| 2011年05月01日(日) |
あなたの初恋…、パーフェクト・ホスト、モールス、アントニオ・ダス・モルテス、黒い神と白い悪魔、テンペスト、人生ここにあり+闘病記 |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 前回は突然休載して申し訳ありませんでした。実はその間 に腎臓結石で緊急入院していたもので、休載の告知もその時 には出来なかったものです。今回はその報告も後でさせて貰 いますが、まずは映画紹介。
『あなたの初恋探します』“김종욱 찾기” 2006年に初演された韓国オリジナルミュージカルを原作に、 その原作舞台を手掛けた演出家チャン・ユジョンが自ら映画 化に挑戦した作品。ただし映画化はミュージカルではなく、 ストレートのドラマになっている。 主人公はミュージカルの舞台監督を務めている33歳の女性。 以前はアイドル歌手だったようだが今は裏方として頑張って おり、その頑張り振りは先輩のミュージカルスターからも信 頼されている。 そんな彼女の私生活は、妹と軍人の父親の父子家庭で、妹は 婚活の真っ最中だが彼女自身は父親の勧める好条件の見合い にも中々納得しない。その理由は、若い頃に旅したインドで 巡り会った男性との初恋にあるというのだが… もう1人の主人公は31歳の男性。勤めていた旅行会社を馘に なるが、一念発起、以前からのインターネット検索の趣味を 活かして「初恋探し会社」を起業してみる。そしてその会社 の依頼者第1号として、主人公の父親が娘を連れて現れる。 こうして初恋探しが始まる。 映画化をミュージカルでなくした分、主人公をミュージカル の舞台監督にして、その舞台面のミュージカルシーンがしっ かりと作られている。それはバックステージも含めてそれな りのものにもなっていた。 ただ、オリジナル知らずに映画だけを観ていると、主人公の 活躍の部分と初恋探しが何となくしっくり融合していない感 じで、特に舞台の休演日に地方に探しに行くエピソードなど は、そこまでする理由が納得できなかった。 そんな訳で中々映画に入り込めなかったのだが、これは以前 にも書いたと思うが僕は元々バックステージものが好きなの で、その部分は展開も含めて気に入ったものだ。正直には初 恋探しの話は止めて、こちらに集中して欲しかった感じまで した。本末転倒になるが。 主演は、2006年8月紹介『サッド・ムービー』などのイム・ スジョンと、2007年1月紹介の日本映画『龍が如く』に出演 の後、ドラマ『コーヒープリンス1号店』でブレイクしたコ ン・ユ。 他に、今年2月紹介『生き残るための3つの取り引き』に出 演のチョン・ホジン、ドラマ『冬のソナタ』などのリュ・ス ンス、2005年2月紹介『オオカミの誘惑』でヒロインを演じ ていたイ・チョンア、それに舞台女優のチョン・スギョンら が脇を固めている。
『パーフェクト・ホスト/悪夢の晩餐会』 “The Perfect Host” 『ソウ』シリーズの生みの親とも言える製作者ステイシー・ テストロの製作によるちょっと変った犯罪映画。 男が脚を引き摺りながら街を逃げている。そして自転車や車 を乗り継ぎ追手を捲くことには成功するが、脚の傷を治療す る必要も生じる。そこで郵便受から抜いたハガキを使ってそ の家の主人を騙し、家に迎え入れて貰うのだが…その主人は どこか変だった。 その主人は、友人を招いての晩餐会と称して準備を進め、男 にもワインを振舞う。その間には男が犯した犯罪の全貌も明 らかになり、男が本性を露にして1対1の対決もあったりも するが、徐々に主人のペースに巻き込まれて行く。そして… 猟奇犯罪ものと言ってしまえばそれでも良いが、元々凶悪な 犯罪者の男がサディストらしい主人にいたぶられ続ける。そ れは勧善懲悪でもあるから、観客としては比較的安心して観 ていられる展開の作品でもある。ただし映像はかなりえげつ ないが。 出演は、男の役にテレビ『24』にセミレギュラーで出演し ているクレイン・クロフォードと、主人役には多数のエミー 賞やトニー賞主演男優賞も受賞しているデヴィッド・ハイド ・ピアース。他にナサニエル・パーカー、ミーガン・ペリー らが脇を固めている。 脚本と監督は、本作のオリジナルでもある2001年の短編作品 “The Host”でシアトル国際映画祭やオーストラリア映画協 会賞などでも受賞しているニック・トムニー。オーストラリ ア出身とのことで、『ソウ』のリー・ワネルらとも共通点が 多そうだ。 ただし映画としては、元々男が何故その家に向かったのかと いう点が不明確だし、主人のやっていることにも意味不明の 部分が多い。それは映像的には面白いし、それだけで楽めば 良いということにもなるが、物語に矛盾があるとそれも問題 だ。 結末はそれとして理解してもよいが、それにしても、何故男 が主人の家を選んだかという点が偶然というだけでは、その 後の展開との繋がりが弱すぎる。正に都合主義という感じで は困ったものだ。 やはり、主人の過去とかその辺の設定をもう少しちゃんと明 示すべきという感じがした。『ソウ』のときはそんなことを 感じさせない映像のインパクトがあったが、本作はそこまで ではないし、いっそ映画の後半は無い方がすっきりしたとも 思えたものだ。
『モールス』“Let Me In/Låt den rätte komma in” 日本では昨年に公開されたスウェーデン映画『ぼくのエリ: 200歳の少女』をハリウッドでリメイクした作品。そのリメ イクは昨年10月紹介『キック★アス』のクロエ・グレース・ モレッツの主演で、2008年『クローバーフィールド』のマッ ト・リーヴスが監督した。 オリジナルは試写では観せて貰えなかったが、昨年の秋に一 般上映で鑑賞した。その作品は、昨今の派手なハリウッド製 のヴァンパイアものとは違う静かさで、しかもヴァンパイア の本来の姿をしっかりと捉えている作品だったという印象が ある。 その作品のリメイクの情報は、2008年5月15日付でも紹介し ていたものだが、特にこのような作品をハリウッドでリメイ クすることには、一抹の危惧も感じていた。 しかし本作のリメイクでは、イギリスのホラー映画の老舗ハ マーの名を引き継いだ会社が権利を獲得し、その点では信用 できるかなとも思えたが、続いてリーヴス監督の起用ではま た危惧がぶり返してもいたものだ。 という作品だが、僕はリーヴス監督には謝らなくてはいけな いようだ。そのくらいにこのリメイクではオリジナルへの敬 意を最大限に発揮して、見事にオリジナルの味わいを残した ままの作品に仕上げてくれていた。なお監督は脚本も自分で 手掛けている。 物語は、学校では苛められっ子の12歳の少年の住むアパート の隣室に同い年くらいの少女が父親らしい男と引っ越してく るところから始まる。しかしその部屋は窓も塞がれ、少女が 外出する姿も観られない。しかも壁隣の少年の部屋には時々 怒鳴る声も聞こえてきた。 そして夜間の雪の降り積もる中庭にいた少年は、雪の中を裸 足で出てきた少女に声を掛ける。それは隣部屋に住む少女だ ったが、少女の態度にはどこかよそよそしさがあった。それ でも気になった少年は少女に話し掛け続けるが…。やがて惨 劇が始まる。 共演は、2009年『ザ・ロード』のコディ・スミット=マクフ ィー、2009年1月紹介『バーン・アフター・リーディング』 などのリチャード・ジェンキンス、今年2月紹介『キラー・ インサイド・ミー』などのイライアス・コティーズ。 実は、物語自体はオリジナルのほとんど同じで、そこに多少 のハリウッド的なVFXが入っている程度。まず上映時間も 116分とほぼ同じだし、全く台詞を英語にして俳優を替えた だけではないかと思わせるくらいのものだ。 正直には、監督がここまで自分を殺してリメイクした心情を 聞いてみたくなるくらいだったが、それほどこのオリジナル を大事にしたかったのだろうし、その気持ちが本当に嬉しく なってしまうような作品だった。 オリジナルを見逃した人もこの作品を観れば大丈夫と言える 作品だ。
『アントニオ・ダス・モルテス』 “O Dragão da Maldade contra o Santo Guerreiro” 『黒い神と白い悪魔』“Deus e o Diabo na Terra do Sol” 前回紹介した『狂乱の大地』に続くグラウベル・ローシャ監 督による作品で、共に希代の殺し屋アントニオが登場する2 作品。 1969年発表の『アントニオ…』はこの年のカンヌ国際映画祭 で監督賞を受賞、また1964年発表の『黒い神…』は1966年サ ンフランシスコ映画祭大賞を受賞して、シネマ・ノーヴォの 名を世界に知らしめた。 因にこの2作品は、以前に日本で公開されているものだが自 分では鑑賞した記憶がなく、また『黒い神…』については、 今回は完全版上映とされているものだ。 その『黒い神…』は、ブラジル北部の荒野で暮らす牛飼いが 主人公。小作人だった彼は、ふとした弾みで領主を殺してし まい妻と共に逃亡を余儀なくされる。そして聖地の存在を予 言する黒人神父の率いる教団に身を寄せる。 ところがその教団は徐々に勢力を増し、やがて政府軍とも闘 いを繰り広げるようになって行く。そんな教団に手を焼いた 地主やその地主と結託する教会は、盗賊団ガンガセイロの殺 し屋アントニオ・ダス・モルテスを雇い、教団の討伐に向か わせるが… この殺し屋による襲撃シーンはかなり唖然とさせられるもの だったが、白茶けた荒野の風景がモノクロの画面によくマッ チして、『戦艦ポチョムキン』のオデッサ階段シーンを思い 出させるような映像が造り出されていた。 これに対して5年後に製作された『アントニオ…』は殺し屋 を主人公にしたカラー作品。この作品では若い聖女を中心と した教団が描かれる。そしてそこに集まる若者たちの狂乱に 憂慮した町の警察署長がアントニオを呼び寄せるが… 物語は互いには独立しており、出演者も殺し屋役のマウリシ オ・ド・ヴァッレ以外は異なるものだ。ただ、僕は試写の行 われた上記の順番で観たが、物語の内容的にはやはり発表順 に観た方が良いようには感じられた。 作品ではいずれも宗教と為政者の関係が描かれており、それ はいろいろな意味で現代にも通じる物語とも言え、それはそ れで面白い。でもまあ、作品の価値としては、やはり映画史 的な部分の方が高いかな。そんな感じの作品だ。
『テンぺスト』“The Tempest” 日本では「あらし」の題名でも知られるシェークスピアによ る単独では最後と言われる戯曲を、1997年の初演以来、世界 中で今も上演が続いているミュージカル「ライオンキング」 や、2003年6月紹介『フリーダ』などのジュリー・テイモア 監督が映画化した作品。 シェークスピアの原作は、SF映画ファンにとっては1956年 『禁断の惑星』の基になった作品としても知られており、そ のため僕も原作のストーリーは読んでいたが、演劇として観 るのは初めてだった。 その映画化は、物語としては原作の通りだが、魔法使いがプ ロスペラという名前の女性に変えられていたり、ハワイ島で 撮影された野外風景や魔法や妖精のシーンにはVFXも多用 されるなど、テイモア監督らしい外連に満ちた作品になって いた。 因に物語は、ナポリ王とミラノ大公の乗船が嵐で難破し、一 行は絶海の孤島に漂着する。そこには弟にその座を追われた かつてのミラノ大公が、島で生まれた娘と共に魔法を研究し ながら暮らしていた。 そしてナポリ王に同行していた王子が王たちとは離れて島に 辿り着き、そこで王子は魔法使いの娘と出会うが… 主人公の魔法使い役には、2010年12月紹介『RED』などの ヘレン・ミレンが扮する。デイムの称号も持つイギリス出身 のオスカー女優が、本来は男性であるシェークスピアの主人 公を実に楽しげに大芝居で演じているものだ。 共演は、2008年11月紹介『寝取られ男のラブ♂バカンス』の ラッセル・ブランド、2010年初演されたテイモア監督のステ ージ・ミュージカル“Spider-Man: Turn Off the Dark”で ピーター・パーカーを演じているリーヴ・カーニー。 また、2003年5月紹介『アダプテーション』でオスカー受賞 のクリス・クーパー、2010年11月紹介『バーレスク』にも出 ていたアラン・カミング、2007年1月紹介『ブラッド・ダイ ヤモンド』などのジャイモン・フンスー。 さらに2010年7月紹介『魔法使いの弟子』などのアルフレッ ド・モリナ、イギリスのTVシリーズ“Dr.Who”に出演のフ ェリシティ・ジョーンズ、2007年1月紹介『パフューム』に 主演していたベン・ウィンショーら、実に豪華な顔ぶれが脇 を固めている。 なおテイモア監督は、1999年『タイタス』でもシェークスピ アに挑戦しているが、本作の『テンぺスト』は1986年に舞台 で初めてシェークスピアを演出した作品とのこと。本作の巻 頭のシーンはその舞台での演出を再現しているそうだ。
『人生、ここにあり!』“Si può fare” 1998年12月を以て精神病院を全て廃絶したというイタリアで の実話に基づく物語。 1978年に制定された精神病院廃絶法によって精神病院が閉鎖 された1983年ごろのイタリア・ミラノでのお話。労働組合員 だった主人公は、組合内で革新的な意見を言い続けたために 煙たがられ、「共同組合180」という組織に移動を命じら れる。 そこには、病院が閉鎖されても戻る場所のない元患者たちが 集められ、施しのような作業を無気力に続けている場所だっ た。しかしそんな施しの作業も真面にはできない元患者たち だったが、そんな中で主人公は患者たちが時折発揮する才能 に気がつく。 そこで元患者たちに、施しではない、正当な賃金の貰える事 業を起すことを提案、組合の理念にしたがった会議によって その事業を模索し始める。ところが精神病院は廃絶されても 元患者の言動は奇抜で、意見はあらぬ方向に進みそうになる が… こうして始まった事業は、最初こそ元患者ということで敬遠 されるが、やがて元患者たちの芸術的なセンスなどによって 評判を呼び、正当な賃金も得て軌道に乗り始める。しかし社 会的な復帰を遂げ始めた元患者たちには別の問題も生じてい た。 殆どの精神病が精神病医によって捏造された架空の病という 話は、以前にもここで書いたと思うが、イタリアでは正にそ の理論によって精神病が法律によって否定された。しかし法 律で否定しただけでは駄目で、そこにはこんな映画のような 実話が必要だったのだろう。 そんな心暖まる実話の映画化が、元患者役を演じる俳優には 数ヶ月の精神保険施設での研修を課したという見事な役作り で描かれている。 主演は、1997年『ニルヴァーナ』などに出演のコメディアン のクラウディオ・ビジオ。その恋人役に2007年5月紹介『イ タリア的、恋愛マニュアル』に出演のアニータ・カプリオー リ。他に、医師役で1998年『星降る夜のリストランテ』など のジョルジョ・コランジューリ、2000年『ベニスに恋して』 などのジュゼッペ・バッティストンが脇を固めている。 脚本と監督は、本作が長編3作目となるジュリア・マンフレ ドニア。因に、監督の前作は1993年のアメリカ映画『恋はデ ジャ・ブ』のリメイクだそうで、そういうセンスもある監督 のようだ。 また映画の中では、1985年公開『バック・トゥ・ザ・フュー チャー』を観に行くシーンが意味を持って使われていた。 * * ということで今回は、読んでくださる方の参考にもなるか と思い、腎臓結石の闘病記を少し書かせて貰います。 実は昨年の秋ごろから背中に違和感があり、それは痛いと いうより筋肉が凝っている感じだった。そこで近所の接骨院 でマッサージなども受け、その時々は解消していたのだが、 またすぐぶり返すといった状態が続いていた。 ところが4月20日の早朝、余震の揺れで目を覚ました僕は 背中の痛みが尋常でないことに気付いた。それでも最初は湿 布薬などで我慢しようとしたのだが、痛みが徐々に激しくな り、遂にこのままではいけないような気がして家内に救急車 の手配を頼んだものだ。 そこからはとにかく痛みをこらえるのが精一杯という感じ で、しかも「イタイ」と声に出すと気が紛れる感じもして、 「イタイ、イタイ」の連発。これにはかなり家内にも迷惑を 掛けたようだ。しかも到着した救急車は、一目で腎臓結石と 判断してくれたものの、泌尿器科の夜勤のいる病院が見つか らずしばらく停車。その時間も、実際は長くはなかったのだ ろうが、とにかく痛みは我慢の限界に近かった。 その痛みというのは、切り傷や刺し傷の痛みのように鋭い ものではなく、我慢しようと思えば我慢できる感じもするの だが、とにかくこのままではいけないという感じがあって、 それを訴える意味でも「イタイ、イタイ」を連発していたよ うな気もする。 そして少し離れた大学病院に泌尿器科の夜勤医がいること が判りそこへ搬送。直ちに超音波で結石を確認して痛み止め の座薬と鎮痛薬の点滴をして貰ったが、極限に達していた痛 みはもう何がなんだか判らない状態だった。 それでも徐々に痛みは退いて、明け方には歩いて帰れるほ ど。その際、医師からは泌尿器科の外来を受けることを勧め られたが、自宅近くの総合病院の名前を告げると、そこなら 振動波破砕装置があるからそれも良いと言って貰えた。 そこでその日の午前中に総合病院を受診、CTスキャンと X線で結石の位置を確認して、28日に破砕装置による処置を する予約もして貰えたのだが…。その翌21日早朝に痛みがぶ り返し、電話で連絡した後タクシーで救急入り口から緊急入 院となってしまったものだ。 ここで直ちに破砕装置の登場かと思ったのだが、痛みのあ る間はその処置は出来ないようで…、さらにその週末は学会 があるとかで、取り敢えず入院して大量の水分の注入を受け ながら様子を観ることになった。 そんなことで、ほぼ1日一回起きる痛みの発作を座薬で押 さえながら、点滴で1日2000mlの輸液を入れ、さらに口から も毎日1000ml以上を摂取して週末を過ごし、ようやく迎えた 月曜日に再びCTスキャンしてみると、すでに結石は膀胱に 落下して破砕装置の出番はなくなってしまった。 実は、すでにその処置を受けた同室の患者さんから情報を 聞いたり、密かに装置を波動砲と呼んで多少期待もしていた のだが、肝心の結石が落ちてしまったのでは仕方がない。と 言うことでさらに2日間の発作と水分の摂取をしたところで 結石の排出が確認された。 この時も、すでにその日の午後には内視鏡による処置の予 定が組まれて、実際に手術室の看護師から説明を受けたり、 腕に抗生剤の点滴用の針をまさに刺す寸前に、医師から手術 中止の連絡が届いたものだが、その後に話を聞いた主治医か らは、「大抵このタイミングで出るんだよね」とのことで、 何とか手術は免れたものだ。 ということでほぼ1週間の闘病となったが、背中の痛みを 感じ始めた半年前にはまさかこんなことになっていようとは 思ってもいなかったもので、たかが背中の痛みと軽視しない ことを身に染みて感じたものだ。 中にはもっと厳しい病気が潜んでいる場合もあるようで、 背中の痛み努々軽視することのないように、ここで忠告させ ていただく次第だ。 なお、入院期間中には複数の試写があったが、そのほとん どは後日に観ることができる予定のものだ。ただし、前々回 『卵』の紹介で予告した『ミルク』だけは唯一観ることが出 来なくなってしまった。このような事情なのでお許し願いた い。
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