで、数多くの人たちから賛 辞が寄せられているようだ。 東京に暮らす人間にとっては、ヨーロッパのバカンスは想像 するものでしかないが、もし日本にもバカンスがあって、東 京がこんな風景になったらそれはそれで面白いだろうとは思 えてくる。 なお映画では、建築家専攻だった監督らしくローマの様々な 建物も随所に収められており、物語の後半でそこに幻想的な ものが登場してくるのは、なかなかのシーンになっていた。
『サイコメトリー〜残留思念〜』“사이코 메트리” 2010年6月紹介『パラレルライフ』のクォン・ホヨン監督に よる新作。 監督はデビュー作の前作でも「平行理論」という奇妙な題材 を扱ったが、本作では物体に触るだけでそれが過去に関った 事象を感じ取ることの出来るサイコメトリーという超能力に ついて描いている。 主人公は、多少問題児の刑事。その刑事の勤務地で幼女誘拐 事件が起きる。そのとき主人公は最初から事件性を主張する が、身代金の要求もない状況に失踪届けは24時間は受け付け ない原則の警察署は初動捜査に遅れ、事件は最悪の結果とな る。 ところがその捜査中に主人公は不思議な出来事に遭遇する。 それは街角の壁に書かれたグラフィティに警察が明らかにし ていない事件の詳細が描かれていたのだ。そこに手掛かりを 見出した主人公は、そのグラフィティを描いた人物の行方を 追いかけるが…。そして次の事件が起きる。 サイコメトラーを描いた作品は他にもあると思うが、本作で は一般の人間とは異なる能力を持つことの苦しみが巧みに描 かれる。そしてそれが韓国刑事映画特有の激しいアクション と絡まって、見事なエンターテインメントに仕上げられてい る。 また能力の表明の仕方がグラフィティというのも上手いとこ ろを突いてきたものだ。 出演は、2010年12月紹介『男たちの挽歌』などのキム・ガン ウと、テレビドラマ『花より男子』などのキム・ボム。他に 昨年2月紹介『青い塩』に出ていたというモデル出身のイソ ム、2009年韓国版『白夜行』などのパク・ソンウン、子役の ギム・ユビンらが脇を固めている。 グラフィティが鳥瞰図で、何故そうなのかという理由がハト に触ってそのヴィジョンを感じ取ったというのは、オスカー ・ワイルド作「幸福な王子」を思い出させて、その無償の行 為の崇高さを感じさせた。 そして描かれたグラフィティも、かなりシュールレアリステ ィックな大作で、グラフィティの専門家との準備に1ヶ月、 構図の決定に1週間、そして作画作業に100時間を費やして いるそうだ。映画の中で全貌が出るのは一瞬だが、眼を凝ら して観て欲しい。
『サイド・エフェクト』“Side Effects” 2008年11月紹介『チェ』2部作などのスティーヴン・ソダー バーグ監督による本年ベルリン国際映画祭出品作品。 本作における題名の意味は、医薬品の副作用。生活の不安か ら自殺未遂に至ったと診られた女性が、鬱病の新薬を処方さ れる。ところがその新薬が夢遊病を引き起こす。そしてそれ が重大な結果を招いてしまう。 このため新薬を処方した医師は、その責任追及の矢面に立た されることになるが…。 出演はジュード・ロウ、昨年1月紹介『ドラゴン・タトゥー の女』などのルーニー・マーラ、キャサリン・ゼタ=ジョー ンズ、同4月紹介『君への誓い』などのチャニング・テイタ ム、同4月紹介『だれもがクジラを愛してる。』などのヴィ ネッサ・ショウ。 脚本は、2006年のオスカー受賞作『不都合な真実』の製作を 務め、ソダーバーグ監督の『インフォーマント!』(2009年 10月紹介)と『コンテイジョン』(2011年10月紹介)の脚本 も担当したスコット・Z・バーンズ。 バーンズは、彼と共に本作の共同製作に名を連ねる精神科医 サシャ・バーデイ博士の協力を得て、10年以上掛けてこの脚 本を完成させた。因にバーンズは、当初は自ら監督も手掛け る計画だったが、完成した脚本を見たソダーバーグが強く監 督を希望し、譲ったのだそうだ。 宣伝コピーには「ソダーバーグが初めて挑んだヒッチコック 風サスペンス」とあったが、確かに男女の交錯する物語はそ れ風という感じもするものだ。ただしヒッチコックなら主要 なキャラクターの中に金髪女性を配するが、ソダーバーグは そこまではしなかったようだ。 とは言うものの、ソダーバーグ監督なら後半の展開にはもっ と別のものもあるのではないかと思わせたが、そこまでも含 めてヒッチコック風というのなら、その通りという感じのも のだった。 なお以前に監督は、「今は映画が最高の表現手段だと考えて いるが、別の表現手段が見つかったら映画は止める」と語っ ていた。それに関連して本作では「劇場で公開される作品は 最後にする」とのことで、遂にその日が来たようだ。 ところが監督はその後に“Behind the Candelabra”という TVムーヴィを発表。また来年度向けにはTVミニシリーズ の制作も進んでいるようで、映像から離れることはなさそう だ。
『人類資金』 2005年公開の映画『亡国のイージス』の原作者福井晴敏と、 監督阪本順治が再び手を組んだポリティカルフィクション。 なお本作は書下ろし原作で、映画の公開に前後して原作本が 出版される予定のようだ。 戦後日本の詐欺事件を何度も賑わしたM資金。そのMを人類 =Mankindと位置づけ、その資金をめぐる日米間の攻防戦が 描かれる。 そして主人公は、M資金詐欺を繰り返している男。実は父親 がM資金の行方を追う過程で不慮の死を遂げた過去があり、 彼自身もM資金にはそれなりの知識も持っている。そんな主 人公が突然M資金の渦中に身を置くことになる。 それは終戦時に旧帝国軍が秘匿していた金塊を奪取しM資金 を創設した人物の子孫が仕掛けた戦略で、彼はM資金を人類 資金として低開発国の支援に充てようとした。しかしM資金 を共同管理するアメリカ側がそれ妨害していたのだ。 そこで彼は、主人公の協力を得て時価10兆円とされるM資金 を奪い、自らの目的を進めようと考えた。その手段は巧妙な 詐欺の手口だったが…。アメリカ側はそれを察知し、さらに 彼が始めた支援策も押し潰そうと画策する。 出演は、佐藤浩市、香取慎吾、森山未来、観月ありさ。その 周りを岸部一徳、オダギリ・ジョー、寺島進、三浦誠己、石 橋蓮司、豊川悦司、ユ・ジテ、ヴィンセント・ギャロ、仲代 達矢らが固めている。 また撮影では、日本映画で初とも言われる国際連合ビル周辺 での交通遮断や本会議場でのクライマックスシーンを始め、 厳冬のハバロフスク、灼熱のタイ、さらにニューヨーク市内 など作品のスケールに合わせた国際ロケーションが行われて いる。 M資金を扱った映画では、2011年5月に『日輪の遺産』を紹 介しているが、本作はその続きと言って良いような作品だ。 一応、架空事件物ということで、SFの範疇にも入る作品だ が、SF映画とするには多少躊躇してしまう。それはあくま でも僕の感覚的なものだが、大嘘ならもっとでっかく吐いて 貰いたいというか、何か妙な後ろめたさが作品に感じられる せいかもしれない。その辺で多少物足りない感じはある。 でも日本映画にしてはスケールの大きな作品だし、何とか頑 張って欲しいものだ。
『ホワイトハウス・ダウン』“White House Down” 今年4月紹介『エンド・オブ・ホワイトハウス』に続いて、 米大統領府ホワイトハウスがテロリストに襲撃されるお話。 『エンド・オブ・ホワイトハウス』と7月紹介の『レッド・ ドーン』の敵役が続けざまに北朝鮮だったので今回はどうか なと思ったら、さすがに違う相手だった。 そのホワイトハウスの主は反戦主義の大統領で、彼は世界の 平和に向けて確実に歩み続けていたが、国内の特に軍人や軍 需産業に関係する国防族からは眼の敵にされる存在だった。 その大統領が国際会議でまた平和への一歩を進め専用ヘリで 官邸に帰ってくるところから物語は始まる。 一方、大統領府には1人の男性が面接に訪れていた。議会警 備官の彼は元海外派兵の兵士で、戦場の経験を活かしたいと 願う彼は、大統領を警護するシークレットサーヴィスを目指 していた。しかし面接では戦場での優秀さに比べて議会警備 での評判の悪さが指摘され、採用は拒否されてしまう。 それでも女性秘書官から大統領府の入館証を2枚手に入れた 彼は、離婚した妻の許にいて彼とは疎遠になりつつある娘を 見学に誘う。彼女はホワイトハウスオタクで、現大統領は彼 女にとってヒーローだった。こうして父娘は大統領府の見学 ツアーに参加するが…。 4月の作品では軍隊による緻密に計算された襲撃だったが、 それに比べると本作の襲撃はかなりラフな感じがした。でも まあそれなりのアクションで展開されると、これも起きない とは言い切れないものにはなっている。特に国内からの襲撃 は可能性も高そうだ。 そして対抗するのは、4月の作品が元シークレットサーヴィ スで館内に詳しかったのに対して本作は部外者。しかしその 分、観客にも判りやすく説明されるし、過去の映画や都市伝 説的な情報も登場したりして、興味を繋ぐことは周到に行わ れていた。 出演は、ジェイミー・フォックスとチャニング・テイタム。 他にマギー・ギレンホール、4月紹介『欲望のバージニア』 などのジェイスン・クラーク、2011年5月紹介『モールス』 などのリチャード・ジェンキンス、ジェームズ・ウッズらが 脇を固めている。 『アメイジング・スパイダーマン』などのジェームズ・ヴァ ンダービルト野脚本から、『2012』などのローランド・ エメリッヒが監督した。 実はすでに公開されたアメリカでの評判が芳しくなくて、心 配しながら観に行ったが、最後にかなり感動的なシーンを置 くなど、なかなか巧みに作られた作品だった。タイミング的 に二番煎じのそしりは免れないが、これはこれでアクション 映画としては面白い作品だったと言える。
『ビザンチウム』“Byzantium” 1984年『狼の血族』や1994年『インタビュー・ウィズ・ヴァ ンパイア』のニール・ジョーダン監督が、久々に挑戦したゴ シック・ロマン作品。 登場するのは姉妹のように見える2人の女性。少し年上の女 性クララは奔放に男を漁っているが、年若の女性エレノアは 人目を避けるように生活している。そんな2人がうらびれた 浜辺のリゾート地にやってくる。 そこでクララは遊園地で出会った男が貸間をやっていると聞 き、言葉巧みにその男を丸め込む。そしてその男が所有する 廃業したホテルに居座ると、街角にいた若い女たちを集めて 娼館を始めてしまう。 一方、エレノアは老人介護施設で働く青年に声を掛けられる が、いつもの通り素っ気無い素振りでそれに応じてしまう。 しかし彼の持つ孤独感には奇妙な親近感を覚えるのだった。 そして彼女たちには19世紀から続く長い物語があった。 そんな彼女らを2人の男が追っていた…。 出演は、2010年4月紹介『プリンス・オブ・ペルシャ:時間 の砂』などのジェマ・アタートンと、2007年12月紹介『つぐ ない』でオスカー候補になり、2011年5月紹介『ハンナ』や 昨年7月紹介『ウェイバック〜脱出6500km〜』にも出演のシ アーシャ・ローナン。 彼女らの周りを今年5月紹介『オン・ザ・ロード』などのサ ム・ライリー、4月紹介『アンチヴァイラル』などのケイレ ブ・ランドリー・ジョーンズ、それに2006年2月紹介『イー オン・フラックス』に出演のジョニー・リー・ミラーらが固 めている。 若い女性の吸血鬼ということでは、ハリウッド製のシリーズ の他にも、2011年5月『モールス』や2011年10月『ブラディ ・パーティ』などを紹介しているが、ヨーロッパ発信の作品 が男性吸血鬼との関係を微妙に描いているのは面白い。それ が特に本作では丁寧に描かれており興味深かった。 因にジョーダン監督は、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパ イア』では男性吸血鬼を描いている訳で、本作はそれと対に なる作品とも言える。ただしその1994年作では、キルスティ ン・ダンストが演じた少女吸血鬼も登場しており、本作はそ の続きと言えるかもしれない。 その本作では『モールス』でクロエ・グレース・モレッツが 演じた少女吸血鬼にも繋がる切なさも見事に描かれており、 クリストファー・リーらが怪奇に演じてきた吸血鬼は、彼女 らによって新たな次元に突入しているようだ。 なお本作は、イギリスの劇作家モイラ・バフィーニが2008年 に発表した舞台劇に基づき、原作者自身が脚本も手掛けてい る。
『フローズン・グラウンド』“The Frozen Ground” 1980年代にアラスカ州で起きた連続殺人事件の実話に基づく 作品。 主人公は州警察の刑事。しかし彼は気の乗らない仕事に石油 企業への転職を決めていた。そんな彼の許に1人の女性が保 護を求めてくる。彼女は街娼だったが、金で誘われた仕事先 で暴行を受け、銃でも狙われて逃げてきたというのだ。 そのころ町の郊外では、熊が掘った穴から女性の遺体が発見 され、しかもその遺体は銃で撃たれていたことが判明する。 ところがアンカレッジ市警察は娼婦の証言を重視せず、事件 はうやむやになろうとしている。 そこで主人公は、州警察の権限で事件の捜査を進めることに するが、広いアラスカの荒野が相手では証拠を集めることに も困難が付きまとっていた。それでも地道に捜査を続ける主 人公は、徐々に犯人を追い詰める。 事件は最終的に犯人が司法取引をしても、裁判で懲役461年 が言い渡されたという凶悪なもの。しかし司法取引以前には 17件の殺人を自白し、まだ余罪がある可能性もある。しかし それは闇の中だという。 物語はこの捜査の模様に、当時17歳だった娼婦の行動や、裏 の人間を使って娼婦を亡き者にしようとする犯人の動きなど も絡めて、アラスカの大自然を背景にサスペンスフルに展開 されて行く。 出演は、ニコラス・ケイジ、ジョン・キューザック、それに 2011年4月紹介『エンジェル・ウォーズ』などのヴァネッサ ・ハジェンズ。他にラダ・ミッチェル、カーティス‘50¢’ ジャクスンらが脇を固めている。 脚本と監督は、ニュージーランド出身、ヨーロッパのマーケ ティング業界に長く居てソニーPSが1億ドルを掛けた世界 戦略の責任者の1人だったとされるスコット・ウォーカー。 その後に映画界に身を投じての長編デビュー作だ。 監督は、当初は別の連続殺人鬼の映画の企画を進めていた。 しかしその過程で参考とした本件に興味が湧き調査を進めた が、まだ事件から日も浅く、関係者の多くも現存する事件に は躊躇いも大きかったという。 しかし事件発覚の切っ掛けとなった女性が全面的に協力し、 彼女の「もっと早く私が誘拐され、レイプされて脱出してい たら、もっと多くの女性が生きていたかもしれない」という 発言に映画化を決意したとのことだ。 その他にも、今だに行方不明の被害者の関係者の多くも制作 に協力しているようだ。
『キャプテン・ハーロック』 松本零士が1977年に発表した宇宙海賊コミックスを、CGI アニメーションで映画化した作品。 物語の背景は、遠い未来か、遠い過去かもしれない時代の大 宇宙。その大宇宙に進出した地球人類はその無辺の広がりに 寂寥し、母星への帰還を求める。しかし膨大な人口となった 人類に地球はその全てを受け入れる余地がなかった。 こうして始まった「カムホーム戦争」で、地球側の切り札と なったのが4隻のデス・シャドウ級戦艦。その4番艦の艦長 の名はハーロック。ところが戦いが地球側の勝利に終わり、 地球が立ち入り禁止の聖域となったとき、叛旗が翻る。 ハーロックは自ら宇宙海賊と名告って、地球政府への反乱を 始めたのだ。何故ハーロックは反乱を開始したのか? その 真の目的は…? そして地球政府は民衆の英雄となりつつあ るハーロック暗殺計画を進めていた。 この物語に、海賊に憧れハーロックが率いるアルカディア号 に乗り組むことに成功する若者や船の要となる異星人、そし てハーロックの過去などが絡んで、大宇宙のドラマが展開さ れる。 声優は、ハーロック役を小栗旬、若者役を三浦春馬。他に、 蒼井優、古田新太、福田彩乃。さらに人気声優の森川智之、 坂本真綾、沢城みゆき、小林清志、大塚周夫らが脇を固めて いる。 監督は、2004年『アップルシード』などの荒牧伸志、脚本は 『人類資金』と同じく福井晴敏が担当している。 それにしても、「『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』って こんな話だったかなあ?」というのが映画を観ての最初の印 象。僕は原作コミックスも読んでいないし、昔のアニメも観 ていないが、何か聞いている印象を違う感じがした。 でもまあこれがジェームズ・キャメロンに絶賛され、すでに 76以上の国と地域に公開が決まったというのだから、これで 正しいのだろう。ただ『人類資金』と同様にSFの衣は着て いるがSFではないという感じの作品だ。 福田の脚本は、2005年の『戦国自衛隊1549』のときも、 これはSFではないと感じたものだが、これがこの人の本質 なのだろうし、それが一般的には受けているのだから、それ は認めない訳にはいかない。 でも本物のSFを期待する者には寂しいところだ。しかしそ れが現実ということだ。ただし物語の始めの方で、ロープを 使って振り子で相手の船に乗り込むのは、無重量状態ではお かしいことは指摘しておきたい。そんな作品だ。
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