| 2013年02月01日(金) |
第186回(Star Wars,Odyssey,ブラックリスト,バヨナ監督,Terminator,The Amazing Spider-Man 2,The Muppets... Again!,Tomorrowland) |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページは、SF/ファンタシー系の作品を中心に、※ ※僕が気になった映画の情報を掲載しています。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ まずはこのニュースから。 すでに報告されている2015年にディズニーが公開する新作 “Star Wars: Episode VII”について、その監督として今夏 公開される『スター・トレック イントゥ・ダークネス』を 手掛けたJ.J.エイブラムスの起用が正式に発表された。 この監督の人選に関しては、昨年の計画発表以降、自薦他 薦による様々な名前が挙げられていたが、中では昨年9月紹 介『アルゴ』のベン・アフレックの名前もかなり取りざたさ れていたようだ。確かにその時点では、1970年代のSF映画 ブームを背景にした現実のアドヴェンチャーを見事に描いた アフレックの手腕は魅力的に感じられたものだ。 しかしジョージ・ルーカスとディズニーは、さらにSF映 画の王道を行く現在進行中の『スター・トレック』シリーズ の監督に、『スター・ウォーズ』の新たな希望を委ねること にしたようだ。 J.J.エイブラムスは1966年のニューヨーク生まれ。しかし TVプロデューサーだった両親と共に幼い頃にロサンゼルス に移住し、主な教育は西海岸で受けている。そして16歳の時 に映画音楽の作曲で業界と関わりを持ち、大学生の頃には友 人と共に映画の企画書などを書き始め、その中には1992年に メル・ギブスンが主演したSF作品『フォーエヴァー・ヤン グ』も含まれている。 そして1998年にジェリー・ブラッカイマー、マイクル・ベ イの許で『アルマゲドン』の製作に参加。同時期に初のTV 作品“Felicity”を手掛けて高評価を受け、2001年には制作 会社Bad Robotを設立し、“Alias”“Lost”などを制作して 行く。因にこの3つのTVシリーズでは、エピソードの監督 の他に、テーマ音楽の作曲も手掛けているそうだ。 その後は、2006年に『ミッション:インポッシブル3』で 映画監督デビュー。さらに2009年の『スター・トレック』、 2011年6月紹介『スーパー8』を監督して今夏の『スター・ トレック イントゥ・ダークネス』に至っている。またその 傍らでは、2008年の『クローバーフィールド』の製作なども 手掛けてマニアファンを喜ばせてくれた。 そんな正しくSF映画の王道監督の起用が発表されたもの だが、エイブラムス自身は、昨年秋頃のインタヴューでは、 「勿論やりたいが、それより金を払って観に行くことが楽し みだ」と語っていたそうで、そんな根っからのファンが、新 シリーズの監督に就任したようだ。 なお脚本はすでに、2006年11月9日付「東京国際映画祭」 で紹介した『リトル・ミス・サンシャイン』や、2010年5月 紹介『トイ・ストーリー3』などのマイクル・アーントが書 き上げているはずだが、エイブラムスは過去の監督作品では いずれも自らの脚本か、TVシリーズで気心の知れた脚本家 の脚本を用いており、その点がちょっと気にはなるところで はある。 海外の映画データベースでは、すでにマーク・ハミル、ハ リスン・フォード、キャリー・フィッシャー、アンソニー・ ダニエルスらの出演も噂として掲載されているが、実際の主 人公たちはその後の世代の物語となるはずで、そろそろ発表 されるそのメムバーも気になるところだ。 * * 続いてはワーナーから、古代ギリシャの詩人ホメーロスの 作とされる長編叙事詩「オデュッセイア」にSF的な捻りを 加えて映画化する計画が進められ、その脚本家として昨年末 に発表の2012年版ブラックリストでベスト10に選出された、 1937年のソビエト連邦が舞台の脚本“Devils At Play”の執 筆者ジェイムズ・ディラポーの起用が発表されている。 オリジナルの物語は、英雄オデュッセウスがトロイア戦争 の勝利の後に凱旋する途中に起きた10年間にもおよぶ漂泊の 旅が語られ、さらにオデュッセウスの息子テーレマコスが父 を探す探索の旅や、不在中に妻ペネロペに求婚した男たちに 対する報復なども語られる、というもの。そして今回の計画 では、その物語の舞台を大宇宙に設定して、壮大な冒険物語 を描こうというものだ。 因に、オリジナルはワーナーが先に映画化した2004年5月 紹介『トロイ』の基となった叙事詩「イリアス」の続編とも されており、舞台設定は変わるがその物語の完結編が描かれ ることにもなる。一方、ワーナーでは1960年代以前にMGM が製作した映画作品の権利も所有しているもので、その中に は1968年公開の『2001年宇宙の旅』も含まれていて、マニア にはその点もちょっと気になる計画になりそうだ。 そんな計画にソビエトの裏側を描いた脚本家が起用される ものだが、ブラックリスト選出作の詳細が判らないので単純 な評価はできないものの、かなり骨太な作品が期待出来そう な感じはしてくるところだ。 製作時期は未定だが、ワーナーではシリーズ化も期待して いるという情報もあるようだ。 * * ということで、お次は上の記事の登場し、1月20日付でも 予告したブラックリストについて紹介しておこう。 今回の2012年版ブラックリストは昨年12月16日に発表され たものだが、その具体的な選考は、各エージェントから応募 された72作の脚本に対して、290人を超える映画製作会社の トップたちがそれぞれが気に入った10作ずつを選択し、その 選択された票数によって順位が選ばれている。 そこでトップ10に選ばれたのは、 “Draft Day”(65票)NFLのドラフト会議の一日を描い た実話に基づく作品。 “A Country of Strangers”(43票)1966年にオーストラリ アの海岸から消えた3人の子供の行方を追う実話に基づく作 品。 “Seuss”(43票)昨年8月紹介『ロラックスおじさんの秘 密の種』などの映画化作品で知られる絵本作家のドクター・ スースが、第1作を発表する切っ掛けになった女性との出会 いを描いた作品。 “Rodham”(39票)ウォーターゲート事件に関わった若き弁 護士を描いた作品。 “Story of Your Life”(35票)日本では2003年に翻訳され ているテッド・チャン原作の映画化。世界中に異星人の宇宙 船が着陸した後の地球人の姿が描かれる。 “Wunderkind”(33票)モサドの工作員の父親とCIAエー ジェントの息子が、逃亡したナチの残党を追う物語。 “Extremely Wicked, Shockingly Evil, and Vile”(31票) 将来の約束された法学部の学生が、歪んだ社会の中で徐々に 危険に曝されて行く姿を描いた作品。 “Glimmer”(29票)呪われた森で行方不明になった3人と、 残された2人の姿を追う、ゴミ箱で発見されたヴィデオテー プに基づく作品。 “Me & Earl & the Dying Girl”(29票)白血病で死を迎え る友の姿を映画に残そうとする高校生たちを描いたジェシー ・アンドリュースの小説を、著者自らが脚色した作品。 以上の9作に、上記の“Devils At Play”(28票)を加え た脚本がベスト10に選ばれている。この中では当然“Story of Your Life”が気になるが、“Glimmer”も今更のPOV で高評価を受けているのが気になるところだ なおこの他の作品では、少し下位だが2005年5月の第87回 (前)などで紹介の“The Equalizer”も今回のリストに入っ ていた。この1980年代テレビシリーズの映画版に関しては、 2006年6月の第112回でも、ワインスタイン Co.(TWC) による権利獲得を報告したが、結局その計画は頓挫していた ようだ。 しかし、実はこのリスト発表直前の12月6日にこの脚本を ソニーが契約したことが報告され、監督にはデンマーク出身 のニコラス・ワインディング・レフン、主演はデンゼル・ワ シントンで映画化が進められるとのことだ。監督には先に、 ワーナーで“Logan’s Run”のリメイクの計画も進んでいる ようだが、今回は順調に進むことを祈りたい。 * * ここからはまた製作ニュースで、2008年9月紹介『永遠の こどもたち』などのスペインの新鋭ファン・アントニオ・バ ヨナ監督に、ワーナーで進められている題名未定のSF作品 への起用が発表されている。 作品は、2008年12月紹介『ベンジャミン・バトン−数奇な 人生−』などのエリック・ロスの脚本に基づくもので、具体 的な内容は不明だが、SF作品と紹介されていたものだ。 因にバヨナ監督は、前回紹介したVES賞の候補の中で、 一般映画なのに作品賞の他に模型賞の候補にも挙げられてい た“The Impossible”も手掛けており、実はこの作品は昨年 の東京国際映画祭「ワールドシネマ」で上映されたが、僕は 見逃していた。内容は、2004年のクリスマスに東南アジアを 襲った大津波に翻弄される家族の姿を描いたもので、主演の ナオミ・ワッツは米アカデミー賞の主演女優賞候補にもなっ ている。 そして今回の計画は、その監督の第3作となるものだが、 見事なダーク・ファンタシーの後にデザスター作品を手掛け た監督にSFというのは気になるところだ。ただしロスの脚 本には、1994年のオスカー受賞作『フォレスト・ガンプ』な どあるものの、2006年1月紹介『ミュンヘン』など僕には何 か引っ掛かるところも多く、今回の計画もその点では不安も ある。そんなことも気にしながら注目して行きたい。 なお製作は、ワーナに本拠を置き、紹介予定のコミックス の映画化『L.A.ギャングストーリー』などを手掛けるケヴィ ン・マコーミックが担当している。 * * お次は、2011年1月3日に7年間の任期を終えてカリフォ ルニア州知事を退任したアーノルド・シュワルツェネッガー の主演復帰作『ラストスタンド』は後日紹介する予定だが、 そのシュワルツェネッガーの出世作“The Terminator ”に 続編の計画が報道されている。 シリーズは、2009年5月紹介の『ターミネーター4』で、 新たな展開による再開が期待されたが、McG監督による作品 は残念ながら期待通りのものにはならず、続編の権利は数年 前に前作を製作したハルシオンから売却されていた。 その権利を買い取ったのが、今年の米アカデミー賞を賑わ す『ゼロ・ダーク・サーティ』『ザ・マスター』を手掛ける アンナプルナ・ピクチャーズのミーガン・エリクスン。その エリクスンの許で新たな計画が始動したものだ。 その計画でまず発表されたのは、脚本家として契約された 2011年7月紹介『ドライブ・アングリー3D』などのパトリ ック・ルシエと、製作者でもあるレータ・カログリディス。 因にカログリディスは、2009年『アバター』の製作総指揮も 務めており、シリーズ創始者のジェームズ・キャメロンの正 に直系の人物が参加することになっている。 なおカログリディスは、脚本家としては2004年の『アレキ サンダー』や2010年の『シャッター・アイランド』なども手 掛けており、申し分のない経歴を有している。一方のルシエ も“My Bloody Valentine”のリメイクなど、ジャンル作品 では確固とした実績を有しており、この2人の組み合わせが どのような相互作用を生み出すかも楽しみだ。 さらにアンナプルナは、今年1月紹介『アウトロー』や、 『スター・トレック イントゥ・ダークネス』などの話題作 も手掛けており、その勢いをかってのシリーズ再開には大い に期待が持てるものだ。 * * 2014年5月2日全米公開を目指して撮影が開始されている “The Amazing Spider-Man 2”に、昨年7月紹介『WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々』などのポール・ジアマッテ ィと、2011年5月紹介『テンぺスト』などのフェリシティ・ ジョーンズの出演が発表されている。 この作品は、前作の脚本を手掛けたジェームズ・ヴァンダ ービルトの原案に基づき、『スター・トレック イントゥ・ ダークネス』などを手掛けたアレックス・カーツマン、ロベ ルト・オーチらの脚本によって進められているもので、監督 には前作のマーク・ウェッブが再登板しているものだ。 そして出演者では、前作に引き続いてのアンドリュー・ガ ーフィールド、エマ・ストーン、サリー・フィールド、マー ティン・シーンに加えて、敵役のElectro/マックス・ディ ロンに1月紹介『ジャンゴ繋がれざる者』のジェイミー・フ ォックス、またジアマッティは、同じく敵役のThe Rhino/ アレクセイ・シチェヴィッチを演じることになっている。た だしジョーンズの役柄は不明。 さらに本作では、以前の3部作でキルスティン・ダンスト が演じたメアリー・ジェーン・ワトスン役にTVシリーズの “The Secret Life of the American Teenager”に主演した シェイリーン・ウッドリー、ジェームズ・フランコが演じた ハリー・オズボーン役には2012年“Chronicle”というSF 作品に主演しているデイン・デハーンの登場も報告されてお り、ピーター・パーカーの周囲は忙しくなりうそうだ。 なお公開は3Dで行われることになっている。 * * 続いても続編の話題で、ディズニーから2014年3月21日に 全米公開予定の“The Muppets... Again!”に、第185回で紹 介“Sin City: A Dame to Kill For”にも出ているレイ・リ オッタの出演が発表された。因にリオッタは、1999年公開の “Muppets from Space”(邦題:ゴンゾ宇宙に帰る)にも出 演しており、マペッツとは再共演になる。 そして新作は、昨年4月紹介『ザ・マペッツ』を手掛けた ジェームズ・ボビンが再び監督を務めるもので、TVシリー ズ“Da Ali G Show”の脚本家でもあるボビンは、今回の脚 本も前作のニコラス・ストーラーと共に執筆している。なお 前作の脚本は、主演のジェイスン・シーゲルとストーラーが 手掛けていた。 そのお話は、ヨーロッパを舞台にした犯罪物で、リオッタ の他には、“Saturday Night Live”の作家で出演者のティ ナ・フェイがロシアの監獄看守役。またBBCのTVシリー ズ“The Office”クリエーターのリッキー・ジャーヴェイス がインターポールの捜査官役で出演するとのこと。ただし、 リオッタの役柄は不明のようだ。 一方、出演者欄には前作に出演したシーゲルやエイミー・ アダムス、クリス・クーパーらの名前はなく、物語的に繋が りがあるのかは不明。また1999年の作品との繋がりも書かれ てはいなかった。 まあマペッツの面々は前作と同様に出演するのと、確か前 作ではミス・ピギーはパリのファッション業界にいたはずだ から、その辺で何か繋がりがあるのかもしれないというとこ ろだ。 前作は米アカデミー賞の歌曲賞を受賞しており、今回もそ れに続くことも期待したい。 * * もう一つディズニーの話題で、“1952”という仮題で紹介 されていた2011年12月紹介『ミッション・インポッシブル/ ゴースト・プロトコル』などのブラッド・バード監督の新作 に“Tomorrowland”という正式題名が発表された。 この作品は、1994年『スピード』などのスタントマンのジ ェフ・ジェンセンと、『スター・トレック イントゥ・ダー クネス』も手掛けたダモン・リンドロフの脚本を映画化する ものだが、内容は全く不明。大体“1952”というのは年号を 表していると思うが、それが“Tomorrowland”というのも不 思議なところだ。そしてこの作品の出演者欄にはジョージ・ クルーニーの名前があることも判明した。 という謎の作品だが、“1952”という年号には1955年に開 園したアナハイムのディズニーランドとの関連も考えられ、 さらに正式題名にもその関連は考えられるところ。しかし脚 本を手掛けたのはスタントマンとSF映画の脚本家というこ とで、これは一体どのような作品が生まれるのか、興味津々 という感じのものだ。 なお本作の全米公開は、2014年12月19日の予定になってい る。
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