井口健二のOn the Production
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2010年12月19日(日) ナンネル、ネスト、ミツバチの羽音と地球の回転、ホームカミング、多田便利軒、サビ男サビ女、毎日かあさん、かぞくはじめました

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『ナンネル・モーツァルト/悲しみの旅路』
            “Nannerl, la soeur de Mozart”
幼い頃から神童と呼ばれていたヴォルフガング・アマデウス
・モーツァルトの姉で、演奏旅行に同行し共演もしていたマ
リア・アンナ、愛称ナンネルの生涯を描いた作品。
モーツァルト姉弟の父親レオポルドは優れた音楽指導者であ
り、その指導の許で姉弟は優れた才能を発揮して行く。とこ
ろが年齢が進むに従って父親の指導は弟中心となり、姉には
弟の伴奏の役目しか与えられないようになって行く。
それは、特に父親の弟に対する作曲の指導では顕著となり、
「女性は作曲などするものでは無い」の一言で、彼女にはそ
の手解きすら教えられなかった。しかし彼女の頭の中にはさ
まざまな音楽が満ち溢れていた。
そんな彼女の才能は、ある切っ掛けでフランス王家の家族た
ちと親しくなったことから、やがてその才能を認めた王太子
の勧めで曲を書き上げ献上することにもなるのだが…。それ
は悲劇にも繋がっていった。
音楽界には『ナンネルの楽譜帳』というものが実在している
ようで、それは父親が弟のために作曲し練習に使わせていた
楽譜帳ということになっているそうだが、本作はのその辺の
事情からインスパイアされて作られたもののようだ。
またナンネルがヴォルフガンングと共に演奏で天分を発揮し
ていたことは事実で、さらに弟が姉の才能を認め信頼を寄せ
ていたことも事実のようだ。従って本作の物語が全くの虚構
ということも、またできないものになっている。
ただし、ナンネル自身の作品曲というのは全く残されていな
いようで、その事情は本作に描かれたものであるのかも知れ
ないが、その点では本作の中にその曲を含めて創作の部分は
数多く存在はしている。
しかし時代に翻弄され、その時代の中に埋もれていった女性
というのは数多くいたのだろうし、その中の1人としてナン
ネルの存在があったとしても、それは全くおかしくはないも
のだ。

製作・脚本・監督は、2000年『夕映えの道』などのルネ・フ
ェレ。その監督はナンネル役に娘のマリーとフランス王家の
ルイーズ役にも娘のリザを起用し、家族ぐるみの作品という
感じになっている。
またヴォルフガング役には、11歳でパリの国立音楽院に学ん
でいるというヴァイオリニストのダヴィッド・モローを起用
して、劇中で素晴らしい演奏を聴かせてくれるのも見所と言
えそうだ。

『ネスト』“The New Daughter”
日本には2005年に長編『奇怪な果実』などが紹介されている
アイルランドの作家ジョン・コナリー原作による未訳の短編
小説からの映画化。
妻に家出されてノースカロライナの自然に包まれた一軒家に
引っ越してきた作家と、その娘と息子の一家を謎の現象が襲
い始める。それには庭の向こうに堆く築かれた塚に原因があ
るようなのだが…。やがてその家で過去に起きた悲劇などが
判明してくる。

監督は、2008年3月紹介『●REC』の脚本家のルイス・ペ
ルデホ。短編映画の監督では数多くの受賞歴もあるスペイン
の俊英が、いきなりアメリカでの長編監督デビューを飾る。
脚色は、2008年にも学園物のホラー作品の脚本を担当してい
るジョン・トラヴィス。
主演はケヴィン・コスナー。それに2007年4月紹介『パンズ
・ラビリンス』に主演していたイヴァナ・バクェロ、2008年
12月紹介『チェンジリング』でアンジェリーナ・ジョリーの
息子を演じていたガトリン・グリフィスが共演。
他に、2004年9月紹介『パニッシャー』にも出演していたと
いうサマンサ・マチス、2001年『ララ・クロフト/トゥーム
レイダー』とその続編にも出ていたノア・タイラー、2000年
『U−571』などのエリック・パタディーノらが脇を固め
ている。
また、2004年3月紹介『コールド・マウンテン』などの脇役
のジェームズ・ギャンモンが重要な役柄で出演しているが、
本作が遺作になったそうだ。
宣伝からスーパーナチュラルと銘打たれている作品で、アカ
デミー監督賞も受賞しているコスナーには役不足かとも感じ
させるが、『ウォーターワールド』や『ポストマン』にも主
演したコスナーは、本当にこのような作品が好きなのだと思
わせる。
ただまあ、作品のテーマには先住民というようなニュアンス
も含まれるから、『ダンス・ウィズ・ウルブス』のコスナー
にはその辺での興味は引かれたのかも知れない。とは言って
も、本作がサスペンスホラーであることに変わりはないのだ
が。

ペルデホの演出は、特に目新しいところはあまり感じなかっ
たが、父親と子供たちの関係を丁寧に描いてそれなりに自然
な感じの作品に仕上げられている。その自然さの中に超常現
象が忍び寄ってくる感覚で、それはリアルに感じられた。

『ミツバチの羽音と地球の回転』
2003年『ヒバクシャ−世界の終わりに』、2006年『六ヶ所村
ラプソディー』という作品を発表している鎌仲ひとみ監督に
よる原発=核問題を扱ったドキュメンタリーの新作。
山口県熊毛郡上関町祝島。瀬戸内海でも有数の漁場とされる
周防灘と伊予灘の境界に位置し、万葉集にも登場する歴史の
ある漁業と有機農業を主産業とする地域。しかしその対岸の
田浦に上関原発の建設が発表された。
それに対して島民たちは、温排水による漁場への影響と風評
被害による農産物への影響を心配して原発建設への反対運動
を展開するが…。建設を推進する町議会への傍聴も拒否され
たまま、建設計画は着実に進行して行く。
チェルノブイリやスリーマイル島の災害以降、原発について
は数多くの問題点が指摘され、世界の多くの国々で脱原発の
動きや、原発拒否とは行かないまでもその見直しが進められ
ている中で、日本だけは未だに原発推進の一本槍で政策が進
められている。
それはアメリカ主導の原発が、その技術移転などで米GE社
に多大な利益をもたらし、その見返りが議員らに還流される
以外の理由は全く考えられないのだが、日本の政治家や役人
は甘い汁を吸うだけで、それが国家にもたらす不利益などは
一顧だにしないのが現実だ。
さらにそれは、本作でも指摘されている電力事業の自由化を
妨げ、諸外国ではすでに実用化されているグリーン電力の開
発を妨げる効果も生み出している。それによって日本では原
発以外の電力の開発は不可能にされ、それが原発推進の旗印
にもなっている。
そんな日本のエネルギー政策の矛盾を見事に描き切った作品
と言える。そこには祝島の漁業に対する影響の問題から、グ
リーン電力を実践する北欧での取り組みなども丁寧に取材さ
れ、わざと耳を塞がない限り誰にでも理解できるように描か
れたものだ。

なお、本作は上記の2作に続く3作目という位置付けになっ
ているが、実は前作を観ていない僕にも何の支障もなく理解
することができたもので、その意味では本作だけでも出来る
だけ多くの人に観てもらいたいと思うところだ。
それにしても役人の横暴は今も昔も全く変っておらず、民衆
の声を届かせるのはなまじの努力ではできないことも、本作
を観ていてつくづく感じさせられた。因に題名は、「小さな
ミツバチの羽音でも地球の回転に影響を与えている」という
想いで付けられているそうだ。

『ホームカミング』
テレビのヴァラエティ番組などでお馴染み高田純次の映画初
主演によるサバーバン・コメディ。
主人公は大手商社を部長で退職した男性。彼は郊外の住宅地
に2世帯住宅を建てて住んでいるが、数10年前に開発された
「ニュータウン」も、今では子供の独立した親たち=高齢者
ばかりの黄昏の町だ。
そして主人公の息子も、都心にマンションを持つ女性と婚約
したとかで家には戻って来ないと言い出す。歴史も伝統もな
く、人工的に作られたその町には帰るべき故郷としての思い
出もないのだ。
ところがその町で暫く駐在の居なかった交番に、新しく若い
婦警の駐在さんが赴任してくることになる。それで俄に活気
づいた主人公たちだったが、その直後から警察が怪しい動き
を見せ始める。
その一方で主人公は、息子から思い出がないと言われた町に
思い出となる祭りを始めようと思い立ち、その想いは徐々に
周囲の人たちを巻き込んで行くが…。そこには住人たちの無
関心など、いろいろな難関も待ち構えていた。

共演は、黒部進、森次晃嗣、桜井浩子。この辺でおやおやと
思った人には、ついでに音楽が冬木透、撮影が稲垣涌三、美
術が池谷仙克と続く。つまりこれは『ウルトラ』シリーズの
同窓会のようなメムバーだ。
というのも本作の脚本と監督は、『ウルトラQ』などを手掛
けた飯島敏宏。円谷プロの後は木下恵介プロダクションにも
所属した監督には、高橋惠子、秋野太作、竜雷太、林隆三、
高橋ひとみ、島かおりといった面々も集まっている。
さらにTVK系のドラマに出演していた麗奈がマドンナ役に
大抜擢の他、堀内正美、木野花、中原裕也、青山草太らが脇
を固めている。
なお映画の企画は、飯島監督に新作映画を撮らせたいという
プロデューサーの想いから始まったそうで、当初監督からは
怪獣も出てくるメルヘンな脚本が提示されたが、もっと地に
着いた作品ということで監督の実体験に基づく本作の脚本が
完成されたそうだ。
その物語は、現実にもありそうではあるが、それでいて普通
ではないかも知れない、そんな微妙なバランスが見事に取ら
れた作品だった。さらにその細部まで練り込まれた脚本や、
特に主演の高田純次がテレビでは観られない「演技」を観せ
てくれるのも楽しい作品だ。

『まほろ駅前・多田便利軒』
2006年第135回直木賞を受賞した三浦しをん原作を、瑛太、
松田龍平の共演で映画化した作品。
東京の郊外、恐らくは町田と思われる私鉄の駅前で便利屋を
開業している多田と、その多田が幼い頃に負傷させた負い目
を持つ相手の行天。その行天がとある経緯で多田の住居兼事
務所に転がり込んできたことから物語は始まる。
脚本と監督の大森立嗣の作品では、数年前の東京国際映画祭
コンペティションに出品されたデビュー作を観ているが、そ
の年は唯一その作品の紹介文をサイトにアップしなかったも
のだ。それはこちらの神経を逆撫でするような監督の作風に
も拠るものだった。
その監督の第2作は、試写状が来なかったのを幸いに観に行
かなかったが、実はデビュー作も併せて世間の評判は高かっ
たようだ。ということで今回は以前に観た作品の印象は気に
はしながらも試写会に出席した。
それで今回の作品を観ての印象は、正直に言ってしまえばデ
ビュー作のときと変らないようにも感じたが、デビュー作の
ときに特に気になった特定の事象に向けられた悪意のような
ものはなく、全体的にはスマートな作品になっているように
も思えた。
そこにはまた、弱者に対する優しさみたいなものも感じられ
て、特に映画の中盤から後半にはそのような内容が丁寧に描
かれていたように感じられた。それは多分原作の存在にも拠
るのだろうが、決して暖かくはないが優しい眼差しが感じら
れたものだ。
それは一方で、単純に暖かくしてしまったのでは現代の殺伐
として社会の中では却って不自然に見えてしまうものかも知
れず、その点でこの作品は見事に現代の日本映画ということ
なのだろう。ただし僕自身にはあまり容認したくないところ
もあるのだが。
物語は軽くもないし甘くもない。それが多分現代の日本の姿
なのだろう。それはまた、気分が落ち込んだときに観たら取
り返しの付かないことになってしまいそうな、そんな気分に
もさせられる作品だった。そんな気分が見事に描き出された
作品とも言える。

主演の2人以外には、大森南朋、松尾スズキ、麿赤兒、高良
健吾、岸部一徳、鈴木杏、本上まなみ、三浦誠己らが脇を固
めている。

『サビ男サビ女』
今までにも何度か紹介している映画学校=ニュー・シネマ・
ワークショップ(NCW)のプロデューサーコースで学ぶ生
徒さんたちが実習として製作した作品。
監督コースのMovie-Highの作品は2008年6月に紹介したのが
最後になっていると思うが、映画プロデューサーコースの作
品では昨年2月紹介した『非女子図鑑』が最初の作品で、本
作は第2作になるものだそうだ。
そして前作では「非女子」というテーマで6本の短編作品が
製作されたが、今回も「前振りなしで突然サビから入ってし
まう」という、やはり世間の枠を多少食み出した男女が主人
公の4作品が製作されている。
その作品の1本目は、2007年10月紹介『全然大丈夫』の藤田
容介監督、今年6月紹介『最後の忠臣蔵』の桜庭ななみ主演
による『ハゲマシガールズ』。何かに行き詰まっている人を
見付けると誰でもチアしてくれる桜庭をリーダーとする女性
たちを描くものだ。
共演は女性お笑いコンビのたんぽぽ、他
に荒川良々らが出演している。
2本目は、1998年『毒婦マチルダ』などの松梨智子監督、今
年9月紹介『大奥』の中村蒼と2008年NHKドラマ『七瀬ふた
たび』の蓮佛美沙子共演による『Boy? meets girl』。憧れ
の女子に接近するため女装した男子が、カメラマン志望の彼
女のモデルになることに成功するが…。
他に、今年2月紹介
『後ろから前から』の草野イニらが出演している。
3本目は、2006年11月紹介『酒井家のしあわせ』などの呉美
保監督、その『酒井家…』にも出ていた友近の主演で『くれ
えむないと!』。帰宅したOLが料金滞納で電気を切られ、
電力会社に電話を掛けるが、今度はそのオペレーターの対応
が悪いと腹を立て始め、そのクレームがどんどんエスカレー
トして行く。
共演は吉本所属の福田転球。
4本目はCF作家の関口現監督、小泉今日子の主演で『せび
ろやしき』。前の家では拾ってきた猫を22匹も飼って近所か
らの苦情で引っ越したという女性が、リストラされたが家人
に言えず、公園で行き場を失っている背広姿の男性を見付け
て…。
共演は、森下能幸、堀部圭亮、田中哲司ら。
何れも、それなりに常識を逸脱しているかも知れない男女の
行動を描いた作品だが、それぞれの主人公たちの想いは純粋
で、その点で理解できる作品に仕上がっている。また短編と
しての纏まりも良い4作品だった。

『毎日かあさん』
2004年の文化庁メディア芸術祭賞などを受賞している西原理
恵子原作漫画の映画化。因に毎日新聞での連載は日々の生活
を描いたもののようだが、映画では元戦場カメラマンでその
トラウマからアルコール依存症になった夫鴨志田穣との生活
を中心に描いている。
実話に基づく同じ一家の話は、今年10月紹介『酔いがさめた
らうちに帰ろう』でも描かれていたが、その作品は鴨志田原
作によるもの、それが今回は西原の側から描かれている。従
ってその視点の違う2つの作品の描き方なども気になる作品
であった。
物語は10月の作品とほぼ同じものが描かれる。それは深酒に
よって何度も吐血しながらも断酒出来ない夫を見かねてつい
に離婚を決意した妻と、その不退転の決意を見て断酒に成功
する夫の物語。しかし夫の身体はすでに取り返しのつかない
状態になっていた。
そしてその時、離婚した妻の取った行動は…
この物語が、10月紹介の作品では幻覚を伴うアルコール依存
症の恐ろしさなどと共に、いろいろヴァラエティに富んで描
かれていたものだが、本作の妻側からではそれを描くことは
出来ず、そこには原作に基づく育児などの生活のエピソード
が挿入されている。
ただしその日々のエピソードには、西原流のかなり毒のある
言い回しも一杯に振り撒かれている。それでその毒のある描
写が僕にはなかなか容認できないのだが、それが世間では受
賞をするほどに高い評価になっているようだ。

主演は、小泉今日子と永瀬正敏。実生活でも2004年に離婚の
経緯のある2人が、2007年1月紹介『さくらん』で同じ映画
に出演したことはあるが、今回は夫婦及び離婚した夫婦役で
本格共演を果たしている。
他には、正司照枝、古田新太、大森南朋、田畑智子、鈴木砂
羽、柴田理恵、北斗晶、安藤玉恵、遠山景織子、光石研らが
共演。また矢部光祐、小西舞優の2人の子役が夫婦の子供た
ちを演じている。
10月の作品では、浅野忠信演じる夫の視点から永作博美演じ
る妻の姿が実に愛らしく描かれていたが、妻本人の立場から
ではそうは描かない。それは、恐らくは本作の方が真実に近
いものなのだろうが、厳しく重い内容の作品だ。


『かぞくはじめました』“Life as We Know It”
ひょんなことから嫌っている者同士が一つ屋根の下に暮らさ
なければならなくなるというシチュエーションを描いたファ
ミリードラマ。
物語の中心は、小さなベーカリーを経営しながら招来はその
店をレストランにしたいと夢見ている女性と、プロデューサ
ーからの信頼も厚くなりスポーツ番組のディレクターとして
一人前になることが現実になり掛かっている男性。
そんな2人が共通の友人である夫婦の手引きでデートをする
ことになるのだが、まだまだ恋愛に夢を持っている女性と、
1時間も遅刻した上に全てががさつな男性との出会いは、食
事にも行けないままの最悪の結果となる。
それでも2人は友人夫婦に誕生した子供の名付け親になった
り、その誕生パーティにも招かれたりと、顔を合わせる機会
は続くが一度付いた印象が変ることはない。ところがそんな
2人が一緒に暮らさねばならなくなる。
しかもそこには赤ん坊もいる状況。それでも2人はお互いの
生活には干渉せず、赤ん坊の世話はお互いのスケジュールを
シェアしながら、それぞれが別々の恋愛や仕事に邁進して行
くのだったが…。
嫌っている者同士が否応なしに一緒に時を過ごさなければな
らなくなる…。そんな物語もハリウッド映画の定番の一つか
も知れない。しかしそんな定番物語の中でも、本作が描くス
トーリーは抜群のものと言えそうだ。
しかもそこに至る物語の展開の見事さ。本作ではそれが現実
にも起こりそうに無理なく描かれていた。今までに映画でも
いろいろな家族の形を観てきたが、本作では脚本も演出も極
上のドラマを堪能させて貰えた感じだ。

監督は、来年6月公開予定のDCコミックス映画化“Green
Lantern”にも起用されているグレッグ・バーランティ。脚
本も新人のイアン・ドイッチマン、クリスティン・ラスク・
ロビンスンのコンビによるものだが、彼らもアシュトン・カ
ッチャー主演の新作に起用が決まっているそうだ。
出演は、2009年8月紹介『男と女の不都合な真実』などのキ
ャサリン・ハイグルと、『トランスフォーマー』シリーズな
どのジョッシュ・デュアメル。他に、2006年5月紹介『ポセ
イドン』などのジョッシュ・ルーカス、今年8月紹介『レオ
ニー』に出演のクリスティナ・ヘンドリックスらが脇を固め
ている。
映画を試写で観させて貰うことで一番嬉しいのは、全く予備
知識なしで作品を観られることだと思う。本作もそのように
観ていてその展開の素晴らしさに感動した。出来るだけ予備
知識なしで観てもらいたい作品の1本だ。


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井口健二