| 2012年01月15日(日) |
昼下がりローマ、おとなのけんか、ジャックとジル、忘れられた夢、タッカーとデイル、51、レッド・ティアーズ、POV+Oscar/Makeup |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『昼下がり、ローマの恋』“Manuale d'amore 3” 2007年5月に『イタリア的、恋愛マニュアル』を紹介してい るジョヴァンニ・ヴェロネージ監督、脚本によるシリーズの 第3弾。2005年製作の上記作品の後には、2007年に第2弾が 製作され、同作は『モニカ・ベルッチの恋愛マニュアル』の 邦題で公開されたようだ。 そして第3弾では、ローマの街に建つアパートを舞台に青年 と熟年、そして老境の3人の男性の恋愛事情が紹介される。 その1人目の主人公は青年弁護士。恋人と結婚してアパート で一緒に暮らすことを夢見る彼は、トスカーナで進むゴルフ 場開発で土地の買収に応じない一家の説得に向かう。ところ がそこで彼は飛び切りの美女に出会ってしまう。 2人目はテレビで人気者のニュースキャスター。妻も娘もい るそんな彼が、出席したパーティで1人の女性と知り合いに なる。そしてかなり積極的な女性と携帯番号を交換し、彼女 は精神科医と名告るのだが… 3人目は、アメリカからやってきた引退した大学教授。彼は アパートの管理人や住人の女性たちと共にワインパーティを 楽しんでいたが、その席でパリに行っていた管理人の娘が突 然帰ってくることを知る。しかしその娘にはいろいろ秘密が あるようだった。 こんな物語が、2005年6月紹介『輝ける青春』などのリッカ ルド・スカマルチョ、シリーズ全作に出演のカルロ・ヴェル ドーネ、そしてロバート・デ・ニーロ、モニカ・ベルッチの 配役で描かれる。 他に、2010年9月紹介『シチリア!シチリア!』に出演のミ ケーレ・プラチドとラウラ・キアティ、2002年東京国際映画 祭で最優秀女優賞受賞のドナテッラ・フィノッキアーロらが 共演している。 僕自身は、年代的には後の2作の主人公に近いが、やはり物 語的には最初の作品に牽かれるかな。監督自身がトスカーナ 地方の出身とのことで、その風景や人々の描き方にも愛情が 籠もっているようにも感じられた。 ただし、2007年の紹介のときにも書いたが、イタリア人の恋 愛に対する情熱にはただ頭が下がるばかり、これは僕らには 真似できない。
『おとなのけんか』“Carnage” 昨年7月紹介『ゴーストライター』でベルリン国際映画祭・ 監督賞受賞のロマン・ポランスキー監督による最新作。ポラ ンスキーが1988年にパリで演出した『変身』の上演にも協力 した劇作家ヤスミナ・レザの原作でオリヴィエ賞、トニー賞 受賞の舞台劇の映画化。 物語の背景はニューヨーク。子供同士の喧嘩で相手に怪我を 負わせてしまった加害者側の子供の両親が、被害者側の子供 の家に謝罪にやってくる。そこで供述書を取り交わし、円満 にことが終りそうになった辺りから物語は開幕する。 そこでちょっとコーヒーでもとなるのだが…。そこに加害者 側夫妻の夫の携帯に会社からの連絡が入り始め、さらに被害 者側夫妻の夫の母親からの電話や、コーヒーと共に出された ケーキなどが、互いの間に行き違いを生じさせ始める。 そして徐々に興奮が高まり、互いの本音が見え始めて…。最 初は如何にも冷静にことを済ませようとした2組の夫妻が、 被害者−加害者の間だけでなく、それぞれの夫婦間の諍いま で噴出させてしまう。 自分はこんな風にはなりたくないなあ…とは思いつつも、人 間なんて所詮こんなものかなあ…とも思ってしまう。そんな 人生の機微ではないけれど、人間の本性みたいなものが巧み に描かれた作品だ。 出演は、いずれもオスカー受賞者のジョディ・フォスター、 ケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァルツ、それにノ ミネーターのジョン・C・ライリー。プロローグとエピロー グを除いて完全に4人だけの室内劇で、正に演技のぶつけ合 いという感じ。 因に、撮影は2週間の綿密なリハーサルの末に行われたそう で、監督はその間に演出を完成させ、撮影ではカメラアング ル等の撮影に専念して俳優には思う存分の演技をさせたとの こと。そんなやりかたが見事に芝居を完成させている。 また映画用の脚色にはポランスキーとレザが共同で当ってお り、これは万全の映画化だろう。特に舞台では再現できない VFXを使ったシーンは、ワッやりすぎと思いながらも見事 に物語の転換点を演出していた。 それから、プロローグで物語の切っ掛けとなる少年を演じて いるのはポランスキーの息子で、彼は父親が監督した2005年 『オリバー・ツイスト』への出演や、2007年11月紹介『潜水 服は蝶の夢を見る』では主人公の子供時代を演じていたそう だ。
『ジャックとジル』“Jack and Jill” アメリカではヒットメーカーだが、日本ではなかなか評価さ れないコメディアン=アダム・サンドラー主演による2011年 11月11日全米公開の最新作。 ジャックは西海岸でCMプロダクションを興して成功してい る実業家。その彼の家に故郷のニューヨーク・ブロンクスで 生まれ育った双子の妹ジルが感謝祭の休暇でやってくる。そ の妹は良く言えば天真爛漫、悪く言えば相手の迷惑など全く 考えない野放図者で… このジャックとジルをサンドラーがVFXを駆使した1人= 2役で演じ、ところ構わずやりたい放題の妹と、それに振り 回される兄を絶妙のコンビネーション(?)で演じている。 それはCGIも使って巧みに描かれたものだ。 共演は、2011年11月紹介『ダーク・フェアリー』などのケイ ティ・ホームズ、それにアル・パチーノが本人役で登場し、 これは正に究極の怪演ぶりを見せる。他にジョニー・デップ を始め数多くのセレブがカメオ出演しているようだ。 監督は、2003年3月紹介『ナショナル・セキュリティ』など のデニス・デューガン。監督はテレビの『NYPDブルー』 などの他、映画ではサンドラーとも多数組んでいる。脚本は サンドラーと彼の盟友のスティーヴ・コーレンによる。 サンドラーの作品では、2006年8月紹介『もしも昨日が選べ たら』や同年3月紹介『ロンゲスト・ヤード』などは認める のだが、本作のようなシチュエーション・コメディ路線のも のはなかなか評価しづらい。 それは、特に笑いが下ネタになるのが僕を退かせてしまうと ころで、折角そこまでは心地よく笑えていたものが、何でそ うなるの? という気分にもさせられてしまう。 でもそれがアメリカではヒットの要因なのかな、本作も11月 の公開以来すでに興行収入は7000万ドルに到達し、昨年の全 米興行成績で47位を記録している。これは9月紹介『マネー ボール』や12月紹介『ペントハウス』に匹敵するものだ。 まあかなり強烈なユダヤ人ネタもアメリカでは受けるのかも 知れないが。
『忘れられた夢の記憶』“Cave of Forgotten Dreams” 1994年に発見され、現在はフランス政府によって非公開とさ れている南フランス・ショーヴェ洞窟の内部を、ヴェルナー ・ヘルツォーク監督が3Dカメラで撮影したドキュメンタリ ー作品。 1879年に北スペインで発見されたアルタミラ洞窟や、1940年 にフランス南西部で発見されたラスコー洞窟に並ぶ洞窟壁画 の中でも、最も古い年代(紀元前3万2000年)が測定されて いるショーヴェ洞窟の壁画が3Dで撮影されている。 ただし許可された撮影期間は6日間、1日4時間のみ、さら に内部に入れるのは4人まで、機材は各人が手持ちできるも のだけという厳しい条件では、普通に考えて満足の行く撮影 は出来るはずがない。本作はそんな悪条件の中での精一杯の 作品と言えそうだ。 しかしこの壁画が一般の目に触れる機会は現状では皆無であ り、その一部が観られるだけでも貴重な体験が得られるもの だ。それを達成したヘルツォーク監督らの関係者にはまず敬 意を表したい。 斯くしてかなり厳しい条件で撮影された作品だが、まず何で わざわざ3Dなのか、という点に関しては、凹凸のある洞窟 壁面にその凹凸に沿って描かれた絵画を描写するにはこれし か手段が無い。これは決して時流に乗った3D撮影ではない ということだ。 そしてその壁面の凹凸に沿って描かれた壁画の躍動感は、正 に3万4000年前の原始の画家たちが描いた時の心情を観る者 に伝えてくれるものになっている。特にナレーションで「ア ニメーションのよう」と表現される時間を追って重なり合う 絵の躍動感は見事なものだった。 因に、僕が子供の頃に観ていたテレビ番組の「ディズニーラ ンド」では、アニメーションの歴史という回の中で、ウォル ト・ディズニーがアルタミラの壁画に描かれた8本脚のバイ ソンの絵でその歴史を紐説いたが、彼にもこの重なり合う絵 を観て欲しかった。 この他にも、様々な技法を駆使して描かれた素晴らしい絵の 数々が目の前に繰り広げられる様は、この洞窟の内部を実際 に見学して堪能させてくれた想いもした。これも3Dによる 効果と言えるものになっている。 ただ残念なのは、足場の組まれていないさらに深遠の洞窟が 撮影できないことで、ここには恐らくリモコンの飛空カメラ も用意されたようだが、その使用は許可されなかったのだろ う。いつの日かそんな深遠の映像にも許可される方法で挑ん でもらいたいものだ。
『タッカーとデイル』“Tucker and Dale vs Evil” 森林の奥の湖水の辺を舞台にしたスプラッターホラー映画の パロディ。 登場するのは、森林の奥の湖水の辺に念願の別荘=山小屋を 手に入れたタッカーとデイルの中年男性2人組と、その湖に キャンプに来た男女の大学生グループ。彼らは湖に向かう途 中のGSで出会うが、その出会いは悲惨なものだった。 そして別々に湖に向かった2グループは、それぞれ休暇を楽 しむ準備を始め、準備が一段落した頃、大学生の1人の男子 が過去にその森で起きた惨劇の話を始める。しかしそんなこ とは気にしない仲間たちは湖で泳ぎ始めるのだが…そこで事 件が起きてしまう。 そこから後は、あれよあれよの展開で次々に惨劇が繰り広げ られ、2グループは互いに追い詰められて行く。そしてそれ ぞれが絶対絶命の危機に立たされて行くが…。まあ互いに無 神経なところはあるが、それなりに納得の行く展開でお話は 進んで行く。 作品としては1974年“The Texas Chain Saw Massacre”(悪 魔のいけにえ)のパロディになるが、視点を加害者側にも置 いて、なおかつ全てを偶然の出来事とする構成を、見事に破 綻なく描いたもので、これは脚本としてもかなり練られたも のと言える。 脚本と監督はイーライ・クレイグ。オスカー女優サリー・フ ィールドの息子だそうだが、2004年に監督した卓球が題材の 短編コメディが各地で受賞に輝いての本作が2009年撮影の長 編デビュー作。その間は資金調達に奔走していたそうだ。 そして本作では、2010年モントリオールファンタジア国際映 画祭での審査員賞、シッチェス・カタロニア国際映画祭での パンラマ部門作品賞など数々の受賞に輝いている。日本でも 2011年SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で上映されて観客投票 第1位になったそうだ。 出演は、2011年7月に紹介『トランスフォーマーズ』などの アラン・テュディック、2007年9月紹介『FLYBOYS』などの タイラー・ラビン、そしてテレビシリーズ“30 Rock”に出 演のカトリーナ・ボウデン。なお彼女は“Piranha 3D”の続 編にも出ているようだ。 他に、2009年1月紹介『雷神』などに出演のフィリップ・グ ランジャー、2006年『ファイナル・デッドコースター』など に出演のジェシー・モスらが脇を固めている。 なお作品は、パロディと同時にちゃんとスプラッターもして いるので、観る方はお気を付けください。しかもそれで笑い 取っているところが見事でもある作品だ。
『51 世界で一番小さく生まれたパンダ』 中国四川省・成都大熊猫繁育研究基地(通称パンダ基地)で のパンダの繁殖と育成の模様を撮影したドキュメンタリー作 品。 2006年、そのパンダ基地で51gという史上最少体重(通常は 150g程度ある)で誕生し、その体重に合わせて51(ウー イー)と呼ばれることになった仔パンダの成長を中心に、パ ンダの繁殖に関る様々な問題を描く。 一般的にパンダは、ほぼ50%の確率で双子を産み、母親はそ の内の丈夫な方の仔を選んで育てるのだそうだ。しかしここ パンダ基地では、母親が見捨てた仔パンダは保育器に入れ、 交互に母親に抱かせて2匹とも育てることをしている。 このやり方に関しては以前に他のドキュメンタリーなどで知 っていたし、目新しいものではなかったが、そこからのウー イーの成長ぶりや、他の母親と仔パンダの関りの記録は、今 まで知らなかったパンダの姿を様々に見せてくれるものにな っていた。 中でも、死産や想像妊娠を経て人工授精でようやく身籠もっ た母パンダが、それでも生れた仔パンダの姿に怯えて育児放 棄してしまう姿や、その放棄された仔パンダを乳母となって 育てるベテラン母パンダの姿。 また、初めての子供は育児放棄してしまったが、2度目の子 供はぎこちないながらも大事に育てている新米母親パンダの 姿。そんな正に人間でもありそうな母子の姿が次々に画面の 登場してくる。 その一方で見事に育って行くウーイーの姿が3年以上に渡っ て記録されており、その愛くるしい姿から成長して少し気難 しくなる様子。それでも母親には甘えてしまう姿などには、 間違いなくパンダファンの心は鷲掴みにされるはずだ。 さらに作品では、今後の課題として繁殖したパンダを野生に 帰す研究などにも言及され、それは良く目の行き届いた作品 になっている。これは正に全てのパンダファンへの最高の贈 り物と言える。 ただし、エンディングに流される歌はこれで良いものかどう か。この歌に多少の意見のある者としては疑問に感じた。制 作者にどのような思いがあるのかは知らないが、僕には正直 に言って不似合いな感じがする歌だった。
『レッド・ティアーズ』 2006年7月紹介『マスター・オブ・サンダー』などの倉田保 昭企画・製作・出演によるアクション作品。2008年6月紹介 『ギララの逆襲』などの加藤夏希の主演で、加藤がアクショ ンに挑戦したということでも注目した。 物語は、東京で若い男性ばかりが被害者の猟奇的な連続殺人 事件が発生しているところから始まる。そんな中で若い男性 の失踪届を受け取った刑事は、届け出た女性が男性の失踪の 直前に携帯で撮影した女の姿を追い始める。 そしてその女が不良に絡まれているところを助けることにな った刑事は、少し陰のある清楚な感じのその女と親しい付き 合いを始めてしまうが… 一方、彼のいる刑事部屋には単独捜査で実績を挙げるベテラ ン刑事がいて、その刑事は連続殺人事件の第1発見者にもな っていた。そんなベテラン刑事の周辺で、捜査に駆り出され た刑事が殺され、その遺体の状況は連続殺人事件のものと同 じに発見される。 という展開なのだが、実は映画の後半は特殊造形の西村喜廣 も参加したスプラッター的なものになって行く。ところが、 物語をそこに持って行く必然性があまり感じられず、そこで 繰り広げられるアクションとの絡みもあまりうまく消化され ていない。 これは多分、初期の企画段階では後半が先に考えられて、そ こに向かって脚本が書かれたのだろうが、2011年10月紹介の 『月光ノ仮面』でもそうだったが、この辺のアイデアを繋ぎ 合わせる構成力が不足している感じがするものだ。 テーマ的には僕のテリトリーの作品だったが、これは残念な 作品と言わざるを得ない。 脚本・監督・撮影は、2008年11月紹介『斬〜KILL〜』の中で 唯一評価した『ハード・リベンジ・ミリー』シリーズなどの 辻本貴則。水野美紀にあれだけ頑張らせた演出を今回も観せ て欲しかった。 因に本作は、倉田の映画出演100作目の記念作品とされてい るものだが、プレス資料に掲載されたリストには、最初に書 いた作品以外で僕が以前に紹介した2009年4月『ラスト・ブ ラッド』や昨年7月『レジェンド・オブ・フィスト』などは 漏れていたようだ。 なお本作は、昨年の東京国際映画祭《日本映画・ある視点》 部門に正式出品された。
『POV〜呪われたフィルム〜』 2006年9月紹介『椿山課長の七日間』などに出演の志田未来 と、2011年『もしドラ』に出演の川口春奈が実名で登場し、 番組に送られてきた視聴者投稿の「学校の怪談」ヴィデオが 本物の恐怖を巻き起こすという構成のホラー作品。 さらに映画は、番組収録の裏側を撮影したmakingという設定 で、最初はやらせと思わせる進行から、徐々に本物の恐怖に 巻き込まれて行く過程が、スタッフの持つヴィデオカメラに よるPoint of viewで描き出される。 2009年12月紹介『パラノーマル・アクティビティ』や2008年 3月紹介『●REC』などでお馴染みになったPOVだが、 正直に言って物まねはなかなか上手く行った例がない。従っ て本作に関してもその類という予想で、あまり期待しないで 観に行った。 しかし、さすが2000年『リング0』や2007年3月紹介『ドリ ーム・クルーズ』などを手掛けた鶴田法男監督の作品は一味 違っていた。それは多分に感覚的な部分かも知れないが、観 ていてこの作品はホラーとして納得できたものだ。 お話は、怪異現象がヴィデオの中だけでなく、収録中のスタ ジオでも起き始め、専門家を呼んで浄霊を行うことになる。 ところが専門家に悪霊のいるのはスタジオではないと指摘さ れ、そこでヴィデオの撮影された学校に取材に向かうが…と いう展開。 その展開は、ありそうと言えばありそうで、納得しながら観 ていられたものだ。そして学校では新たに拡大した展開が待 っているという、それは結構面白く描かれていた。因に脚本 は鶴田監督自身が手掛けている。 最後のカメラがどこから出現したのかなど、多少気になった 部分はあるが、概ね合格点と言えるだろう。ただしヴィデオ の最後に写る映像にはもう少し期待したが、そこがはぐらか されたのは多少残念ではあった。 以前は世界席巻したジャパニーズホラーも、最近は大手で製 作されることも少なくなっていたようだ。しかし本作は東宝 映像事業部が配給する作品で、それなりの規模での公開が期 待される。この勢いでまたブームを作り出して貰いたいもの だ。 なお本作は、昨年開催された南アフリカ・ホラーフェスタと ブエノスアイレス・ブラッドレッド映画祭でも公式上映され たようだ。 * * アカデミー賞makeup部門の予備候補7作品が発表されてい る。 選ばれた7本は、“Albert Nobbs”“Anonymous”“The Artist”“Gainsbourg:A Heroic Life”“Harry Potter and the Deathly Hallows Part 2”“Hugo”“The Iron Lady” で、僕はこの内の3本しか観ていないが、何となく平凡な感 じが強い。 僕としては、ディカプリオとナオミ・ワッツを見事に老け させた『J・エドガー』なども選ばれるかと思ったが、この 時点ですでに落選のようだ。まさか、いまさらヴォルデモー ト卿に与えるとは思いたくないが、シリーズ最終作ではある し、最終候補に残ったらセレモニーのパフォーマンスには出 てくるかな。 最終ノミネートの発表は今月24日だ。
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