井口健二のOn the Production
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2010年10月10日(日) デザート・フラワー、ウッドストックがやってくる、ライトノベルの楽しい書き方、ヤコブへの手紙、花々の過失、白夜行+製作ニュース

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『デザート・フラワー』“Desert Flower”
世界的なスーパーモデルで、1987年の『007/リビング・
デイライツ』にも出演していたワリス・ディリーの半生を描
く実話に基づいた作品。
ソマリアの貧しい遊牧民の家に生まれ、封建的で差別的な暮
らしに耐え切れず、たった1人で砂漠を越えた少女の物語。
そして少女は、都会に住んでいた叔母の伝で英国駐在大使に
任命された叔父一家のメイドとなり、ロンドンへと向かうの
だったが…
母国ソマリアで政変が発生し、大使一家に帰国命令が出たと
き、彼女はパスポートだけを手に大使館を脱出、路上生活者
となってしまう。しかも彼女は、6年間もロンドンで暮らし
ていたのに大使館の中だけの生活で、英語をほとんど学んで
いなかった。
ところがそんな彼女は、アパレルショップでアルバイトの店
員をしながらオーディションを受け続けてる女性と出会い、
片言ながらも意気投合した2人は共同生活を開始。さらにそ
の女性の伝でハンバーガーショップで働いていたとき、彼女
に大きな幸運が舞い込む。
と書いてくると、何ともありがちなシンデレラストーリーの
ようだが、実は彼女には、ソマリアでの幼少時代に受けた大
きな秘密があった。その秘密が、彼女がスーパーモデルにな
って以後、徐々に明らかになって行く。
その秘密=FGMについては、僕はすでに2006年3月に紹介
した『母たちの村』でも知っていたものだが、今もなお毎日
6000人以上の子供たちがその被害に遭っているとの報告も映
画の中では紹介されていた。
そして本作は、そのFGM撲滅のため自らの体験を告白し、
ニューヨーク国連本部の演壇にも立った女性の物語なのだ。
しかしその一方でこの映画では、ロンドンで文化的に暮らし
ている人たちの中でさえ、その因習への賛同者がいるという
現実も紹介している。

ワリス・ディリーの自伝からの脚本と監督は、日本には初紹
介になるが、アメリカ生まれのドイツ系女性監督のシェリー
・ホーマンが担当。また主人公のワリス役には、自身もアフ
リカ系スーパーモデルのリヤ・ケベデが扮している。
他には、2006年6月紹介『レイヤー・ケーキ』などにも出演
のサリー・ホーキンス、ティム・バートン作品や『ハリー・
ポッター』シリーズでお馴染みのティモシー・スポールらが
共演。
こんな恐ろしい現実が今も続いている。それを我々は知らな
ければならない。
特に女性には観てもらいたい映画だ。

『ウッドストックがやってくる!』“Taking Woodstock”
台湾出身のアン・リー監督が、1969年8月15〜17日に開催さ
れた「音楽と芸術の祭典ウッドストック」の舞台裏を綴った
実話に基づくドラマ作品。
アポロ11号が月面に着陸した頃のお話。この映画の原作者で
もあるエリオット・タイバーは、グリニッジ・ヴィレッジで
デザイナー/アーチストとしての成功を納めていた一方で、
ニューヨーク州ホワイトレイクにある両親の営むモーテルの
手伝いにも追われていた。
そんな彼の唯一の慰めは、会長職を任されている地元商工会
のイヴェントとして自分の好きな音楽による町興しを企画す
ること。そしてその年も、音楽会の開催は彼の発議によって
商工会の承認を得ていた。しかし、具体的な内容はまだ何も
決っていなかった。
そんなとき、彼は1つの新聞記事を目にする。それは近隣の
ウォールキルの町で行われる予定だった大規模な音楽祭が、
地元民の反対で開催許可を取り消されたというもの。そこで
エリオットはその主催者に電話を掛け、彼の地元での開催を
働き掛けた。
すると主催者の1人はヘリコプターでホワイトレイクに駆け
つけ、他の関係者も次々に現地を訪れる。そしてエリオット
は彼のモーテルから3kmほど先の牧場を借り受けに成功。彼
のモーテルを本部にして音楽祭の準備が開始された。
ウッドストック音楽祭は、その2年前の1967年にカリフォル
ニア州モンタレーで行われたポップフェスティヴァルの成功
を観たニューヨークのプロモーターたちが企画したもので、
そのときすでに前売りは18万枚に達していた。
そんな音楽祭の実施。しかも公称の入場者数は20万人だが、
実際には40万人の人々がその地に集まったとも言われる。た
だし集まった人々の大半はコンサートの模様はほとんど観ら
れず、その周囲ではドラッグやフリーセックスなど、正に解
放区が実現されたというものだ。
そして主人公は、そんな歴史的な出来事の只中にいて、その
影響を真正面から受け、自らも成長して行った若者の姿が描
かれる。
僕自身が、それなりの規模のイヴェントで主催する側に立っ
た経験を持つ者としては、これは本当に眩しいばかりの憧れ
持って観られる作品だった。規模の違いこそあれ自分もそん
な中にいた、そんな記憶も懐かしく思い出された。それが僕
の青春だった。そんな青春を思い出させてくれる作品だ。

出演は、エリオット役をスタンダップ・コメディアンとして
数々の受賞歴を持つというディミトリ・マーティンが演じ、
共演は、2008年2月紹介『燃えよ!ピンポン』などのダン・
フォグラー、今年8月に紹介『ナイト&デイ』などのポール
・ダノ、2008年5月紹介『イントゥ・ザ・ワイルド』などの
エミール・ハーシュ。
さらに、2003年12月紹介『みんなのうた』などのユージン・
レヴィ、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』などのイメ
ルダ・スタウントン、今年7月に紹介『ソルト』などのリー
ヴ・シュライバーらが脇を固めている。
アン・リー監督としては、オスカー受賞の『ブローバック・
マウンテン』、2007年『ラスト、コーション』に続く作品。
製作と脚本は、2000年『グリーン・デスティニー』などを手
掛けて監督の片腕とも言えるフォーカス・フィーチャーズの
ジェームズ・シェイマスが担当した。
なお本作は、フォーカス社製作による監督主導の映画作品を
連続して上映する「監督主義プロジェクト」(DDP)と題
された企画の第1弾として日本公開されるものだ。

『ライトノベルの楽しい書き方』
2005年『電波男』などの著作本を持つ本田透による原作小説
からの映画化。
物語は、さかなオタクの冴えない男子高校生が、文武両道・
才色兼備で、しかも密かにライトノベルの人気作家でもある
同級生女子が作家修業として行う1カ月限定恋愛シミュレー
ションの相手をすることになり…というもの。
まあお話は在来り、それでどこかに多少の捻りでもあるかと
期待はしたがそんなものもあるはずはなく、まずは男子の願
望充足の物語が展開される。でも映画の展開には、ときどき
おや?と思わせる伏線などもあって、それなりに楽しむこと
はできる作品だった。

出演は、ハロプロ/キッズオーディション出身の須藤茉麻、
先月紹介した『君へのメロディー』などの佐藤永典、声優と
して活躍し初の本格的な実写作品出演という竹達彩奈、ミュ
ージシャンでホビー雑誌の連載も手掛ける能登有沙。
他に、声優で歌手としても人気のある國府田マリ子、2009年
『14歳のハラワタ』などに出演の五十嵐令子、同年『仮面
ライダーディケイド』で仮面ライダーブレイド役の鈴木拡樹
らが脇を固めている。
脚本は、ゲームクリエーター出身でアニメの脚本やコミック
スの原作なども手掛けているという高橋龍也。実写作品の脚
本は初めてとのことだが、それなりに壺を押さえたなかなか
の脚色を行っている。
そして監督も、長編の商業作品は初という大森研一が手掛け
ているが、こちらもCMやPV、それにショートフィルムで
は数々の受賞歴があるという実績は、本作でもそれなりに発
揮されていたようだ。
まあ正直に言って演技などにはぎこちないところがあるし、
演出のリズム感も万全というものでもないが、何となく若い
出演者やスタッフが一所懸命に頑張っている感じがして、そ
れが微笑ましくも思えた作品だった。

なお原作には続編もあるようで、同じスタッフ・キャストで
製作されるならそれも観てみたいものだ。

『ヤコブへの手紙』“Pstia pappi Jaakobille”
昨年のカイロ国際映画祭やマンハイム=ハイデルベルグ国際
映画祭でもグランプリを受賞しているフィンランド作品。
女性の終身刑囚が、自分は申請していない恩赦を受けて釈放
される。しかし、肉親のところへも帰れない彼女は、刑務所
の所長の勧めもあって恩赦の申請をしたヤコブという名の盲
目の神父の許を訪れる。
とは言え12年も獄中で過ごしてきた彼女の精神は荒みきって
おり、神父が求める簡単な作業にも乗り気ではないようだ。
それでも神父は彼女を暖かく迎え入れるのだが…
その神父の求める作業とは、神父の許に届けられる救いを求
める手紙を音読し、神父の話す言葉を筆記して返信するとい
うもの。だがそんな作業も嫌々の彼女は、届いた手紙の一部
を井戸に捨ててしまったりもする。
ところが、彼女が神父の許を訪れてからほどなくして、それ
までは毎日何通もあった手紙が届かなくなる。その事態に、
自分は必要とされなくなったと悲嘆する神父。そしてやるべ
き仕事のなくなった主人公は、神父の許を出ていこうとする
のだが…
主な登場人物は、主人公と神父と郵便配達の3人だけ。北欧
フィンランドのかなり寒そうな風景の中で、主人公の心の再
生の物語が綴られて行く。そしてそこに手紙というコミュニ
ケーションの手段が巧みに描かれている。

監督は、1971年生まれというクラウス・ハロ。彼がたまたま
インフルエンザで寝込んでいたときにメールで送られてきた
名前も知らない作家の手になる物語を読み、その内容に注目
して映画化を進めたとのこと。
その作者は、休職中に映画学校で学んでいたという40歳の元
ソーシャルワーカーの女性で、彼女もたまたま教師に勧めら
れて監督にメールを送ったもの。正に偶然の重なりがこの作
品を生み出したようだ。
出演は、ジャーナリスト・作家としても活動しているという
カーリナ・ハザードと、元国立劇場の主演俳優で舞台はすで
に引退しているヘイッキ・ノオウシアイネン。ベテラン演技
者たちの共演が見事な雰囲気を造り出している。

『花々の過失』
1950年生まれ秋田県出身のフォーク歌手友川カズキの姿を、
1979年生まれパリ出身の映像作家ヴィンセント・ムーンが撮
影したドキュメンタリー作品。
被写体の友川については、この歌声はどこかで聞いたことが
あると思っていたら、2004年7月に紹介した三池崇史監督の
作品『IZO』に出演、劇中で5曲も歌っていたそうだ。そ
の他でもこの歌声は聞いた記憶があるが、それがどこでかは
思い出せない。
そんな特徴のある友川が熱唱しているライヴステージの模様
と、友川の経歴、心情、家族のことなどが描かれている。
その友川は、中学生の時に掃除当番で入った図書室で、机上
に広げてあった本の中の中原中也の詩『骨』に衝撃を受け、
自らも表現者になることを決意して詩を書き溜める。そして
上京、路上で自作の詩集を売っていたがそれに飽きたらず、
独学のギターをかき鳴らして歌い始めた。
その絶叫調の歌声は「魂の詩人」「絶叫する哲学者」などと
も呼ばれ、1970年代には大島渚監督らの文化人からも賞賛を
受け、数多くのミュージシャンにも影響を与え続けていると
のことだ。
という友川の姿が、「ミュージックヴィデオの見直し」を提
唱しているというムーン監督によって撮影されている。そこ
にはライヴステージの模様だけでなく、ギターで作曲してい
る姿やスタジオでの録音風景なども描かれている。
さらに友川本人や、その他の人たちによるいろいろな友川の
エピソードなども語られる。その中では、友川は大島監督か
ら『戦場のメリー・クリスマス』への出演のオファーもされ
たが、標準語の台詞を求める監督に、友川が自らの秋田訛り
を譲らず断った話なども語られていた。
ただし、この他の人たちによる証言のシーンで、その人たち
と友川との関係が、後半に登場する息子以外は定かでなく、
どのような人たちによって語られているのかが理解できない
と、何か観ていて納得できない感じがした。
それに試写されたフィルムには英語の字幕が付いていたが、
それが肝心の友川の歌唱に対しては無く、詩が重要と思われ
る友川を描くには片手落ちの感じもした。それに英語字幕の
中で一人称のIが小文字なのも気になったところだ。
ただまあ、その辺のことは末節なのだろうし、
映画では友川
の歌唱の魅力については充分に描かれていたものだ。

『白夜行』
東野圭吾の原作で、1997年に雑誌連載が開始されて99年1月
号で完結、同年単行本が刊行された、文庫本では850ページ
にも及ぶ長編ミステリー小説の映画化。
物語の発端は昭和55年。密室状態の廃工場の中で質屋の店主
が殺された。その捜査に関った所轄署の刑事笹垣は捜索の中
で数々の疑問にぶつかるが、やがて事件は事故死した容疑者
のポケットから被害者のライターが発見され、被疑者死亡の
まま幕引きとなる。
しかし事件の結論に納得できない笹垣は、被害者の妻や質屋
の従業員だった男の後を追い続けた。それはやがておぞまし
い事件の全貌を明らかにして行くことになる。
この刑事の姿に、被害者及び容疑者それぞれの子供たちのそ
の後の人生が重ね合され、そこに学校での苛めや歪んだ性風
俗、その他のいろいろな現代社会の歪みが織り込まれて、平
成10年にまで及ぶ壮大なドラマが展開されて行く。

出演は、堀北真希、高良健吾、そして笹垣役に船越英一郎。
他に戸田恵子、田中哲司、福本史織、今井悠貴らが脇を固め
ている。監督は、2008年7月紹介『真木栗の穴』などの深川
栄洋が担当。
原作はすでに舞台化やテレビドラマ化、韓国での映画化もさ
れており、まあ言ってみれば満を持しての日本での映画化と
いうことになりそうだ。その映画化は、恐らくこれ以降にな
ると時代背景の捉え方が難しくなるぎりぎりの時期のように
も感じた。
つまり昭和55年から平成10年という時代設定が、今なら観客
にも余計な説明無く受け入れられそうだが、これ以降になる
と相当の説明を加えるか、時代設定そのものを動かさないと
観客の理解が困難になる、そんなぎりぎりの時期のような気
がした。
とは言え今回の映画化ならその心配は要らないもので、僕ら
にはちょっとしたノスタルジーを感じながら観ることができ
たものだ。それはまた主人公たちの成長とも重なり合って、
見事に時代を描き切った作品とも言える。
その時代考証や背景の風景の写し方の一つ一つにも納得ので
きる作品だった。
9月に紹介したミヒャエル・ハネケ監督の『白いリボン』と
も比較して論じたくなる作品だが、特に本作の悲しさは、ド
イツ作品とは異なる心理の深さを感じさせてくれた。

        *         *
 今回の製作ニュースは、まずはこの話題から。待望久しい
“The Hobbit”の計画がようやく動き出しそうだ。
 この計画に関しては、2003年『LOTR/王の帰還』の公
開直後からピーター・ジャクスンによる製作が公にされ、そ
の後は、監督にギレルモ・デル=トロが起用されるなど準備
が進められていた。
 ところが準備が進む中で、以前に同原作のアニメーション
を製作したことから映画化権の半分を持つMGMが共同製作
に加わったものの、同社の経営破綻などのあおり受けて製作
に待ったが掛かり、さらにMGMの経営権を売却するオーク
ションにも不成立が続いたことから製作の目途が全く立たな
くなってしまった。
 このためデル=トロ監督は、今年5月に已むを得ず降板を
表明。ただしその際に監督からは、「セットも衣裳も、怪物
たちや戦闘シーンのプランも全て完全に準備されている」と
の発言がされていて、後は諸問題が解決すればいいという状
況になっていたものだ。
 その諸問題に関して、まずMGM問題については、2009年
『インビクタス』なども手掛けるスパイグラス社が最終的な
話し合いに入っていると伝えられており、このまま何とか決
着されそうな気配にあるようだ。
 一方、監督に関しては、デル=トロの降板以降、ジャクス
ンが自ら監督に復帰するという表明はないものの、それ以外
の監督の情報も全くないという状況で、現時点で動き出せば
この2人のどちらかが手掛けることになりそうだ。
 ただしここにきて、製作者としてのジャクスンが撮影地を
『LOTR』3部作を撮影したニュージーランドから東欧に
移すことを発表。それに反発したニュージーランドの俳優組
合が、オーストラリア、イギリス、カナダ、アメリカなどの
俳優組合も巻き込んで本作製作へのボイコットを表明する事
態になった。しかしこれに対しては、何とニュージーランド
政府の首相のジョン・キーが収拾に乗り出したとの情報もあ
り、このまま行ってくれれば、来年早々からの撮影開始が実
現しそうな雰囲気になっている。
 計画では、JRR・トーキンの原作に基づいた第1部と、
その物語から『LOTR/旅の仲間』に繋げるジャクスンら
の書き下ろしによる第2部との2部作構成と言われる“The
Hobbit”の映画化が、僕らの前に登場する日も近づいてきて
いるようだ。
        *         *
 お次はその“The Hobbit”の監督にも一時名前の挙がった
サム・ライミ監督の情報で、“Spider-Man 4”からの降板は
決まっているライミが、“EDF”と題された作品をワーナー
に向けて売り込んでいる。
 この作品は、1997年『エアフォース・ワン』などのアンド
リュー・W・マーロウの脚本によるもので、物語は『トップ
・ガン』と『ラスト・スターファイター』と『インディペン
デンス・デイ』を合わせたようなものと称されているが、詳
細は不明。ただし物語の開幕では、米軍機と中国軍の戦闘機
が宇宙からの巨大な侵入者と戦っているというシーンがある
そうで、ローランド・エメリッヒばりの宇宙からの侵略が描
かれるようだ。因に“EDF”とは、Earth Defence Forceの略
称だそうだ。
 現状ではライミが監督も手掛けるかどうかは明確ではない
ようだが、脚本家はそれなりの実績もある人だし、まずは期
待して待つことにしたい。
        *         *
 最後に、10月23日から開催される第23回東京国際映画祭の
記者会見が行われた。
 それによるとまず今年のコンペティションには、世界76の
国と地域から応募された832本の中から15作品が選出され、
本賞の「東京サクラグランプリ」が競われる。その審査委員
長には1984年『狼の血族』などのニール・ジョーダン監督が
就任しており、その結果が楽しみだ。
 他にも特別招待作品やアジアの風、日本映画・ある視点、
ワールドシネマ、natural TIFFの各部門で計89本の公式上映
が予定され、中には生誕70周年を迎えたブルース・リーの特
集なども企画されているようだ。その他の関連企画を含める
と200本以上が上映される映画祭が、今年も近づいてきた。


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井口健二