| 2012年10月07日(日) |
シルク・ドゥ・ソレイユ、ボディ・ハント、カミハテ、宇宙人王さんとの遭遇、駆ける少年、ミロクローゼ、横道世之介、ダーケストアワー |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』 “Cirque du Soleil: Worlds Away” 現在世界中に展開されている現代サーカスのシルク・ドゥ・ ソレイユ。そのパフォーマンスをフュージョン3Dカメラで 撮影し、さらにそれらを綴る物語を加えて構成した作品。 物語の中心は、荒野を彷徨って見世物小屋の立ち並ぶ一角に 辿りついた若い女性。その一角を歩く内に1枚のチラシを受 け取った彼女は、一番奥にあるサーカステントに誘われる。 そこで彼女はチラシに載ったブランコ乗りを見初めるが…。 そこから彼女は目眩く世界へと引きずり込まれる。 こうして世界中で演じられる様々なシルクのパフォーマンス が登場し、その中で、ブランコ乗りの男を追い求める女性の 冒険が展開される。 登場するのは、ラスヴェガスMGMグランドなど世界有数の 会場で公演されるシルクのパフォーマンス。それらが物語に 巧みに織り込まれて、冒険とパフォーマンスが同時に楽しめ る仕組みになっているものだ。 その物語の脚本と監督は、2001年11月紹介『シュレック』な どのアンドリュー・アダムスン。2006年2月紹介『ナルニア 国物語第1章』も手掛けた監督が、パフォーマンスのファン タシーワールドを巧みに綴っている。 それにしても、空中ブランコだってただ前後に揺れているだ けではない。大掛かりな仕掛けや様々な器具・道具が併用さ れて、正しく新時代のサーカスが展開される。しかもそこに は水や炎など独自のテーマがあるようで、それらのテーマが 物語にも巧みに取り込まれているものだ。 特にその中でも水を扱ったパフォーマンスは、シンクロナイ ズドスイミングをの進化形とも見えるが、本作の製作総指揮 を務めるジェームズ・キャメロンが、次作の“Avatar 2”で は惑星の海洋世界を描くという情報を考え合わせると、また 別の興味も生じてくるものだ。 出演者の中で、女性役を演じるエリカ・リンツと、ブランコ 乗り役のイゴール・ザリポフは共に本作以外の映画のデータ がなく、元々のシルクのパフォーマーかもしれない。 他には、昨年1月紹介『ヨギ&ブーブー/わんぱく大作戦』 に出ていたマット・ジランダース、“Power Rangers”シリ ーズでレギュラーの声優を務めるダラス・バーネットらが登 場している。 なお本作は、今年10月20日から28日まで六本木で開催される 第25回東京国際映画祭においてオープニングを飾るものだ。
『ボディ・ハント』“House at the End of the Street” 昨年8月紹介『ウィンターズ・ボーン』でオスカーにノミネ ートされ、今年7月紹介『ハンガー・ゲーム』でも素晴らし いパフォーマンスを見せているジェニファー・ローレンス主 演によるスリラー作品。 主人公は、郊外の住宅地に母親と2人で引っ越してきたばか りの17歳の少女。父親はミュージシャンで、彼女にもその才 能は引き継がれているが、父と母とは別居中だ。そして彼女 が引っ越してきた家の隣には、ある忌まわしい事件の起きた 邸宅が建っていた。 それでも彼女自身は屈託なく町の学校に通い始める。ところ が母親はその隣家に明かりが灯っているのを発見。その隣家 には、事件当時は幼く、事件を生き延びた若者が1人で暮ら していた。そしてある夜、その若者は深夜に徒歩で帰宅しよ うとしていた主人公に声を掛ける。 こうして隣家の若者と親しくなった主人公は、母親には内緒 で隣家に立ち入るようになる。しかしその家にはある秘密が 隠されていた。 共演は、昨年7月紹介『ピラニア3D』などのエリザベス・ シュー、昨年4月紹介『クロエ』などのマックス・シエリオ ット、2004年8月紹介『ブラインド・ホライズン』などのギ ル・ベローズ。 映画のストーリーは、2009年11月紹介『サロゲート』などの 監督ジョナサン・モストウの原案に基づくものだそうで、そ の原案から先月紹介『ドリームハウス』などのデヴィッド・ ルーカが脚本を手掛けている。 そしてその脚本から、2008年にモストウ監督の『ブレーキ・ ダウン』に影響を受けた『監獄ハイウェイ』という作品で、 イギリスで高い評価を得たマーク・トンデライが監督。本作 は監督のハリウッドデビューとなるものだ。 因に本作は、アメリカでも『ハンガー・ゲーム』の後に公開 されたが、エンディングロールのコピーライトには、2011年 と記載されていた。つまり映画は先に完成されていたが、大 作の評判を狙って公開時期が調整されたもので、アメリカで のヒットはその作戦が功を奏したようだ。 それにしても、ローレンスが演じる少女の芯の強さは素晴ら しいもので、これなら『ハンガー・ゲーム』も立派に勝ち抜 くだろうと思わせる。公開が順通りならそういう感想も書き たくなる作品だった。
『カミハテ商店』 2011年8月に『MADE IN JAPAN−こらッ!−』と2009年9月 には『黄金花』を紹介している京都造形芸術大学映画学科を 母体とする「北白川派」による製作作品の第3弾。因に本作 のクレジットでは「株式会社北白川派」となっており、会社 組織になったようだ。 「上終」と書いて「かみはて」と読ませる。そこは島根県の 離島の寂れた漁村。水揚げの時は多少の人も集まるが、普段 は人影もない。そんな村に向かう路線バスの終点の停留所の 近くに1軒の雑貨屋がある。 その店を守る初老の女性は幼くして父親を亡くし、今は母親 も他界したが、母親から伝わるコッペパンを10個焼いて、毎 朝届く2本の牛乳と共に店に並べる。しかし彼女には、もう 1つ母親から引き継いだ大切な仕事があった。 そんな女性の姿が、牛乳配達や町の職員、旅人らとの交流の 中で描かれる。 出演は、映画の主演は23年ぶりという高橋惠子。共演者には 寺島進、あがた森魚、水上竜士、松尾貴史。他は深谷健人、 平岡美保ら造形芸術大学の学生が脇を固めている。 脚本と監督は、2006年のドキュメンタリー映画『ツヒノスミ カ』でスペインの映画祭にてジャン・ヴィゴ賞を受賞してい る山本起也。なお本作も、チェコのカルロヴィ・ヴァリ映画 祭でコンペティション部門に招待されたそうだ。 製作は高橋伴明、林海象。撮影は小川真司など、スタッフに は造形芸術大学の教授たちが揃っている。 実は映画の背景には、本来は僕が好みとしないテーマがある のだが、それは別として本作には、どこか不思議なムードが 漂い、それが寂れた漁村の風景とマッチして、全体にはかな りシュールな雰囲気を醸し出していた。 それに映画の重要なシーンになる「カミハテ断崖」は、隠岐 島の知夫村にある「赤壁」という場所で撮影されているが、 血糊のように赤い断崖は、もっと他の映画でも見たくなるよ うな迫力だった。 なお北白川派では、すでに林海象監督による『弥勒』が永瀬 正敏、井浦新の出演で製作中(来年公開予定)の他、第5弾 には福岡芳穂監督が企画進行中とのことで、今後も1年1作 程度のペースで映画製作が予定されているようだ。
『宇宙人王さんとの遭遇』“L'arrivo di Wang” 2011年、第68回ヴェネツィア国際映画祭でセンセーションを 巻き起こしたというイタリア製SF映画。この映画を巡って は、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルと、北京 の夕刊紙「法制晩報」が論評でやりあったとのことだ。 物語は、北京語通訳のイタリア人女性が緊急の仕事で呼び出 されるところから始まる。彼女を迎えに来たのはダークスー ツ姿の男。男は機密と称して現地到着まで目隠しを要求し、 女性は何処とも知れぬ施設に連れ込まれる。 そして暗室の中で男が行う尋問の通訳が始まるが…。その尋 問はとてつもなく厳しいものだった。そして彼女の要求で灯 りが点けられた時、彼女の前に座っていたのは、地上で迷子 になったET?だった。 そのETは、ローマのサンピエトロ寺院の近くのアパートに 現れ、そこで何かをしているところを住人が発見。その場は 逃亡したが、2週間後に再びアパートに現れたところを住人 に取り押さえられた。 しかもその時ETは何かを探していた様子で、回収されたそ の品物の用途と、行方不明だった2週間の行動が尋問の対象 となっているようだ。ところがその尋問はあまりに過酷で、 ついに女性は隙を見てETの救出を試みる。 製作と脚本と監督はアントニオ&マルコのマネッティ兄弟。 すでに2007年の埼玉SKIPシティ国際Dシネマ映画祭の長編コ ンペティション部門に出品された作品や、それ以前にも参加 したオムニバス映画でファンタ系映画祭の観客賞なども受賞 しているようだ。 主演は、2009年10月17日付の「東京国際映画祭」で紹介した 『テン・ウィンターズ』に出演していたというフランチェス カ・クティカ。本作が初主演のようだ。 他に、2011年『あしたのパスタはアルデンテ』でイタリア・ ドナッテロ賞受賞のエンニオ・ファンタスティキーニ、兄弟 監督の作品には3本目という常連のジュリエット・エセイ・ ジョセフらが脇を固めている。 なお本作に関して、ウォール・ストリート・ジャーナルは、 「中国の経済力と影響力が、西側に困惑と誤解をもたらして いることの現れ」と論評し、これに対し「法制晩報」には、 「秘密警察はこの宇宙人(中国)を元々理解したくなかった のだ」との反論とも取れる主張が載ったそうだ。 映画の結末は、SF映画ファンには今更と思えるものだが、 世界に論争の種を供給することにはなったようだ。
『駆ける少年』“...دونده” 2011年11月『カット』を紹介したイランのアミール・ナデリ 監督による1986年ナント三大陸映画祭グランプリを受賞した 作品。世界にイラン映画の実力を知らしめたと言われる作品 がようやく一般公開される。 主人公は、外国の船が多数往来する港の近くで浜に打ち上げ られた廃船に1人で暮らす少年。ゴミ捨て場で廃品を拾った り、嵐の後は数多く流れ着くという浜辺の空き瓶を集めたり して現金を稼いでいるが、それらの仕事にはそれぞれルール があって、なかなか仲間には入れない。 それでも少年は徐々に身入りの良い仕事を見付るなど、少し ずつお金を貯めて行く。その間には小さな飛行場にセスナ機 を見に行ったり、仲間とサッカーをしたり、特に少年は走る のが好きで、貨物列車との競争には情熱を燃やしていた。そ して少年には、何よりの向上心があった。 ナデリ監督自身が幼い頃に両親を亡くし、教育も満足に受け ていないなど、この主人公と似通った境遇だったようだが、 その中でも失わなかった向上心が今の地位をもたらしている ようだ。そんな監督自身の思いと、イランという国家に対す る思いが交錯する作品になっている。 本作のタイトルを見たときには、2002年3月紹介『少年と砂 漠のカフェ』を思い出した。アボルファズル・ジャリリ監督 によるその作品も、2001年ナント三大陸映画祭グランプリを 受賞しているが、ジャリリ監督はナデリ監督の最大の信奉者 の1人だそうだ。 沖合を行き交う外国船の風景や大空に舞うセスナ機、それら が少年の希望を描いていることも確かだが、それと同時に少 年の走る姿が彼の心情を見事に描き出す。そんな想いがスタ ンダードの画面にシンプルに表現されている作品だった。 そして少年の走る姿は、『少年と砂漠のカフェ』の時にも書 いたが、少年の健気さを見事に表現して、観客の心に深く残 るものだ。 なお、本作は東京ではオーディトリアム渋谷で12月下旬より 上映されるものだが、ナデリ監督は『カット』でもそうだっ たが、会期中は毎日その会場に通うことが決まりのようで、 会場では気軽にサインや握手にも応じてくれるそうだ。 実は今回の試写会場にも訪れていて、僕は次の予定が詰まっ ていたのでそのまま出てしまったが、鑑賞客との談笑にも花 が咲いていたようだった。
『ミロクローゼ』 マネキンを使ったテレビシリーズ『オー!マイキー』で知ら れる石橋義正監督が、今年6月紹介『闇金ウシジマくん』な どの山田孝之を主演に迎えて制作した長編劇場映画。 長編とは言っても、それぞれは恋愛に関する3つの物語が奇 妙に交錯する構成の作品で、各話の主人公を山田が演じる。 ただしそれらはパラレルワールドとも取れる感覚で作られて おり、主人公は全体で1つの人格を表しているそうだ。 その最初は幼い姿の主人公の物語(このパートの一部は子役 が演じている)。彼は何の変化もない日々を送っていたが、 ふと立ち寄った公園で美しい女性に出会ってしまう。そして その女性に恋をした主人公は… 2つ目は若者に恋愛指南をする評論家の話。毒舌で辛辣な放 言を繰り返す男だが、彼の言うことにはそれなりの理論も備 わっている。そして彼は日夜若者のために相談を受け続けて いるのだ。その解決策などが描かれる。 3つ目は花屋の娘に恋をした片目の素浪人の話。彼は恋敵を 倒し彼女と旅に出るが、強盗団に彼女を拉致されてしまう。 しかし彼女の姿を追い求める主人公は、幾つもの修羅場をく ぐり抜け、遂に彼女の行方の手掛かりを得る。 という3つの物語が、最初はメルヘン、2つ目はミュージカ ル、3つ目はアクション映画のスタイルで、CGIやVFX も満載に描かれて行く。それはかなり強烈だが、全体は嫌味 のない感じに仕上げられている作品だ。 共演は、2009年6月紹介『山形スクリーム』などのマイコ、 昨年1月紹介『婚前特急』などの石橋杏奈、2010年7月紹介 『神様ヘルプ!』などの佐藤めぐみ。 他に、原田美枝子、奥田瑛二、映画監督の鈴木清順、2008年 12月紹介『クジラ極道の食卓』などの岩佐真悠子、元プロレ スラーの武藤敬司らが脇を固めている。また、石橋監督は、 他に脚本、美術、編集、音楽も担当している。 『オー!マイキー』に関しては、僕はたまたま何本か観てい る程度だが、作品の表現方法が斬新だとは思わないものの、 物語はそれなりに面白いところを突いているという印象だっ た。ただし表現自体にはかなりどぎつい感じもあった。 本作もそんなノリという感じの作品で、これを受け入れられ るかどうかは、観る側の感性にも拠ってしまいそうだ。でも まあ最近の日本映画はこのような作品が多いもので、そんな 中でこの作品は、僕には許容範囲だったと言える。 なお本作は、昨年のニューヨークアジア映画祭のオープニン グ作品に選ばれ、山田は日本俳優初のライジングスター賞を 受賞したそうだ。
『横道世之介』 吉田修一著、2010年本屋大賞第3位、柴田錬三郎賞受賞の原 作を、2011年12月紹介『きつつきと雨』の沖田修一脚本・監 督で映画化した作品。 青春映画だという以外、ほとんど予備知識なしに試写を観に 行ったが、巻頭のシーンで度肝を抜かれた。それは新宿東口 の俯瞰風景から始まるが、右にMyCity、正面にさくらやのあ る景色の中を上京したばかり主人公が歩いて来るのだ。しか もそこに走ってくる中央線は全体がオレンジ色。 物語はかなり後半まで時代が特定されないが、そこには正に 僕が生きていた時代の風景が見事に再現されていた。そんな 見事な映像の中で、それは少し不器用かもしれないけれど、 真面目に生きて周囲に暖かさを振り撒き続ける、ちょっと切 ない主人公の姿が描かれる。 その主人公は長崎から上京して法政大学に入学したが、入学 式で隣りに座った男子や、教室で隣り合った女子ともすぐに 仲良くなる。それは彼の性格にも拠るのだろうが、さらに彼 はセレブ女性と知り合ったり、またお金持ちのお嬢様に慕わ れるようにもなって行く。 そんな主人公の学生生活が描かれて行くが、それは正にその 時代の青春ドラマであって、現代とは違った素敵なノスタル ジーに満ちたものだった。そしてそこには現代から見た思い 出話も挿入される。それらが誰からも愛された主人公を浮き 彫りにして行く。 主演は高良健吾、吉高由里子。共演は池松壮亮、伊藤歩、綾 野剛。さらに朝倉あき、黒川芽以、柄本佑、佐津川愛美らの 若手と、井浦新、國村隼、堀内敬子、きたろう、余貴美子ら のベテランが脇を固めている。 中で吉高、池松らは2つの時代のキャラクターを演じるが、 特に吉高の演じ分けは見事だった。それにその間を違和感な く繋いでみせた脚本、演出も素晴らしいものだった。 でも何と言っても物凄いのは時代考証の完璧さ、それはプル トップの缶飲料からブラウン管のテレビ、ウォークマンまで 様々に及ぶが、正しく監督たちのこだわりとも言いたくなる もので、特に終盤の年代が特定されてからのフィルムのパッ ケージには仰け反ってしまった。 そしてそんな完璧な背景の中で、僕自身もそうだったかもし れない青春のページが描かれて行く。それは今では取り戻す ことのできない、素晴らしい世界が思い出深く描かれている ものだ。出来ることならこんな過去に戻りたくなった。
『ダーケストアワー・消滅』“The Darkest Hour” 今年8月紹介『リンカーン/秘密の書』などのティムール・ ベクマンベトフ監督が製作を担当し、7月紹介『プロメテウ ス』を手掛けたジョン・スペイツの原案・脚本から、2005年 2月紹介『ブレイド3』などの美術担当クリス・ゴラックが 監督したモスクワが舞台のSF作品。 物語の中心は、自ら開発したコンピュータソフトの売り込み にアメリカからやって来た2人の青年。ところが先回りした スウェーデン人の男にしてやられ、2人は失意の酒を酌み交 わすことになる。 それでも居合わせた2人のアメリカ人女性旅行者とも親しく なり、機嫌も治りかけたところで事件が勃発する。突然明か りが消え、街路に出た彼らの目前に異様な無数の光が着陸。 その光は人間を粉砕し始めたのだ。 その場は辛くも逃げ出し、地下室に立てこもった彼らだった が、数日を経て食料も尽き、外に出なくてはならなくなる。 そこで彼らが見たのは、人気のないモスクワの街だった。し かし生き延びた人間は他にもいると確信する彼らは… 最近この手の宇宙からの侵略ものはよく見掛けるが、今回は 侵略者の設定などにも工夫があり、またマッドサイエンティ ストなども巧みに配置されて、王道のSF作品という感じに 仕上げられている。 出演は、2008年5月紹介『イントゥ・ザ・ワイルド』などの エミール・ハーシュ、名匠アンソニー・ミンゲラ監督の息子 で2010年10月紹介『ソーシャル・ネットワーク』などのマッ クス・ミンゲラ。 他に、2011年2月紹介『抱きたいカンケイ』などのオリヴィ ア・サールビー、2007年『トランスフォーマー』などのレイ チェル・テイラー、そして来年公開“RoboCop”のリブート で主人公を演じるジョエル・キナマンらが脇を固めている。 ロシア出身のベクマンベトフ監督には、母国への凱旋となる 作品だが、それでモスクワの街に破壊の限りを尽くすのだか ら、それもニヤリとするところだ。なお撮影は、モスクワと ベルリンで行われている。 そしてそのスタッフの中に、数多くのロシア名があるのは、 正に錦を飾っているという感じだ。こんな風に母国の仲間に 恩恵をもたらすことができるのも、嬉しいことだと感じさせ る。ただ、背景のCGIなどに多少画質のバラツキがあるの は…、これはご愛嬌ということにしておきたい。
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