井口健二のOn the Production
筆者についてはこちらをご覧下さい。

2011年07月24日(日) カーズ2、さすらいの女神、ハートブレイカー、東京人間喜劇、レジェンド・オブ・フィスト、イースターラビット、ランゴ+Man of Steel

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『カーズ2』“Cars 2”
2006年6月紹介『カーズ』の続編。前作は1995年『トイ・ス
トーリー』から10周年の記念作品とされていたものだが、本
作は1986年の短編作品『ルクソーJr.』でピクサーが始動し
てから25周年の記念作品だそうだ。
因に、本作の他には『トイ・ストーリー』『同2』の監督で
もあるジョン・ラセターは、『同3』の監督はしておらず、
本作は2006年の前作以来の長編監督となる。またその間には
2008年『東京レース』など関連の短編9本を手掛けているも
ので、相当のご執心のようだ。
その長編第2作の物語の開幕は、北太平洋の荒波に揉まれる
海上掘削基地。その基地に潜入したイギリスの諜報員フィン
は何やら陰謀の進んでいることは目撃するが、その証拠を掴
む前に発見され退却を余儀なくされる。
一方、カップ戦で4連覇を果たしたマックイーンは、休暇で
今や心の故郷になったルート66沿いの田舎町に帰ってくる。
しかしそこで新たなワールドレースの開催を知ると、イタリ
アのレーサーの挑発にも乗って参加を決め、そこにメーター
たちも連れて行くと約束する。
こうしてレース第1戦の開催地東京にやってきたマックイー
ンたちだったが、何もかも眩しい都会に来たメーターは田舎
もの丸出して失敗ばかり。しかもそこにはスパイも暗躍し、
ある偶然からメーターがその暗闘に巻き込まれてしまう。
ところがメーターは、持前の部品の知識からフィンや助手の
ホリーの信頼も得ることに。しかし親友のマックイーンから
はレース中の失敗を追求され、傷心のメーターは帰国を決意
するが…。
前作は、僕の個人的なルート66への想いなどもあって、その
ノスタルジックな雰囲気が好きだった。しかし本作は、その
開幕からスパイアクションの様相で、それはかなり雰囲気の
違うものになっている。
ただしそこに繰り出されるギミックなどには、キャラクター
が自動車ならではのものもいろいろあって、その辺はメカ好
きにはニヤリとするところもあった。それに展開されるアク
ションも自動車らしく考えられたものだ。
個人的には、前作の味わいが多少削がれたのは残念なところ
もあるが、多分普通の日本人の観客にはこの方が判りやすい
だろう。それに何より本作は日本への愛を込めて作られてい
るそうで、その気持ちはよく伝わってきた。

声優は、前作に続いてのオーウェン・ウィルスン、ラリー・
ザ・ケーブルガイ、ボニー・ハント。さらに本作では、マイ
クル・ケインとエミリー・モーティマーがイギリス諜報員の
役で新たに登場している。
因に、日本語の吹き替えも前作と同じくメーター役の山口智
充らが担当するようだ。また本作では、日本の女性ユニット
=パフュームの楽曲が本編の挿入歌として使用されているの
も話題になっている。
なお本作の上映時間は1時間46分だが、公開時は『トイ・ス
トーリー3』の後日談になる短編作品『ハワイアン・バケー
ション』“Hawaiian Vacation”(上映時間6分)が併映さ
れる。これも機智に富んだ秀作だ。

『さすらいの女神たち』“Tournée”
昨年のカンヌ国際映画祭で脚本・主演も務めたマチュー・ア
マルリックが最優秀監督賞を受賞した作品。因にアマルリッ
クは、2007年11月紹介『潜水服は蝶の夢を見る』に主演して
セザール賞を獲得した俳優でもある。
そのアマルリックが描くのは、「ニュー・バーレスク」と称
されるストリップ・ダンサーたちの物語。そして彼が演じる
主人公は、以前はフランスのテレビ界に居たようだが、トラ
ブルで親友や家族も捨ててアメリカに渡った男。
その主人公は彼の地で「ニュー・バーレスク」のショウに魅
了され、彼女たちを引き連れてフランスに凱旋する。しかし
彼が興行を仕掛けられるのは海岸線の湊町ばかり。それでも
ショウは成功を納め続けるが、肝心のパリ進出には彼の過去
が邪魔をする。
そんな主人公の焦燥やダンサーたちとの交流の物語が、謎め
いた彼の過去を徐々に明かしながら展開されて行く。

アマルリック以外の出演は、実際に「ニュー・バーレスク」
のショウダンサーとして活躍している女性たちだそうで、今
までにはショウを題材にしたドキュメンタリーなどへの登場
はあるものの、劇映画には初出演という人たちだそうだ。
しかしアマルリック自身が、自分が初めて映画を出演したと
きの経験に踏まえて「映画は演劇と違い、経験が無くても、
監督に愛があれば映画俳優にすることができる」という考え
で、彼女たちから素晴らしい演技を引き出している。
そして映画に登場するショウのシーンは、すべて彼女たちが
自らの演出で普段から演じているものだそうで、その中には
大型の風船を使ったものや、ちょっと怪奇なものなどヴァラ
エティに富んだショウが描かれていた。
他に映画には、2007年2月紹介『恋愛睡眠のすすめ』などの
オレリア・プティ、映画監督のダミアン・オドゥール、映画
批評家のアンドレ・S・ラバルト、2002年12月紹介『銀幕の
メモワール』などの監督のピエール・グランブラ。
さらに3月紹介『黄色い星の子供たち』に出演のアンヌ・ブ
ノア、次に紹介する『ハートブレイカー』ではトップ共演者
のジュリー・フェリエらが出演している。
また本作は、ルアーブル、ナント、サン=ナゼール、ラ・ロ
ッシェル、そしてオレロン島などのフランスの海岸線を巡る
ロード・ムーヴィにもなっている。

『ハートブレイカー』“L'arnacoeur”
リュック・ベッソン監督の許で1999年『ジャンヌ・ダルク』
の第2班監督なども務めたパスカル・ショメイユ監督による
長編デビュー作。6月18日付紹介「フランス映画祭2011」で
も上映されたが、今秋からの一般公開に向けた試写が行われ
た。
物語は、題名の通りに女性のハートを打ち砕くもの。それは
結婚が女性に不幸をもたらすと考えられた時に家族や親友の
依頼によって実行される。そして主人公は対象の女性に接近
し、彼女に真実の愛を教えることで誤った結婚を阻止すると
いうのだが…
それはまあ、恋は盲目とも言うから、世間には見た目だけで
誤った結婚をしてしまう女性はいるのだろう。そこで主人公
が、取り敢えずその目の曇りを取り除いて、彼女を真の愛に
目覚めさせることは、それなりに意味があることかも知れな
い。
しかも、その主人公が対象女性に接近する手段ときたら…。
この辺は、映画史的にも優れた恋愛映画を数多く生み出して
きたフランス映画ならではの作品、とも言えそうだ。さらに
そこにはハリウッド的な要素も少し加えられていた。
そして今回の依頼は、父親からの妻の死後に疎遠になった娘
の結婚を阻止して欲しいというもの。それは大金持ちの男性
の玉の輿に乗るもので、それ自体には問題が無いように見え
る。しかも対象の女性は、母親の死後は独力で生活して独立
心も強かった。
その上、結婚式までの期限は1週間、それまでに主人公は彼
女の心を射止めることができるのか。この難題に立ち向かう
主人公だったが、彼には他にもその仕事を成功させなければ
ならない理由があった。

出演は、2005年7月紹介『真夜中のピアニスト』などのロマ
ン・デュリス、シリアスな作品の多い俳優のロマンティック
・コメディ初挑戦だそうだ。相手役は、歌手/女優でジョニ
ー・デップの実生活のパートナーとしても知られるヴァネッ
サ・パラディ。
他には、2007年12月紹介『Mr.ビーン/カンヌで大迷惑?!』
や『さすらいの女神たち』にも出演のジュリー・フェリエ、
2008年11月紹介『その男ヴァン・ダム』などのフランソワ・
ダミアンらが共演している。
さらに映画には、2005年5月紹介『ダンシング・ハバナ』の
基になった1987年“Dirty Dancing”がフィーチャーされ、
デュリス、パラディのダンスシーンも観られる。


『東京人間喜劇』
昨年の東京国際映画祭で『歓待』という作品により「日本映
画・ある視点部門」の作品賞を受賞した深田晃司監督が、そ
の前の2009年に発表した作品。『歓待』と同様の劇団・青年
団のユニット出演によって制作されている。
物語は、それぞれ「白猫」「写真」「右腕」と題された主人
公の異なる3つのパートからなっているが、それぞれの登場
人物が相互に物語に絡んで、アンサンブル劇でもないし、オ
ムニバスでもない一種独特の世界が構築されている。
「白猫」では、パフォーマーの公演を切っ掛けに面識を持っ
た同棲中と別居中の2人の女性、それに別居中の女性の新た
な恋人がそれぞれの恋愛感などを語り合うストーリーに、そ
れぞれの会話とは裏腹な真実が描かれて行く。
「写真」では、ギャラリーで初めての個展を開いた女性写真
家の姿が描かれるが、まあ何と言うか痛い話が展開される。
そしてそのギャラリーのオーナーが別居中の女性の夫で、そ
の展開はさらに次の章にも繋がって行く。
「右腕」は、交通事故で右腕を失った男性が、無いはずの右
手の感覚や特にそれが引き起こす痛みによって悩まされると
いうお話。3話の中では多少ファンタスティックな部分もあ
るお話で、個人的には一番興味を引かれた。
実は、『歓待』を観たときにも登場人物の中に悪魔的な感触
を持つキャラクターがいて、その辺の感覚はこの監督に期待
したい部分だった。しかし『歓待』でも本作でも、敢えてそ
の部分に深入りしないようにしている感じがあって、それが
不満にも感じられる。
それが特に『歓待』では、折角ここまで描いたのに勿体無い
感じがして、映画祭での受賞も納得できなかった。恐らく監
督は、真面目且つ科学的に物語を展開したいのだろうが、も
っとオープンな物語にしてしまってもいいのではないかな。
僕個人としてはその方が楽しめる感じがした。

何れにしても、次の作品ができたらまた観てみたい監督であ
ることは確かだ。
なお本作は、製作当時に劇団の自主企画として限定公開され
たものが、北米での公開の決定した『歓待』の凱旋興行に併
せて一般公開されるものだ。

『レジェンド・オブ・フィスト/怒りの鉄拳』
                  “精武風雲・陳真”
ブルース・リーが1971年『ドラゴン怒りの鉄拳』(精武門)で
創造した架空の武術家・陳真のその後を描いた作品。その役
に昨年11月紹介『イップ・マン』でリーの師匠・葉門を演じ
て香港電影金像奨に輝いたドニー・イェンが挑戦した。
リーのオリジナルでは、陳真は最後の戦いの後に死んだとさ
れているが、本作ではそこは生き延び、さらに第1次世界大
戦の欧州戦線に赴き雑役兵として中国人の仲間と共に戦い、
帰国したという設定になっている。
因に第1次大戦の当時、イギリス・フランスなどの列強が第
3世界の労働者を徴兵して前線に送り込み、そこに多くの中
国人が居たというのは、歴史から抹殺された事実だそうだ。
そして物語は、陳真が戦場で銃弾に倒れた仲間の名を名乗る
ところから始まる。
その陳真が帰国した中国は、連合国の一員としての戦勝国で
あったにも関わらず、青島を日本に奪われるなど恩恵を受け
ることもなく、さらに上海には連合国の共同祖界やフランス
祖界など治外法権の地区が設けられ、中国人の生活は圧迫さ
れ続けていた。
そんな中で地下抵抗組織に身を投じた陳真は、キャバレーを
経営する中国人の顔役に接近し、その顔役を抵抗組織に組み
入れる画策を進めるが…。日本軍人や西欧の官僚も来店する
その店には、美貌の歌姫や中国東北軍の将軍の愛人なども出
入りしていた。
一方、地下組織の抵抗に手を焼いた日本軍部は、抵抗組織に
関わる人物の処刑リストを公開し、その抹殺を開始する。そ
こには仮面の武術家が救世主のごとく登場するが、それはか
つて陳真が倒した日本人道場主の疑惑を呼ぶことになる。

共演は、2006年9月紹介『百年恋歌』などのスー・チー、他
に2005年6月紹介『頭文字D』などのアンソニー・ウォン、
同じく『頭文字D』などのショーン・ユー、2007年6月紹介
『クレージーストーン』などのホアン・ボー。
これに対する日本人の役では、20092月紹介『GOEMON』など
の木幡竜、大ベテランの倉田保昭、それにEXILEのAKIRAらが
出演している。
監督は、『インファナル・アフェア』などのアンドリュー・
ラウ。またアクション監督はイェンが担当しているが、撮影
監督出身のラウはそのアクションシーンの撮影を担当して、
2人でそれらのシーン作り上げたそうだ。
なお劇中に登場する仮面の武術家がリーの演じた『グリーン
・ホーネット』のキャラクターにそっくりなど、さまざまな
オマージュも捧げられている。


『イースターラビットのキャンディ工場』“Hop”
アメリカでは今年4月1日に公開されて2週連続の第1位、
最終の興行収入が1億ドルを突破したという、実写とCGI
アニメーション合成のお子様向けファンタシー。
その若者は幼い頃のイースターの夜に、イースターラビット
がキャンディを配りにくるのを目撃していた。それから20年
後、そんな若者=フレッドは大きくなっても夢見がちに自分
が本当にやりたいことを探していた。
一方、モアイ像の並ぶ絶海の孤島の地下では、イースターラ
ビットのキャンディ工場がフル稼動でイースターの夜に配る
キャンディを製造中。その工場を代々受け継いできたイース
ターラビットは、そろそろ仕事を息子に継がせようと考えて
いた。
ところが、実はミュージシャンを夢見る息子=イービーには
父親の期待が重荷だった。そしてイースターを2週間後に控
えたその日、イービーはついに夢を叶える町=ハリウッドに
向かって島を飛び出す。
しかし彼の目論見はあっという間に外れ、街をふらふらして
いたイービーはフレッドの運転する車に跳ねられてしまう。
こうして共に夢に生きようとしているイービーとフレッドの
人生が交錯することになるが…。
これにキャンディ工場の奪取を目論む労働者=ヒヨコのリー
ダーの謀略や、イースターラビットが息子捜索のために派遣
したピンクべレーと称する特殊部隊の活躍などを絡めて、物
語は展開される。

出演は、フレッド役に2008年1月紹介『魔法にかけられて』
で王子役を演じていたジェームズ・マースデン、また日本で
は吹き替えになるがオリジナルのヴォイスキャストでは、イ
ービー役を5月紹介『テンペスト』に出演のラッセル・ブラ
ンドが担当している。
さらに2005年5月15日付で紹介した“Baywatch”などのデイ
ヴィッド・ハッセルホフが、物語のキーとなる本人の役で出
演。因にハッセルホフは、電脳カーが活躍する人気シリーズ
“Knight Rider”でも有名なテレビ俳優だ。
製作は、昨年大ヒットした『怪盗グルーの月泥棒』などのク
リス・メレダンドリ、脚本も同じく『怪盗グルー…』のシン
コ・ポールとケン・ダウリオ、そして監督は、2007年『アル
ビン/歌うシマリス3兄弟』などのティム・ヒルが担当して
いる。
なおイースター島にイースターラビットのキャンディ工場と
いうのは、順番が逆だと突っ込まれそうだが、この島が最初
に写るシーンにはわざわざ‘Rapa Nui,Chile’という英語の
表記が付けられており、確信犯のようだ。


『ランゴ』“Rango”
『パイレーツ・オブ・カリビアン(POTC)』の最初の3部作
を手掛けたゴア・ヴァービンスキー監督と、主演のジョニー
・デップが再び組んだ作品。なお本作はアニメーションで、
カメレオン俳優とも呼ばれるデップが、カメレオンの役を演
じている。
主人公はペットだったカメレオン。狭い水槽の中で広い世界
を夢見ていたカメレオンが、ふとした偶然から外界に投げ出
される。そこは灼熱の砂漠を横断するハイウェイの道端だっ
た。そして1日歩けば町に着くと教えられ、砂漠をとぼとぼ
歩き始めるが…
天敵に襲われながらも雌カメレオンの助けもあって漸く辿り
着いた町。しかしそこは寂れかけ、どこか殺伐としていた。
その町では以前は豊富だった水が枯れ、町民の多くは牧場の
土地を町長に売って町を去り始めていたのだ。
そんな町の酒場に立ち寄った主人公は、水槽の中で夢想して
いたヒーローになり切り、口から出任せの英雄譚を語り始め
る。ところが嘘から出た真が起きて主人公は保安官に祭り上
げられてしまう。その最初の仕事は町の銀行から盗まれた水
の捜索だった。
そんな口先だけの主人公の前には思わぬ冒険が待ち構えてい
た。果たして主人公は口先だけでない本当の自分を見つける
ことができるのか?

共演は、2009年3月紹介『お買いもの中毒な私!』などのア
イラ・フィッシャー。
他に、昨年5月紹介『ゾンビランド』などのアビゲイル・ブ
レスリン、『スパイダーマン2』などのアルフレッド・モリ
ナ、『ニューヨーク1997』などのハリー・ディーン・ス
タントン、『POTC』などのビル・ナイ。
さらに、『こわれゆく世界の中で』などのレイ・ウィンスト
ン、『ピッチ・ブラック』などのクローディア・ブラック、
『アイ・アム・ナンバー4』などのティモシー・オリファン
ト、『ノー・カントリー』などのスティーヴン・ルートらが
登場している。
因に、本作はアニメーションなので本来出演者はヴォイスキ
ャストとなるものだが、本作ではヴァービンスキー監督が出
演者に演技をしながらの録音を求め、その様子を撮影してア
ニメーションの基にしたとのこと。
これはいわゆるモーション・キャプチャーとは異なるものだ
が、アニメーションには出演者の演技も取り入れられている
ということで、監督はエモーション・キャプチャーと称して
いるようだ。
作品の全体は、アニメーション作品らしく子供も楽しめるも
のになっているが、映画の出だしはかなりシュールで、その
後の主人公の行動にはかなり大人向けの捻りもあり、子供だ
けでなく大人にも充分楽しめる作品になっている。
また本作の題名は、1966年『続・荒野の用心棒』の主人公ジ
ャンゴの捩りだが、さらに劇中では、マカロニウェスタンを
思わせるハンス・ジマーの音楽と、1995年『デスペラード』
などでもお馴染みのマリアッチ楽団=ロス・ロボスによる挿
入歌も心地良く楽しめた。
        *         *
 ワーナーで進められている『スーパーマン』のreboot作品
“Man of Steel”の全米公開日が、2013年6月13日と正式に
発表された。因にこの計画では、当初の公開は2012年12月と
されていたが、その際に日付までは発表されていなかったも
ので、諸般の状況を判断して2013年夏の公開と決まったもの
だ。
 監督は、『300』などのザック・スナイダー。出演は、
スーパーマン役にイギリス人俳優のヘンリー・ケイヴィル。
他にエイミー・アダムス、ラッセル・クロウ、ジュリア・オ
ーモンド、ケヴィン・コスナー、ダイアン・レイン、そして
敵役にマイクル・シャノンらの共演が発表されている。
 脚本は、クリストファー・ノーランとデイヴィッド・ゴイ
ヤーのアイデアからゴイヤーが執筆したもので、撮影は今年
の夏にシカゴで行われることになっているが、物語の詳しい
内容は厳秘にされているとのことだ。
 なお、発表された公開日の翌週21日には、ディズニーから
『モンスターズ・インク』の2人が再び活躍する“Monsters
University”、さらに翌々週の28日には、ユニヴァーサルか
らコミックス原作の“R.I.P.D.”という作品がそれぞれ全米
公開の予定になっているそうだ。


 < 過去  INDEX  未来 >


井口健二