井口健二のOn the Production
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2013年05月30日(木) オン・ザ・ロード、素敵な相棒、風切羽、シェフ、恋のベビーカー大作戦、ジェリーフィッシュ、オーガストウォーズ、ワイルド・スピード6

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『オン・ザ・ロード』“On the Road”
1957年に発表されたビートジェネレーション文学の代表作で
あり、その後は「ヒッピーの聖典」とも呼ばれたジャック・
ケルアック原作小説の映画化。原作は何度も映画化が企画さ
れ頓挫していたが、今回はフランシス・フォード・コッポラ
製作総指揮の許、2004年8月紹介『ビハインド・ザ・サン』
などのウォルター・サレス監督によって実現された。
主人公は、ニューヨークに暮らす若い作家。父親を亡くして
喪失感に囚われていた彼に転機が訪れる。それは西部から上
京してきた1人の男によってもたらされた。その男は少年院
上がりの自動車泥棒の常習犯で、若い女性と一緒に暮らし、
何もかもが型破りだった。
その後、その男からの手紙でコロラド州デンバーに招かれた
主人公は、初めて訪れる未知の西部で人生を変える旅を開始
することになる。そしてその旅は、ノースカロライナからル
イジアナ、果ては隣国メキシコの地にまで及んで行く。

原作は元々起承転結のストーリーもなく、原作者の体験に基
づく様々なエピソードが羅列されたものだそうで、それは映
画化には不向きな作品だったようだが、その原作からサレス
と2003年『モーターサイクル・ダイアリーズ』でも組んだホ
セ・リベーラが見事な物語を紡ぎ出している。
因にコッポラは、2003年の作品を観て彼らなら映画化を実現
できると見て依頼したそうだが、その実現までには8年の歳
月が掛けられたものだ。
出演は、2010年10月24日付「第23回東京国際映画祭」で紹介
『ブライトン・ロック』などのサム・ライリー、同年12月紹
介『トロン:レガシー』で主演のギャレット・ヘドランド、
『トワイライト』でブレイクする以前に出演が決まっていた
というクリステン・スチュワート。
さらに昨年12月紹介『ザ・マスター』などのエイミー・アダ
ムス、2009年8月紹介『パイレーツ・ロック』などのトム・
スターリッジ、2011年2月紹介『ザ・ライト[エクソシスト
の真実]』などのアリシー・ブラガ。
またキルスティン・ダンスト、ヴィゴ・モーテンセンらが脇
を固めている。なお、登場人物にはそれぞれモデルがおり、
主人公が原作者である他に、モーテンセンが演じるブル・リ
ーは『裸のランチ』のウィリアム・S・バロウズだそうだ。

『素敵な相棒』“Robot & Frank”
2009年1月紹介『フロスト×ニクソン』などのフランク・ラ
ンジェラが介護ロボットとコンビを組む近未来を背景にした
作品。
主人公は高齢の独居老人。週に1回息子が訪ねてくるが、お
互いにその存在は目障りになっている。そしてついに息子は
最新式の介護ロボットに父親の面倒を見させることにするの
だが、何でも1人で出来るとする老人には迷惑だ。
ところがそのロボットには、老人に生き甲斐を見付けさせる
機能がプログラムされていた。そして息子にも内緒の老人の
密かな生き甲斐は、他人の家の錠前を破り、忍び込んで高価
な品物を盗んでくることだったのだ。
こうしてロボットに錠前破りの技術を教え込んだ老人は、自
分の技術を活かして、行きつけの図書館の廃館を企む連中を
懲らしめる作戦を開始するが…。ロボットの相棒には大きな
問題があった。

共演は、昨年12月紹介『クラウド・アトラス』などのスーザ
ン・サランドン、2008年1月紹介『魔法にかけられて』など
のジェームズ・マースデン、『LOTR』3部作などのリヴ・タ
イラー。そしてロボットの声優を、2009年9月紹介『エスタ
ー』などのピーター・サースガードが務めている。
脚本と監督は共に新人で、監督はジェイク・シュライヤーと
脚本はクリストファー・D・フォード。2人はニューヨーク
大学の出身で、共同で制作プロダクションを設立してCMな
どを手掛けてきたそうだ。
そんな2人の映画デビュー作となっているものだが、物語は
老人問題や合理主義の問題を取り上げて社会性も有り、そこ
にロボット介護を介在させるアイデアは斬新で面白いと感じ
られた。
しかもロボットの抱える問題点は、これはいわゆるロボット
物の中でも新しい視点と言えるもので、これはなるほどと納
得した。しかしそれに対する解決が安易というか多少呆気な
く、ここはもう少し主人公に悩んで欲しいとも思えた。
もちろんそこまでに葛藤はあるのだが、それが物語の中で充
分に描かれていない。これではSFファン以外の観客には、
脚本家及び監督の真意が伝え切れないのではないかとも感じ
られた。
ロバート・A・ハイラインの『月は無慈悲な夜の女王』など
SFの小説では定番の結末ではあるが、この切なさをもっと
しっかりと描いて欲しかったものだ。


『風切羽』
2010年の長編デビュー作『こもれび』が上海国際映画祭など
に正式招待され、本作では韓国・全州国際映画祭の新人監督
部門で第2位にあたる作品賞を受賞した小澤雅人監督作品。
主人公は、実の母親や姉にも疎まれている少女。過去の虐待
の事実から現在は児童養護施設に措置されているようだ。そ
の身体には虐待の跡も残っている。しかしそれでも家族との
絆の切れない少女は、施設を抜け出し家族に会いに行く。
そして将来に夢を抱く少女はアルバイトをして貯金してもい
たが、訪ねてきた母親とは別居中の父親はそこにも目をつけ
る。そんな少女が街角で1人の少年と出会う。その少年は昔
住んでいたその地区で自分の過去を探していた。
こうして、共に自分の拠り所を求める2人は、何となく行動
を共にするようになるが…。やがてそれは重大な事件へと繋
がって行く。
監督は以前の作品でも、社会に馴染めない不器用な人たちを
テーマにしていたそうだが、本作ではその根源と言えるかも
しれない児童虐待を取り上げ、さらにこれを3部作として描
いて行く計画だそうだ。

出演は、2011年3月紹介『大木家のたのしい旅行』に出てい
たという秋月三佳、2012年『仮面ライダーウィザード』にレ
ギュラー出演した戸塚純貴。他に、川上麻衣子、五大路子、
重松収、石田信之、佐藤太、寺田有希らが脇を固めている。
題名は、鳥の翼の一部で飛翔に不可欠とされるもの。ペット
として飼われている鳥ではその部分を切除して飛べないよう
にすることも行われており、映画ではその切除のシーンも繰
り返し描写される。また映画のチラシには「歪んだ愛と暴力
が、私の羽を切り落とした」と記載されている。
しかし映画の中でその具体的な説明はなかったようで、こと
さら衝撃的なそのシーンが印象に残るが、それも監督の目的
なのだろう。その他にも印象的な演出や構成が散見され、な
かなか巧みに作られた作品に感じた。これなら映画祭の受賞
も頷けるものだ。
そして物語には、児童虐待を受けている少女たち(少年側に
は具体的な描写はないが、容易にそれを想像させる)への同
情ではない優しい眼差しが溢れ、この作品の意図を見事に描
いていると感じられた。

公開は6月22日から。東京は池袋のシネマ・ロサ。その他
全国は、愛知県を中心に青森から小倉まで展開するコロナシ
ネマワールドというチェーンで公開されるようだ。

『シェフ!〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜』
“Comme un chef”
昨年12月に日本公開された作品だが、その折に僕は試写を観
られなかったもので、今度はそのDVD&Blu-rayでのリリース
が決まり、サンプル版を観せてもらった。
物語は、自分の料理に絶対の自信を持ち、そのため客や店の
オーナーと対立して職を失い続けているシェフ。しかし同棲
中の女性が妊娠し、我が子の誕生が近づいてやむ無く別の職
に就くことになる。
ところがその職場で厨房を外から覗いた主人公は、思わずそ
の調理に口を出してしまう。しかもそこには彼が信頼する名
シェフが勤める店の先代オーナーが暮らしていた。一方その
名シェフも跡を継いだオーナーとの確執に悩んでいて…
パリの有名レストランの厨房を舞台にした作品では、2007年
6月に『レミーのおいしいレストラン』なども紹介している
が、ミシュランガイド(とは名指ししないが)の星の数が引
き起こす問題は、人情コメディには最適なようだ。

出演は、2009年公開の“Lucky Luke”でビリー・ザ・キッド
を演じたというミカエル・ユーン、そして名シェフ役にジャ
ン・レノ。
他に、2011年3月紹介『黄色い星の子供たち』などのラファ
エル・アゴゲ、2010年12月紹介『ナンネル・モーツァルト/
悲しみの旅路』などのサロメ・ステヴナン、同6月紹介『セ
ラフィーヌの庭』などのセルジュ・ラリヴィエール、2002年
12月紹介『ブラッディ・マロリー』などのジュリアン・ボワ
ッスリエらが脇を固めている。
脚本と監督は、俳優でもあるダニエル・コーエン。舞台では
二人芝居も得意だという監督が、ユーンとレノの2人を中心
に据えて、見事な作品を作り上げている。
因に本作の企画を進めていた当時は、上記の『レミー』以外
には高級レストランを舞台にした作品は少なかったそうで、
本作は「未開拓地」として取材からスタートしたそうだ。し
かし映画が完成時にはブームが到来していたとのことだ。
それにしても、映画には「分子料理」と称する得体の知れな
いものも登場するが、その他は正に高級レストランの厨房を
覗いているような雰囲気。美味しそうな料理のレシピなども
次々に紹介される。
しかもそこには伝統を重んじるあまり硬直化したシェフや、
そのレシピに果敢に挑戦する若手の姿などもあって、素敵な
人間ドラマが描かれていた。

なお今後もこのような形で、見逃した作品を紹介する機会が
ありそうだ。

『恋のベビーカー大作戦』
“La Strategie de la Poussette”
日本未公開の作品をwowowで放送する「W座からの招待状」
が、さらにその上映の場を映画館に広げて放送前に公開する
企画「旅するW座」の第4弾作品。
物語は、自分に自信がないために父親になることに踏み切れ
ない男性が主人公。とあるパーティで一目惚れをした女性と
交際を始めるが、彼女には子供が欲しいと願望があった。こ
のため2人は別離を余儀なくされてしまう。しかし主人公は
彼女への未練を断ち切れない。
そして1年後、主人公の許に突然赤ん坊が降ってくる。そし
て特定の期間、赤ん坊の面倒を見る羽目に陥った主人公は、
その赤ん坊を利用して別れた彼女に育メンをアピールする作
戦に出るが…。
作品は、今年初春にフランスで公開されて40万人の動員を記
録したそうだが、若い男性が赤ん坊の面倒を見る羽目に陥る
という物語は従来からいくつも知られているものだ。しかし
育メンブームと言われる日本ならさらに観客へのアピールも
し易いかな?

出演は、今年6月開催の「フランス映画祭2013」で『黒いス
ーツを着た男』が紹介されるラファエル・ペルソナーズと、
フランスではお天気お姉さんとしても人気の高いシャルロッ
ト・ルポン。他に2010年2月紹介『オーケストラ!』などの
フランソワ・ベルレアンらが脇を固めている。
脚本と監督は、2008年の「フランス映画祭」で『娼婦とニワ
トリ』という作品が紹介されているクレモン・ミッシェルの
作品。
自分自身が子供2人の子育てに協力したと思っている男性と
しては、主人公が育児に興味を持つまでの過程をもう少し詳
しく描いて欲しかった感じもするが、今の状況ではその必要
はないのかな?
まあこれで男性の育児への興味を喚起する程の野望を持った
作品という訳ではないのだろうが。

なお本作は「旅するW座」として、7月5日の名古屋シネマ
スコーレを皮切りに、松山、大阪、佐賀、宮古、浜松で各々
2回ずつ全12回が、金曜夜に無料上映されるとのこと。
残念ながらこの中に東京での上映は予定されていないが、実
は前回紹介した『愛のあしあと』も「旅するW座」の第1弾
として昨年11月に地方で公開されたとのことで、その流れで
今後東京での公開もあるかもしれない作品だ。

『ジェリーフィッシュ』
昨年9月に『自縄自縛の私』を紹介した「R-18文学賞」シリ
ーズのvol.2。今回は、1990年代の『ガメラ』シリーズや、
2000年代の『デスノート』を手掛けた金子修介が監督した。
原作は雛倉さりえという新人作家による6月21日に新潮社か
ら刊行予定の同名の小説。因にこの原作は第11回「女による
女のためのR-18文学賞」の最終候補だが、受賞はしなかった
ようだ。
女子高生の夕紀は、学校行事で訪れた水族館のクラゲの水槽
の前で同級生の叶子に声を掛けられ、戸惑いながらも唇を重
ねる。こうして親しくなった2人だが、平凡な家庭に育つも
日常に不満を抑えきれない夕紀はバイト先の店長に身体を委
ねたりもしている。
一方の叶子は常に孤独の闇を抱えており、そんな2人の関係
は徐々に深みに嵌って行くが、それと同時に叶子は同級生の
男子の告白を受け入れ、彼との行為に興じてしまう。そして
夕紀は叶子が中学時代に先輩の子供を妊娠して堕胎したとの
噂を聞き…

出演は、昨年8月紹介『FASHION STORY〜Model〜』に出てい
たという大谷澪と映画初出演の花井瑠美。因に花井は、東京
女子体育大学卒業のインカレ2連覇を果すなどした元新体操
選手で、試写会で挨拶に立って試写後に言葉も交わしたが、
なかなかしっかりした感じで好感が持てた。
他に、奥菜恵、秋本奈緒美、竹中直人、ガレッジセールの川
田広樹らが脇を固めている。
金子監督作品は一昨年から年2作のペースで公開され、その
殆どを試写会で観ているが、このページではできるだけ紹介
しようとしたものの、特に昨年の1本目に観た作品では何も
書く事ができず、結局この作品から全作品の記録を残すこと
を断念したものだ。
そんな金子監督の新作ということで、正直には試写会に行く
ことも躊躇われたが、観ての感想はやっと原点に戻ってくれ
たというものだった。
金子監督は、元は日活ロマンポルノ出身だが、僕が最初に注
目したのは1988年公開の『1999年の夏休み』。この萩尾望都
原作『トーマの心臓』を基にしたとされる作品で、深津絵里
ら若い女優を巧みに演出した手腕は高く評価された。そして
本作では大谷、花井がその期待に応えている。
金子監督は上記の大作でも評価されたが、このような作品で
も手腕を発揮してもらいたいものだ。


『オーガストウォーズ』
“Август. Восьмого”
2008年8月に起きた南オセチア紛争を背景に、巨大ロボット
が跋扈するという奇想天外な発想に基づく物語。
物語は、多少空想癖のある少年を中心に描かれる。彼の両親
は離婚しており、母親と共に暮らす少年に平和維持軍として
オセチアに駐在する父親から誘いが来る。そこは父親の故郷
でもあり、その地に暮らす祖父母に会いに来ないかというの
だ。その時現地は平穏に見えていた。
一方、新しい恋人からバカンスの誘いを受けていた母親は、
恋人に馴染まない息子をこの時とばかりに送り出すのだった
が…。突如南オセチアにグルジア軍の侵攻が始まる。そして
国際情勢を懸念して手をこまねくロシア政府を尻目に、グル
ジア軍は一般人も巻き込む戦闘を開始した。
この事態に息子の実父や新しい恋人も頼りにならないと判断
した母親は、単身で息子の救出のため交通も情報も途絶した
南オセチアの戦地に向かって、幼い息子との携帯電話の連絡
だけを頼りに潜入を開始する。
という物語に巨大ロボットが登場する。ただしそのロボット
の登場のさせ方は、ある種の常識的なものであり、常套手段
とも言える。しかしそれによって監督らが本当は何を描きた
かったのかは如実に判るし、その思いが観客にもストレート
に伝わってくる作品だ。

原案と脚本、製作、監督を務めたジャニック・ファイジエフ
は、2005年に“The Turkish Gambit”という文芸大作で評価
されたということだが、本作では原案から考え、「自分と主
人公とを無意識に重ねることができた」としている。
また脚本には、元はNewsweek誌などに寄稿した従軍記者で、
アフガニスタン戦争や南アフリカのアパルトヘイトの取材な
ども行ってきたというマイクル・A・ラーナーが参加して、
戦場の実態を描き尽くしているようだ。
母親役は、舞台出身で映画出演での受賞歴もあるスベトラー
ナ・イヴァーノヴナ。他に監督の前作にも出演のエゴール・
ベロエフ、舞台出身のマクシム・マトヴェーエフらが脇を固
めている。
戦場に向かう母親の姿を描いた作品では、2008年10月にアレ
クサンドル・ソクーロフ監督の『チェチェンへ/アレクサン
ドラの旅』なども紹介しているが、ドキュメンタリータッチ
のその作品に対しては対極と言える作品かもしれない。しか
し監督らがそこに描こうとしているのは同じものだ。
ロボットVFXのオブラートにくるみながら、ここまで戦争
の実態を描き切った監督に、心からの賞賛を贈りたいと思う
作品だった。


『ワイルド・スピード/ユーロ・ミッション』
“Fast & Furious 6”
ヴィン・ディーゼル主演によるシリーズの第6作。第3作で
東京、第5作でリオデジャネイロを舞台にした物語は、今回
はついにヨーロッパに上陸する。
物語の始まりはスペイン領カナリア諸島。リオの作戦で大金
を手にした主人公らは国際手配はされているものの、合衆国
との犯罪者引渡し条約が結ばれていない南国で優雅な生活を
送っている。
ところがそこに前作で捜査に協力したインターポールの刑事
が現れ、新しい任務への協力を要請する。とは言えそんな協
力の義務はない主人公らだったが、そこに刑事はある情報を
提供し、さらに恩赦の実施を持ち出す。
こうして止むなく協力をすることになった主人公たちだった
が、今回の敵はロシアンマフィアを背景にした今までの相手
とは桁違いに強大な勢力を誇っていた。そしてその首領が疾
駆するのは正に最強の車だった。

共演はポール・ウォーカー、ジョーダナ・ブリュースター、
それに本作から本格復帰のミシェル・ロドリゲス、さらに前
作に続けて登場のドウェイン・ジョンスン。またタイリーズ
・ギブスン、クリス・ブリッジス、ガル・ギャドット、サン
・カンらの前作のメムバーも再登場する。
一方、敵役には今年2月紹介『ノー・ワン・リヴズ』などの
ルーク・エヴァンスが扮して凄みのある悪党ぶりを演じてい
る。脚本は前々作からのクリス・モーガン、監督は第3作以
来4連投のジャスティン・リンが担当した。
2001年にシリーズの第1作を手掛けた監督のロブ・コーエン
とディーゼルのコラボレーションでは、2002年9月紹介『ト
リプルX』も高評価を得たものだが、ヨーロッパが舞台で、
さらに恩赦が取引材料の一部というのはその作品も髣髴とさ
せるものだ。
そして本作のアクションは、映画の中に「うまくいくと思っ
たの?」、「いや思わなかった」という台詞が出てくるくら
いに、言わば荒唐無稽の一歩手前という感じ。本シリーズは
どちらかというとメカニカルなアクションが主体で、『トリ
プルX』が肉体系だったが、本作ではその垣根が取り払われ
てしまったようだ。

なおエンディングクレジットには、本シリーズ恒例の次作に
繋がるサプライズが挿入されているが、今回は前作にも増し
てとんでもないもの。その第7作は2014年の公開が予定され
ている。


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井口健二