井口健二のOn the Production
筆者についてはこちらをご覧下さい。

2012年06月24日(日) 闇金ウシジマ、これは映画、ハイザイ、フクシマからの風、ディクテーター、メリダとおそろしの森、コロンビアーナ、フランス映画祭短編集

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『闇金ウシジマくん』
2011年小学館漫画賞を受賞した真鍋昌平原作漫画の実写映画
化。なお本作は2010年10月にテレビの深夜ドラマ化もされて
おり、本作はそのドラマ化と同じ山田孝之が主人公の丑嶋を
演じている。
その丑嶋が関る今回の物語は、大学生主体でイヴェントを仕
掛ける若い男を描く。彼自身は学生ではないが、イケメンの
男子学生を組織し、そこに群がる女性たちを利用して企業の
パーティなどを盛り上げる。その人脈で伸し上がるのが彼の
夢だ。
そしてもう1人。母親が丑嶋の取り立てに追われている若い
女性。彼女自身は僅かなアルバイト料でささやかな暮らしに
満足していたが、母親の借金の返済から徐々に金の稼げる危
ないアルバイトに進んでしまう。
そこに謎の男・肉蝮や暴走族の総長・石塚、美人局の根岸ら
が絡んで、丑嶋と警察、弁護士との関係や、若い男が主催す
るパーティ・イヴェントの裏側で進行する金を巡る様々な事
件が描かれて行く。

共演は林遣都、大島優子。他に崎本大海、やべきょうすけ、
岡田義徳、ムロツヨシ、鈴之助、内田春菊、市川隼人、片瀬
那奈、黒沢あすか、新井浩文。さらに金田明夫、古舘寛治ら
が脇を固めている。
製作、脚本、監督はテレビシリーズでの企画、製作、脚本、
演出も手掛けた山口雅俊。映画の監督は初めてのようだが、
2011年9月紹介『スマグラー』の企画、製作、脚本なども手
掛けている。また本作の脚本には今年2月紹介『幸運の壺』
の福間正浩も名を連ねている。
映画の始まりは如何にも拝金主義の若者風俗のような描き方
で、それはかなり嫌みな部分を見事に描き出す。そしてそこ
に丑嶋が登場してその嫌みな部分を打っ飛ばす。そんな感じ
が映画の全体のトーンになっている。
それは、現代の若者風俗に対する批判のようでもあり、それ
なりに良識も感じさせるものになっていた。その点では僕は
本作に悪い感じは持たなかったし、むしろ共感を覚える感じ
だった。


『これは映画ではない』“این فیلم نیست‎”
2007年5月紹介『オフサイド・ガールズ』で、ベルリン国際
映画祭のグランプリを受賞したイランの反体制映画監督ジャ
ファール・パナヒが映画製作を禁じられた自宅軟禁中に制作
した「映画ではない」作品。
監督は、2010年3月に新作映画の制作準備中を拘束され、同
年12月「イラン国家の安全を脅かした罪」により、6年間の
懲役と、20年間の映画製作の禁止、出国禁止、マスコミとの
接触禁止という一審判決を受け、現在は自宅軟禁中。
本作は昨年3月の火祭りの夜に自宅内で撮影され、完成され
た作品はUSBファイルに納められてとある知人の手で国外
に持ち出され、昨年5月のカンヌ国際映画祭でプレミア上映
された。
作品の内容は、監督が友人のミルタマスブ監督を自宅に呼ぶ
ところから始まり、過去に準備していた脚本の朗読や、床に
テープで間仕切りをして一部を演じてみせるシーンなど。さ
らにそこに現れる闖入者やペットのイグアナ、窓からの風景
などが写されている。
その撮影は、もしかしたら周到に準備された演出かも知れな
いが、映画の中では偶然のように見えるものになっている。
しかしその中では現政府に対するプロテストの意志も明白に
見えるものだ。
前回紹介の『オロ』の中でもチベットの反体制映画監督のこ
とを書いた。その監督の作品は観ていないが、紹介文による
と作品の全体的な構成は街頭インタヴューを纏めたもののよ
うだ。
それに対して本作は実に様々な要素を持った内容で、そこに
は単なるプロテストだけではない芸術的な要素も含まれてい
る。その芸術的なものが「イラン国家を脅かす」かどうか、
政府はそれまでも禁止するのか、そんな理不尽さも見事に描
かれている。

なお監督は2011年10月の控訴審でも破れ、現在は自宅軟禁中
だが近々収監の恐れもあるようだ。収監されたら懲役6年、
当然その間は本作のような作品も撮れない訳で、監督の今後
にも不安が募るものだ。

『ハイザイ〜神さまの言うとおり〜』
今年3月開催された沖縄国際映画祭の長編プログラムLaugh
部門に出品された作品。
物語の舞台は、沖縄県北谷町にある観光スポット・デポアイ
ランド。アメリカ西海岸を模したらしいカラフルなショッピ
ングモールの中にある占いショップを起点に、3組の男女の
物語が交錯する。
その1組目は、占いショップで万引きをしようとしたアラサ
ー女性と、親分から占い師を拉致してこいと命じられた若い
組員。女性は万引きを隠すために店主だと嘘を吐き、組員に
拉致されてしまう。そして女性は言葉巧みに組員を懐柔しよ
うとするが…
2組目は、東京からやってきた代理店勤務の男とその彼女。
占いショップが閉店でモールをぶらつく男の頭に小石がぶつ
けられる。それを昔つきあった沖縄女性のサインと思った男
は、気もそぞろになるが…
3組目は高校生の女子2人。その1人がこっくりさんで余命
10年と出てしまい、気分直しにモールに出掛けてきたが、彼
女には10の数字がつきまとう。そして周囲で事件も起き始め
るが…。こんな3組の物語が、相互に微妙に交錯しながら展
開されて行く。
タイトルは、沖縄方言の「ハイサイ」(=挨拶の言葉)と、
「天の配剤」のダブルミーニングのようだが、副題を考える
と後者の意味合いの方が強いようだ。そんなちょっとミラク
ルも入った物語が展開される。

出演は、2011年6月紹介『極道めし』などの落合モトキと、
2010年6月紹介『ちょんまげぷりん』などのともさかりえ。
2010年3月紹介『瞬』に出演の深水元基と、2011年『シャッ
フル』などの吹田早哉佳。
それに沖縄のダンスボーカルユニット「ラッキーカラーズ」
のAlisaとMIINA。他に漫才コンビ笑い飯の西田幸治、本作の
音楽も担当するスネオヘアーらが脇を固めている。
映画の中では、落合とともさかの物語が雨天の乗用車の中と
いうほとんど動きの取れない状況での会話劇で、心理描写や
伏線などもあって巧みに作られている。その他の物語も面白
いが、映画の中心はこの部分と言えそうだ。

脚本は、株式会社電通で「かっぱ寿司宇宙人シリーズ」など
を手掛ける泉尾昌宏、監督はその泉尾と、沖縄でTVCMを数多
く手掛ける福永周平が担当した。

『フクシマからの風/第一章 喪失あるいは蛍』
東京電力福島第1原子力発電所による被災者の姿を追ったド
キュメンタリー。
映画は住民集会での発言の模様から始まる。そこでは、避難
したくても家畜を置いて行けない酪農家の窮状や、避難勧告
に対する自治体の対応の遅れに対する非難、不信感などが色
濃く描き出される。そしてお決まりの土下座。
そこからカメラは昨年春夏の時点での福島原発の周囲に暮ら
す人々の姿を追って行く。そこには野草や薬草を移植し育て
ながら研究している老人や、被災後に妻を亡くしてドブロク
作りが唯一の楽しみという老人。
さらに1970年代から自給自足の村造りをすすめ、毎年夏祭り
をしてきたという壮年男性。そして3年前に夫を亡くし、以
前に暮らしていた被災地の山間の家に戻って来て、蛍の棲む
里を復活したいと考える女性などが登場して、それぞれの今
を証言する。
そして、樹上に生み付けられたモリアオガエルの卵や青々と
した木々の美しさなど、自然が人間に与えてくれた素晴らし
い景色が映像としてもスクリーンに定着されている。しかし
そこには原子力災害の影が忍び寄っている。
取材先のいくつかが、後日の再取材では人影が見られないの
は住民の強制避難によるためなのか、その辺は本作ではまだ
明らかにされていない。しかしそこに漂う無気味な雰囲気は
伝わってくる。その謎は「第二章」で明らかにされるのか?
国が自己の責任の所在を明らかにしないまま、次々に原発の
再稼動を進める理由は何なのか、ましてや昨年以降、原発な
しで多少の不便はあっても人々の基本的な生活に問題は生じ
ていない現状で、敢えて再稼動をする理由とは…
本作の題名は、東京に住む筆者にとってはかなりブラックな
感じにも取れるものだ。実際に作品の内容もそんなブラック
な側面も感じさせる。恐らくこれは確信犯的に付けられてい
るのだろう。「フクシマ」が片仮名なのにもそれが感じられ
た。

監督は、2002年に青森県六ヶ所村の原子力施設問題を描いた
『田神有楽』を発表している加藤鉄。元々は加藤哲の名前で
劇映画も発表していた1951年生まれの監督が描く作品は、今
も取材が続いているようだ。

『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』
                   “The Dictator”
2007年4月紹介『ボラット』などのサシャ・バロン・コーエ
ン製作、脚本、主演による猛毒の爆笑コメディ。コーエンは
2008年1月紹介『スウィーニー・トッド』や2011年12月紹介
『ヒューゴの不思議な発明』などの俳優でもあるが、本作こ
そが彼の本領だ。
主人公は、とある大陸の北東部に位置するイスラム国の独裁
者。彼が治める国は産油国だが、核開発疑惑があるため輸出
は禁止されている。しかし独裁者はハリウッドのセレブを寝
室に招くなど何処吹く風の豪華な生活だ。
とは言え、側近の進言で国連総会で演説をすることになり、
一躍ニューヨークへと向かうのだが、そこには飛んでもない
陰謀が待ち構えていた。こうしてトレードマークの髭を奪わ
れ、身元不明で街に放り出された独裁者は…
映画では、最初に「金正日に捧ぐ」というテロップが掲げら
れ、正にそういう感じの横暴な独裁者の姿が描かれる。しか
もそこに民主化を餌にした陰謀などが描かれるのは、矛先が
独裁者だけではないところにもあるものだ。

共演は、1983年『ガンジー』でオスカー受賞、『ヒューゴの
不思議な発明』などのベン・キングズレー、2011年1月紹介
『ヨギ&ブーブー』などのアナ・ファリス。他に2007年『ト
ランスフォーマー』などのミーガン・フォックス、エドワー
ド・ノートン、ジョン・C・ライリーら多彩なゲスト出演も
あったようだ。
監督は『ボラット』も手掛けたラリー・チャールズ、脚本に
も、コーエンに加えてアレック・バーグ、デイヴィッド・マ
ンデル、ジェフ・シェウファーらの『ボラット』のスタッフ
が名を連ねている。因に脚本家の3人は元『ハーヴァード・
ランプーン』のライターだそうだ。
なお、本作はすでに公開された全米を含む世界25カ国でNo.1
ヒットを記録したが、同時に世界の11カ国で上映禁止処分に
もなっているそうだ。そんな猛毒の作品だが、まあ日本人に
はそれほど切実にならずに笑えるかな。
それに物語の全体に良い意味の人間性が描かれているのも、
気に入ったところだ。

『メリダとおそろしの森』“Brave”
1986年にスティーヴ・ジョブスの資金提供によりルーカス・
フィルムのCGI部門が独立して誕生したPixar社の25周年
記念となる作品。
物語の背景は中世の王国。その王国の王女として生まれたメ
リダは、幼い頃の誕生日プレゼントに弓矢をねだるような活
発な女の子だ。しかし母親は、しっかりした教養とマナーを
身に付けることを願い、メリダの行動にはいろいろと注文を
付ける。
そしてついにメリダの婚約を進めることにし、慣例に従って
王国を治める3人の領主の息子の競技会を開催して結婚相手
を選ぶことにするのだが…。まだ結婚など先のことと考える
メリダはこっそり城を抜け出してしまう。
そして運命を示すと言われる鬼火の後を付けて森の奥に進ん
で行ったメリダは、怪しげな小屋を発見。小屋にいた老婆を
魔女と見破ったメリダは、運命を変えるあるものを手に入れ
る。しかしそれはある呪いの品でもあった。
2006年以降はディズニーの傘下となっているPixar社だが、
ディズニーの定番とも言えるプリンセスストーリーを描くの
は今回が初めて。ただしPixar作品の物語はすべてオリジナ
ルの方針に基づき、本作ではちょっと型破りなプリンセスが
登場する。
しかし物語の根底には家族の絆や、家族を守るために行動が
描かれ、そこにちょっとした魔法が加わるのは、正にディズ
ニーのプリンセスストーリーの定番という感じに仕上げられ
ていた。

脚本は、1991年『美女と野獣』も手掛けたブレンダ・チャッ
プマンの原案から、チャップマンと、今年3月紹介『ジョン
・カーター』などのマーク・アンドリュース、2006年6月紹
介『カーズ』に参加のスティーヴ・パーセル、1994年『ライ
オン・キング』などのアイリーン・メッキが執筆。
監督は、アンドリュースとチャップマン、それにパーセルが
共同で当っている。
オリジナルの声優は、1996年『トレインスポッティング』や
2008年3月紹介『ノー・カントリー』などのケリー・マクド
ナルド、他に、エマ・トンプスン、ビリー・コノリー、ロビ
ー・コルトレーン、ジュリー・ウォルターズらが脇を固めて
いる。
また日本語版は、主人公に大島優子が初挑戦するようだ。

『コロンビアーナ』“Coolombiana”
1990年『ニキータ』、1994年『レオン』の流れを汲むリュッ
ク・ベッソン/少女アクションドラマの最新作。ただし本作
のベッソンは製作・脚本のみで、監督には、2003年8月紹介
『レッド・サイレン』などのオリヴィエ・メガトンが起用さ
れている。
始まりは1992年。父親がマフィアの幹部だった少女カトレア
は、目の前で家族を惨殺される。しかし彼女自身は機転を利
かせて窮地を脱出、父の託した品を持って生き延びる。そし
て父親の指示通りシカゴの叔父の許に身を寄せた少女は、マ
フィアへの復讐を誓う。
それから15年後。非合法な暗殺の仲介者だった叔父の許で訓
練を積んだカトレアは、どんな場所にも潜入して依頼を実行
する、優秀な暗殺者となっていた。その彼女の犯行の捜査に
はFBIも動いていたが…

主演は、2009年『アバター』でヒロイン=ネイティリを演じ
たゾーイ・サルダナ。10代の頃からダンスも学んできたとい
う女優が見事なアクションを演じている。因に彼女の次回作
は、ウーラを再演する『スター・トレック』の続編だ。
共演は、2008年12月紹介『チェ』2部作などに出演のジョル
ディ・モリャ、2011年6月紹介『スリーデイズ』などのレニ
ー・ジェームズ、ポップ歌手シルヴィー・ヴァルタンの息子
で、今年2月紹介『マンイーター』などのマイクル・ヴァル
タン。
そしてもう1人の注目は、プロローグで9歳のカトレアを演
じたアマンドラ・ステンバーグ。本作でスクリーンデビュー
の1998年生まれだが、この後には全米で大ヒット中の『ハン
ガー・ゲーム』にも出演している。
そのステンバーグが登場する最初のアクションシークェンス
は、フランス発祥のスポーツ「パルクール」の第1人者ダヴ
ィッド・ベルの指導の許、スタントの多くも彼女自身が演じ
ているそうだ。
それに応えて主演のサルダナも、イスラエル発祥の近接格闘
術「クラヴマガ」を主体としたアクションのほとんどを自ら
演じている。他にも『ミッション・インポッシブル』顔負け
のトリッキーな展開も満載された1時間48分の作品だ。


『フランス映画祭・短編集』
今週開催された「フランス映画祭2012」で上映された短編集
について報告しておく。実は今回は短編集の事前の試写が行
われず、報告が事後になってしまったが、内容的にはファン
タシー系の作品もあるので記録として残すものだ。
「ビンぞこメガネ」
視力障害でぶ厚いレンズのメガネを懸けなくてならなくなっ
た少年の話。彼はメガネを懸ければ普通にものが見えるが、
実はメガネを外しても見えるものがあった。それは彼に別の
世界を見せてくれたが…

「宇宙からの巨大生物の襲撃」
物語の開幕はカラフルなフレンチミュージカルだが…。歌い
踊りながら街に出たカップルの前に、モノクロ映像の殺人光
線を発射しまくる巨大生物とゾンビの群れが現れる。そして
カラフルなカップルはモノクロの博士に助けを求めるが…
博士の名前がクォーターマスだったり、カラーの人物の台詞
はフランス語でモノクロの人物は英語など、いろいろ凝った
構成も楽しめる作品。巨大生物の造形や動きもそれなりに考
えられたものだったようだ。

「ラスト・ワゴン」
背景は郊外の高速道路の建設現場のようだ。そこに寝泊まり
して働く3人の男たちは互いの不満をぶつけながら仕事に従
事していたが、そんな彼らの前に現場主任が現れ、人員の削
減を宣言する。荒涼とした西部劇のような背景の中で男たち
のドラマが展開する。

「踏切警手」
とある田舎の踏切。そこで警手を務めるお婆さんは、ヴァイ
オリンを弾きながら牛と一緒に暮らしていたが、ある日、通
過する列車を止めてみようといろいろな手段を試みる。しか
しなかなか上手くは行かなかったが…

「人間運送」
主人公は、父親と2人息子で運送業を営む一家の末弟。しか
し段ボールばかりの運搬に嫌気の差した主人公は父親からの
独立を宣言し、新しい事業を開始する。それは思わぬ波紋を
広げて行く。人の暖かさが感じられる素敵な作品だ。

「近日公開」
映画の予告編を模した形式で1人の女性と2人の男性の関係
が描かれる。ただしその予告編は1本ではなく、それは恋愛
映画だったり、ホラー映画だったり、その度ごとにトーンも
変えて飛んでもない人生ドラマが描かれる。

今年のフランス映画祭に関しては、先に何本か紹介したが、
今年の上映作品は長編が11本と今回紹介の短編集となってい
る。その長編に関しては9作品を紹介したが、残る内の『最
強にふたり』は東京国際映画祭に出品されており、昨年10月
30日付で紹介した。
そしてもう1本の『リヴィッド』は、実はファンタシー系の
作品なのだが、この作品の試写はスケジュールが合わず観ら
れなかった。しかしこの作品は今年9月の日本公開が決定し
ており、その際に改めて試写を観て紹介させてもらうことに
する。
        *         *
 製作情報はヤングアダルト・シリーズの映画化の話題で、
まずはカサンドラ・クレア原作“The Mortal Instruments”
が、リリー・コリンズ、『トワイライト・サーガ』のジェイ
ミー・キャムベル・ボワーらの共演で進められている。
 内容は、10代の普通の少女が自分は悪魔と戦う戦士である
ことに目覚めるというもの。映画化は2004年3月紹介『エー
ジェント・コーディ』などのハラルド・ツァート監督の許、
ソニー傘下のスクリーン・ジェムズで行われる。
 もう1本、2006年12月1日付第124回などで紹介したマイ
クル・スコット原作“The Alchemyst”の映画化が、オース
トラリアのアムプコ社で進められることになった。
 2007年にスタートした原作は、今年5月に全6巻が完結し
たようだが、当所から計画された映画化がようやく進むもの
だ。因にアムプコ社は、『LOTR』などのWETAワークショ
ップと提携しており、VFX満載の映画化が期待される。


 < 過去  INDEX  未来 >


井口健二