| 2012年07月08日(日) |
聴こえてるふり、夏の祈り、ハンガーゲーム、東野圭吾“笑”、コッホ先生、強奪のトライアングル、プロメテウス、空飛ぶペンギン |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『聴こえてる、ふりをしただけ』 大阪で看護師をしながら2児を育てる母親であり、主婦でも ある今泉かおり監督による長編デビュー作。本作は、今年の ベルリン国際映画祭・ジェネレーションKプラス部門で、準 グランプリに相当する子ども審査員特別賞を受賞した。 主人公は母親を突然の事故で亡くした11歳の少女。その葬儀 も一段落し、久しぶりに登校する。その彼女には「お母さん が見守ってくれている」という言葉と共に、母親の遺品であ る指輪が首に懸けられていた。 そんな彼女を教室の仲間たちは優しく迎えてくれるのだが。 そこにはまだ幼さゆえの気遣いの足りなさも感じられる。そ してそんな彼女のクラスに、養護教室から少し遅れた女子が 転入してくる。 その女子は「お化けがいるから1人でトイレに行けない」と 言い出し、霊魂の存在を信じない年頃の学友たちは囃し立て るのだが、母親が見守っているという言葉を信じたい主人公 は女子の言葉を一概に否定することはできない。 こうしてその女子がトイレに行くときの付き添いを主人公が 務めるようになって行くが…やがてその行為が仲間との間に 確執を生んで行く。そしてその女子との関係にも微妙な影が 落ちて行く。 「子ども審査員賞」というのは実際に11歳〜14歳の11人の子 供の審査員によって選出されるものだそうで、本作が子供た ちの共感を得たということの証になりそうだ。しかもその内 容は日本人でなくても共感できるものだった訳だ。 因に、映画の中での霊魂に関する考察は監督自身が子供の頃 に考えたものだそうで、そのような実体験にも基づく作品の ようだ。 出演は、野中はな、郷田芽瑠。いずれもオーディションで選 ばれた子役たちが瑞々しい演技を見せている。他に、杉木隆 幸、越中亜希、唐戸優香里という人たちが共演。 なお、監督の夫は自主映画監督の今泉力哉で、その点での家 族の理解はあったと思われるが、本作の制作は長女出産の育 児休暇中に行われたものだそうだ。子供の視点に立った細や かな作品は、今後の活躍にも期待したくなるものだった。
『夏の祈り』 2011年9月紹介『ネムリユスリカ』の坂口香津美監督が、撮 影に2年間を掛けて制作した長崎原爆を巡るドキュメンタリ ー。なお監督は、元々がテレビで200作品以上を発表してい るドキュメンタリストであるが、本作は初めての映画館用の 作品となる。 作品は「原爆ホーム」と呼ばれる長崎の老人ホームを中心に 描かれる。それは名称の通り長崎原爆で被爆した人たちが暮 らしている場所だ。そしてその入居者の何人かを対象に、被 爆の状況や現在の生活ぶりなどが描かれて行く。 それは今までに見聞きしてきたものも多くはあったが、中で 被爆者たちが自ら被爆の様子を再現してみせる芝居には衝撃 を受けた。それは被爆直後に水を求めて彷徨う人たちを再現 したものだったが、看護師の人たちと一体になったその芝居 は見事だった。 また、大学病院の研究者の許に置かれた数多くの被爆者の遺 体。そこには被爆から70年近くが経った今でも遺伝子を傷つ け続ける放射能の無気味な姿も写し出される、このようなこ とを知っただけでも、本作には見る価値があったと言えるも のだ。 なお本作の撮影は昨年の3月まで行われ、監督は帰京直後に 3/11に遭遇したそうだ。そしてそれに続く福島原発による 被曝。その実態はほとんどが隠蔽されたままだが、本作を見 ていると我々の70年後も思いやられるものだ。 そう言えば長崎の大学には、東京電力が「放射能の人類に与 える影響はない」とする研究のため多額の資金提供を申し出 たが、大学側がそれを拒否したという報道を思い出した。本 作を見れば放射能の末代に続く危険性は明らかになる。 そんな中で、どれだけの資金提供の結果なのか次々に原発の 再開が決定されて行く。この作品はそんな国に住む我々の未 来にも大きな警鐘を鳴らしている。 なお映画のナレーションは、2009年11月紹介『人間失格』な どの寺島しのぶが担当。またサウンドトラックでは、『ネム リユスリカ』にも登場したピアニストの小林愛実と、同じく 国際舞台で活躍するフルーティストの新村理々愛という2人 の10代の演奏家の初共演が実現している。 なお本作は、8月11日から東京渋谷アップリンクで一般公開 されるものだが、出来るだけ多くの日本人と、海外の人々に も観てもらいたいものだ。
『ハンガーゲーム』“The Hunger Games” アメリカでは2008年から刊行されて3部作の合計が2650万部 に達しているといわれるスーザン・コリンズ原作ヤングアダ ルト小説の映画化。本作はもちろん第1巻に基づくもので、 以降の巻の映画化も計画されている。 物語の背景は何時かとも知れない独裁国家の時代。過去には 12の地区が国家に反旗を翻した歴史があり、それを鎮圧した 政府は毎年、各地区から10代の男女1名ずつを選び競わせる 「ハンガーゲーム」を実施している。それは、24人の男女が 1人になるまで殺し合いを繰り広げる熾烈なサヴァイヴァル ゲームだ。 そして今年もその季節が到来し、主人公の暮らす第12地区か らは主人公の妹とパン焼き職人の息子が選ばれる。しかしま だ幼い妹にはゲームを勝ち抜き、生きて戻れる可能性はほと んど無に等しかった。 こうして妹の身代わりになった主人公とパン焼き職人の息子 は、高速列車で首都へと向かい、様々な準備の末にゲームの 主戦場へと連れて行かれる。そして開始された「ハンガーゲ ーム」の中で、主人公は様々な危機に直面するが… 作品の概要だけ聞いて、以前の日本映画のような無意味な殺 し合いのオンパレードだったら嫌だなと思っていた。しかし さすがにハリウッドは、ただ殺しのテクニックだけを羅列す るようなレヴェルの低い作品は作らなかった。 そこでハリウッドが描いたのは、適度なアクションと多彩な VFXの加味されたアドヴェンチャーであり、その中に様々 な感情が交錯する正しくヤングアダルト向けの作品と言える ものだ。ただまあ御都合主義はかなりのものだが、それも一 興という感じだ。 出演は、昨年8月紹介『ウィンターズ・ボーン』でオスカー ノミネートを勝ち取ったジェニファー・ローレンス、前回紹 介『セブン・デイズ・イン・ハバナ』などのジョッシュ・ハ ッチャースン、『マイティ・ソー』を演じたクリスの弟のリ アム・ヘムズワース。 他に、2009年7月紹介『2012』などのウッディ・ハレル スン、今年4月紹介『崖っぷちの男』などのエリザベス・バ ンクス、2007年11月紹介『潜水服は蝶の夢を見る』などのレ ニー・クラヴィッツ。 さらに、昨年8月紹介『キャプテン・アメリカ』などのスタ ンリー・トゥッチ、昨年9月紹介『モンスター上司』などの ドナルド・サザーランドらが脇を固めている。 監督は2003年11月紹介『シービスケット』などのゲイリー・ ロス。脚本はロスと原作者のコリンズ、それに2008年2月紹 介『アメリカを売った男』などのビリー・レイが担当した。 まあヤングアダルト向けの作品ではあるのだけれど、上映時 間2時間23分はヴァラエティに富んだエンターテインメント が満載で、大人でもたっぷりと楽しめる作品になっていた。
『東野圭吾ドラマシリーズ“笑”』 2010年10月紹介『白夜行』などの人気作家・東野圭吾の原作 によるそれぞれ「黒笑小説」「怪笑小説」「毒笑小説」と題 された短編集から選ばれた3つの作品の映画化。なお本作は J:COMオンデマンドで配信されるもので、鑑賞したDVDで は3作が纏まっていたが、配信は、それぞれ8月1日、9月 1日、10月1日から1本ずつ行われるようだ。 第1笑「モテモテ・スープ」 主人公は今までに一度もモテたことがないという男性。しか しどうしても好きな女性が現れ、モテたい一心のネットの検 索で怪しげな研究所に辿り着く。そして研究所の博士からモ テるようになるスプレーを受け取るが… 出演は濱田岳、倉科カナ、津川雅彦。博士が『BTTF』のドク そっくりなのは笑えたが、全体的には常識通りかな。後半に は何かもう少し別の捻りが欲しかった感じだ。でも一般の観 客にはこれでも良いのかも。 第2笑「あるジーサンに線香を」 老人が掛り付けの医師から医療実験への協力を求められる。 それは特殊な手術による若返りの医療だった。その実験には 高額の報酬もあり、手術を受けた老人は見る見る若返り始め る。そして医師からは日記を付けるように言われ… 出演は笹野高史、菅田将暉、AKB 48の宮澤佐江。他にムロツ ヨシ、有森也実らが共演。題名から判るように『アルジャー ノンに花束を』のパロディと言っていいのかな。これもテー マを除けば常識的な展開で、それは観客には安心して観てい られる作品だ。 第3笑「誘拐電話網」 夫婦で蕎麦屋を営む家に、突然「子供を誘拐したから、身代 金1000万円を払え」という電話が架かってくる。しかし夫婦 には子供はなく悪戯電話かと思った主人公に「電話は無作為 に架けた。子供が死ねばそれはお前たちのせいだ」と告げら れる。 出演は三上博史、ミムラ。他に鷲尾真知子、石丸謙二郎らが 共演している。発端は『キングの身代金』だが、そこからの 展開はなかなか面白かった。特にクライマックスは良いし、 結末も笑えた。テーマがSFでない分、僕も気楽だったとも 言える。 脚本は、3作とも『世にも奇妙な物語』などのふじきみつ彦 が担当し、監督は、いずれもCM出身の水落豊、石井聡一、 それにCM出身で2011年2月紹介『高校デビュー』などの英 勉が担当した。 全体は脚本家も参加している『世にも奇妙な…』の乗りで、 それぞれの上映時間も23分程度なので気楽に観たい作品だろ う。まあ正直なところはもう少し捻りや、深みも欲しいとこ ろだが、今回の作品のコンセプトはそこにあるものではない し、これはこれで充分だ。
『コッホ先生と僕らの革命』“Der ganz große Traum” ワールドカップ3回優勝の強豪国ドイツにおけるサッカーの 創始者とされるコンラート・コッホの姿を描いた作品。 1874年、帝政ドイツの古都ブラウンシュヴァイクの名門カタ リネウム校に1人の教師が赴任する。その学校は、帝政ドイ ツの当時の風潮を色濃く反映し、生徒は教師に全く服従の世 界だった。 そんな中でイギリス帰りの教師は、自由な風を生徒の間に吹 き込もうとしていたが、生徒の中にも親に絶対服従の態度を 示す者もいた。それでも比較的に進歩的な校長の許、生徒の 意識改革を試みた教師は… 当時の帝政ドイツは、フランスとの戦いに勝利して軍事色が 強く、学校の体育授業は行進や器械体操など軍事教練的なも のが中心だった。一方、次の敵はイギリスとの世論もあり、 そのためイギリス発祥のサッカーなどは嫌われるスポーツの 筆頭だったようだ。 そんな中でイギリス帰りの教師がサッカーを教え、仲間の大 切さやフェアプレーの精神を説いて行く。それ自体が危険を 伴う困難なものであったことは間違いない。そして教師と生 徒はその困難に立ち向かって行くことになる。 因に、実際のコンラート・コッホはイギリス帰りではなく、 軍医だった義理の父親を通じてサッカーを知り、体育教師の 協力も得て球技の普及に務めたようだ。しかし映画はコッホ の教育方針などを明確にするため脚色されているものだ。 でもまあ、本作はドイツ映画であるから、帝政ドイツ当時の 風潮などは本作に描かれた通りであったのだろうし、そんな 中でサッカーを普及させた功績は充分に称えられるべきもの と言える。 主演は、2005年3月紹介『ラヴェンダーの咲く庭で』などの ダニエル・ブリュール。他に2010年9月紹介『白いリボン』 などのブルクハルト・クラウスナー、2005年5月紹介『ヒト ラー最後の12日間』などのユストゥス・フォン・ドーナニー らが脇を固めている。 監督は、アシスタントディレクターの出身で本作が長編デビ ュー作のセバスチャン・グロブスラーが担当した。 まあ史実とはかなり異なるようだし、その辺がどうなの?と も思えるが、映画の物語自体は感動的に作られているし、特 にスポーツを通じた人格形成という意味では、理解しやすい 作品になっていた。できたらサッカー協会の推薦でも得たい ところだ。
『強奪のトライアングル』“鐵三角” 2005年9月紹介『セブン・ソード』などのツイ・ハークと、 1996年『マキシマム・リスク』などのリンゴ・ラム、2010年 11月紹介『MAD探偵』などのジョニー・トー。香港映画を 代表する3人の監督が協力したクライムサスペンス。 物語は、1人の男性が宝石店強盗に誘いを受けているところ から始まる。ところがなかなか乗り気にならない男に、別の 男性がもっと大きな儲け話を耳打ちする。それはビルの地下 に眠る宝箱で、男性はそれを奪う克明な計画も立てていた。 こうして主人公の家族も含む一味と、強盗団と警察も絡み、 欲に駆られた男たちの奇想天外な一夜の闘いが開始される。 計画はハークが発案し、ラムとトーに持ちかけたそうだが、 最初のパートをハークが監督してその作品をラムに渡し、ラ ムはそこから続きを監督してその作品をトーに渡す。そして 締め括りをトーが作り上げたようだ。 しかも3人の監督はそれぞれが指名する脚本家で物語を作る が、監督と脚本家は他のパートのスタッフと話し合ってはい けないとのこと。こうして3監督が30分づつの短編を作り、 それらを繋げて1本の長編とした…というものだ。 そういえば昔、横田順彌、かんべむさしらの当時の若手SF 作家がリレー小説を書いたことがあったが、前の監督の作品 だけを観てその続きを描くというのは、それと似たようなも のだ。 そしてスターターを務めた横田氏が当時話していたところで は、最初を書くのは勝手にやれるから簡単だが、続きを書く 方がいろいろ考えて書けるので面白いかもしれない。書いた 自分が気づかなかった伏線で話を展開されたのには驚いた… とのことだった。 多分本作の3人の監督もそんな気分だったと思われるが、そ れにしてもその展開はかなりの奇抜さで、1人の監督では恐 らくこうはならなかったと思えるもの。その展開の無茶苦茶 さが、本作の面白さだとも言える。 出演は、サイモン・ヤム、ルイス・クー、スン・ホンレイ、 ケリー・リン、ラム・カートン、ラム・シュー。香港映画界 のベテランたちが3人の監督たちの挑戦に協力している。特 にシューの登場は強烈だった。
『プロメテウス』“Prometheus” 1979年『エイリアン』1982年『ブレード・ランナー』など、 映画界に数々の金字塔を打ち立ててきたリドリー・スコット 監督による最新超大型SF作品。 物語の始まりは2089年、スコットランドの孤島で35000年前 の洞窟壁画が発見される。そには年代を超えたあるメッセー ジが描かれていた。それは、人類誕生の鍵を握る異星人の存 在を示すものとものと考えられた。 そして2093年。巨大企業ウェイランド社が巨費を投じて派遣 したプロメテウス号は2年間の冷凍睡眠から目覚めた17名の 隊員たちと共に、荒涼とした大地の広がる惑星を前にしてい た。そして惑星に着陸した隊員たちは調査を開始するが… 隊員たちの医療管理を行う精巧なアンドロイドや、全自動の 手術台、さらに洞窟内を探査するシーカーボールのような探 査機や隊員の装備など、様々なギミックに彩られて人類発祥 の謎が解かれて行く。そこには新たな物語の始まりも示され ていた。 出演は、2009年10月及び2010年7月紹介『ミレニアム』3部 作などのノオミ・ラパスと、今年2月紹介『SHAME』などの マイクル・ファスベンダー。他にシャーリーズ・セロン、ガ イ・ピアースらが脇を固めている。 さらに『マイティ・ソー』のイドリス・エルバ、『ホット・ ファズ』のレイフ・スポール、『月に囚われた男』のベネデ ィクト・ウォン、『アクロス・ザ・ユニバース』のローガン ・マーシャル=グリーンらの面々が隊員を演じている。 元々の企画はスコット監督によるもののようだが、具体的な 物語の展開が難しかったようだ。しかしその物語を、2008年 12月紹介『パッセンジャーズ』などのジョン・スペイツと、 昨年8月紹介『カウボーイ&エイリアン』などのデイモン・ リンデロフが完成。スコット監督もこれならということで映 画化が行われた。 今回、僕は残念ながら事前に情報を得てしまっていたが、長 年SF映画を見続けてきた人には最高の贈り物と言って良い 作品。しかも、現代最高のヴィジュアリストとも言えるスコ ット監督がそれを3Dで映像化した。これはSF映画ファン こそが観るべき作品だ。
『空飛ぶペンギン』“Mr.Popper's Penguins” ジム・キャリーの主演によるファミリー・コメディ。全米で は4週連続トップ10入りを果たした作品が、日本ではDVD リリースとなり1回だけの試写が行われた。 主人公は、歴史あるニューヨークの不動産会社で物件の買収 交渉が専門のエリート営業マン。仕事は100発100中で近々経 営陣への参加も期待され、高級アパートに住む優雅な暮らし だが、実は仕事一筋が禍して家族とは別居、子供とは週末だ けの面会だ。 そんな彼の父親も冒険家で親子はあまり会えなかったもの。 その父親の死が伝えられ、彼に最後のプレゼントが届く。そ れは保冷コンテナに納められたペンギン。しかも6羽が彼の 生活に雪崩れ込んでくる。そのペンギンに週末来た子供たち は大喜びだったが… この主人公に、交渉先のセントラルパークに建つレストラン のオーナーや、ニューヨーク動物園の飼育員、さらにアパー トの住人や主人公の秘書や勤務先の経営陣などが絡んで、都 会でペンギンを飼うという夢のようなお話が展開される。 原作は、1939年のニューべリー賞を受賞したリチャード&フ ローレンス・アトウォーターによる児童書。原作では主人公 はビジネスマンではないし、ペンギンの贈り主も父親ではな いようだが、その他の展開では原作を巧みに現代化している ようだ。 キャリー以外の共演者は、『スパイキッズ』などのカーラ・ グギーノ、『ジェシカおばさんの事件簿』などのアンジェラ ・ランズベリー、2011年2月紹介『抱きたいカンケイ』など のオフィリア・ラヴィボンド。 脚本は、2010年に“Hot Tub Time Machine”という作品を発 表しているジョン・モリス、ショーン・アンダースのコンビ と、2009年4月紹介『ボルト』に関っているジャーリド・ス ターン。因にモリスとアンダースは、キャリー製作の“Dumb and Dumber Sequel”にも起用が発表されている。 監督は、2008年『スパイダーウィックの謎』などのマーク・ ウォーターズが担当した。 キャリーのコメディは、2009年1月紹介『イエスマン』など は比較的判りやすいが、アメリカ文化に根差した作品はなか なか難しい。しかし本作は、ニューヨークでペンギンを飼う という発想がファンタスティックで、それに加えるペンギン の愛らしさなどでは観客へのアピールも充分と言えそうだ。 なおペンギンはほとんどがCGIで描かれており、それは愛 らしい姿を存分に見せてくれるものだ。
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