※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※ ※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※ ※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 今回はいろいろの情報が集まっている。早速始めることに しよう。 まずはドリームワークスから、ちょっと面白くなりそうな 企画が発表された。 企画の名称は、film samplingと呼ばれているもので、そ の内容は、完成された映画作品に、さらに別のタレントが台 詞を追加して別の作品にしてしまうというもの。つまり、ラ ップのバックに流されるアナログレコードのサンプリングの イメージを、映画フィルムでやってしまおうというものだ。 そしてこの企画を進めているのが、ドリームワークス製作 の『シュレック』で主人公の声を担当したマイク・マイヤー ズ。もちろん『オースティン・パワーズ』のマイヤーズだ。 因みに同様の企画としては、ウッディ・アレンが64年製作 の東宝映画『国際秘密警察・鍵の鍵』の台詞を全部入れ替え て“What's Up Tiger Lily”にしてしまった作品が有名だ が、この他にもアメリカのテレビCMでは近年クラシック映 画の台詞を入れ替えるのが流行だそうで、最近ではジョン・ ウェインがビールの宣伝をしたり、ハンフリー・ボガートが ソーダ水、フレッド・アステアが電気掃除機の宣伝をしてい るものまであるということだ。 一方、マイヤーズは、自作の中でも数多くの名作映画のパ ロディを行っており、今回の企画には好適なタレントという ことができる。 なお、具体的な元となる映画作品の題名は発表されていな いが、すでにマイヤーズとドリームワークスでは複数の作品 を候補に上げてその改作の許可を得る交渉を始めているよう だ。またこの企画には、『オースティン・パワーズ』のジェ イ・ローチ監督の他、俳優のデイヴ・フォーレイ、脚本家の ジェイ・コーガンらも参加しているということだ。 アレンの作品に限らず、監督のピーター・ボグダノヴィッ チはロジャー・コーマンの下で当時のソ連製のSF映画の改 作を行っているし、『ゴジラ』や『日本沈没』といった日本 映画も、アメリカ公開時には追加のシーンを入れて再編集す るのが通例だった。しかし今回は、発表の流れから見てハリ ウッド映画を元にしているような感じで、これが実現したら かなりのものになりそうだ。 * * お次も、ドリームワークスの話題で、スティーヴン・スピ ルバーグ監督が、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』 に続けてトム・ハンクス主演の作品を手掛けることが発表さ れた。 作品の題名は、“Terminal”。空港を舞台にしたコメディ 作品ということで、具体的には、ハンクスが扮するのは東ヨ ーロッパ出身の移民の男。戦争の勃発で彼の母国が消滅し、 パスポートが無効になってニューヨークの飛行場で暮らさざ るをえなくなる。そして彼は飛行場の係官と友人になり、さ らにフライトアテンダントと恋に落ちるというもの。 脚本は、『キャッチ・ミ…』のジェフ・ネイザンスンと、 “Simone”という作品のサーシャ・ゲルヴァジーが手掛けた もので、元々ハンクスの主演作品として、“Simone”や『ガ タカ』のアンドリュー・ニコルの監督で計画されていた。と ころが監督が別の作品の計画で降板し、宙に浮いていたもの をスピルバーグが引き継ぐことにしたものだ。撮影は今年の 年末の開始が予定されている。 因に、スピルバーグは現在休養中だが、今年の夏には、フ ランク・ダラボン脚本による“Indiana Jones”の第4作の 撮影が予定されており、今回発表された作品はそれに続けて の撮影ということになりそうだ。 一方、“Indiana Jones”には、すでに主演のハリスン・ フォードもスケジュールを空けて待っているということで、 その撮影は少し早まる可能性もあるということだ。なお第4 作の公開は、一応05年の夏が予定されているが、配給担当の パラマウントとしてはできれば04年公開を希望しており、ス ケジュールが繰り上がる可能性は大きいようだ。 * * もう1本、スピルバーグの計画で、以前からジム・キャリ ーの主演で計画されていた“The Secret Life of Walter Mitty”(虹を掴む男)のリメイクに、スピルバーグが監督 として参加、パラマウントで製作されることが発表された。 この計画は、47年にダニー・ケイ主演のオリジナルを手掛 けた製作者サミュエル・ゴールドウィンの息子のサミュエル ・ゴールドウィンJr.が、10年以上も前から進めていたもの で、当初からジム・キャリーの主演を希望して94年に『マス ク』を公開したばかりのニューラインに企画が持ち込まれて いた。ところが、ニューライン側とキャリー側の製作上の意 見が一致せず、長らく棚上げになっていたものだ。 そこでゴールドウィンJr.はニューラインから企画を引き 上げて、他社での計画の立直しを図ったのだが、かなりのヒ ットの期待されるこの作品を、ニューライン側がおいそれと 手放す訳もなく、結局裁判となってしまっていた。その裁判 がようやく結審したもので、ゴールドウィンJr.の権利が認 められて、晴れて再出発となっている。 そしてその新たな相手先としてパラマウントの名前が挙が っているもので、同社からの公式発表はまだ無いようだが、 ドリームワークスとパラマウントでは、先に共同で“Lemony Snicket's a Series of Unfortunate Event”という作品 をキャリーの主演、ブラッド・シルバーリングの監督で進め ており、今の時期には願ってもない提携先ということだ。 なお、キャリーとスピルバーグは、以前から一緒に仕事を することを希望しており、ジェイ・ローチ監督、ベン・ステ ィラー主演で映画化された『ミート・ザ・ペアレンツ』も、 一時は彼らの計画として進められたこともあったようだ。そ して今回“Lemony Snicket's…”の企画会議で2人が顔を 合わせ、その席で“Walter Mitty”の話が出て、即座に話が まとまったということだ。 ゴールドウィンJr.の発表によると、製作は12カ月以内に 開始されるということで、来年早々に撮影開始の可能性が高 いということ。ということはつまり、上記のトム・ハンクス 作品の次ということになりそうだ。 ただし、この計画には、過去にチャック・ラッセルからロ ン・ハワードまでいろいろな監督が関わっており、その間に 多数の脚本が完成されているが、今回の発表でキャリーとス ピルバーグは新たな脚本で再出発を図るということで、その 新脚本の完成が最初のポイントになりそうだ。 因に、47年製作のオリジナルは、ノーマン・Z・マクラウ ド監督、ヴァージニア・メイヨ、ボリス・カーロフらの共演 で、厳しい現実と幻想的な白昼夢の世界の狭間に生きる主人 公が、夢の力でいろいろな活躍をするというもの。キャリー のキャラクターにピッタリの作品と言えるものだ。 * * ついでにリメイクの話題をいくつか紹介しておこう。 まずは新たな情報で、54年にユニヴァーサルで製作された “The Creature From the Black Lagoon”(大アマゾンの 半魚人)のリメイクが計画されている。 オリジナルは、『ハムナプトラ』の“The Mummy”と並ぶ ユニヴァーサルのオリジナル怪物で、つまり『ドラキュラ』 や『フランケンシュタイン』などのような原作を持たず、ユ ニヴァーサルで独自に開発された作品。邦題の通り水中でも 呼吸のできる半魚人(原語ではGill Man=鰓男と呼ばれる) が、水中から美女を襲うというもので、水面近くを泳ぐ美女 を海中から狙うシーンは、『ジョーズ』の巻頭シーンの元に なったとも言われている。 そして今回リメイクを計画しているのは、そのオリジナル の脚本を担当したアーサー・ロスの息子のゲイリー・ロス。 そのロスが製作を担当し、脚本には、“Terminater 3: Rise of the Machines”のテディ・サラフィアンの参加が発表さ れている。因にロスは、『スパイダーマン』のトビー・マグ ワイアの主演で、7月に全米公開が予定されている競馬映画 “Seabiscuit”では脚本監督を手掛けているが、本作では製 作に専念するようだ。一方サラフィアンには、「キャメロン の脚本以外には絶対に出演しない」と言っていたアーノルド ・シュワルツェネッガーを翻意させた手腕が期待される。 その他のスタッフ・キャストは未発表だが、ユニヴァーサ ルのクラシックホラーのリメイクでは、04年はスティーヴン ・ソマーズの監督、ヒュー・ジャックマン主演による“Van Helsing”が公開予定ですでに撮影開始されており、順調に 行けばその次ぐらいが期待できそうだ。 * * お次はディズニーから、37年製作の“Topper”という作品 のリメイク計画が発表されている。 このオリジナルは、日本では『天国漫歩』という邦題で戦 前に公開されているようだが、『虹を掴む男』と同じノーマ ン・Z・マクラウド監督の作品で、ケーリー・グラント、コ ンタンス・ベネットが主演した幽霊コメディ。アメリカのガ イドブックでは星3つ半の高い評価で、39年と41年に続編も 公開されている。また79年にはケイト・ジャクスンの主演で テレビ版リメイクもされており、さらに85年にコンピュータ ーでカラー化された第1号の作品だということだ。 これほどの、いろいろな意味で映画ファンに愛された作品 のリメイクということだが、今回計画しているのは、01年の 『ウェディング・プランナー』を手掛けたアダム・シャンク マン監督とコメディアクターのスティーヴ・マーティン。2 人は、3月第1週公開の“Bringing Down the House”とい う作品が、全米第1位の興行成績を記録したばかりで、その 余勢を駆っての今回の発表のようだ。 ただし、マーティンは3月末からショウン・レヴィ監督で これもリメイクの“Cheaper by the Dozen”(一ダースな ら安くなる)の撮影が決まっており、今のところシャンクマ ン監督の次回作という訳でもないようだ。 * * 後は以前から紹介していると思うが。 ニコール・キッドマン主演、フランク・オズ監督で、6月 からの撮影が決まっている“The Stepford Wives”のコメ ディリメイクに、今年のオスカー助演賞候補になっている 『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のクリストファー ・ウォーケンと、グレン・クローズの共演が発表されている。 この計画には先にキッドマンの夫役でジョン・キューザック と隣人の主婦役でジョアン・キューザックの姉弟の共演と、 主人公を助けるゲイの男の役でロジャー・バートの出演も決 まっており、かなりにぎやかな作品になりそうだ。 一方、ジョージ・A・ロメロ監督が79年に発表したカルト 作品“Dawn of the Dead”(ゾンビ)のリメイクに、コマ ーシャル出身のザック・スナイダー監督の起用が発表されて いる。『ゾンビ』はロメロの3部作の中では最も高い評価を 受けている作品だが、その描写も最も過激な作品で、そのリ メイクに表現も注目される。因にスナイダーは一時コロムビ ア製作の“S.W.A.T.”の監督に起用が決まっていたが、彼が Rレイトを主張したために降板した経緯があるようだ。リメ イクは『スクービー・ドゥー』のジェームズ・ガンの脚本で、 6月撮影開始、アメリカはユニヴァーサルが配給する。 もう1本、50年製作でジミー・スチュワートがオスカー候 補になった“Harvey”(ハーヴェイ)のリメイクに、ジョン ・トラヴォルタの主演が発表されている。元々はメアリー・ チェイスのピュリッツァー受賞戯曲を映画化したものだが、 主人公以外には見えない巨大なウサギが登場するちょっとフ ァンタスティックな作品で、このアル中気味の主人公をトラ ヴォルタがどのように演じるかも楽しみだ。MGMとディメ ンションの共同製作作品。 * * 続いては、CGI絡みの計画が2つ発表されている。 まずはドリームワークスから、ロックンロール音楽の歴史 をCGIアニメーションで描く計画が発表されている。 この計画は、ドリームワークスの首脳の一人のジェフリー ・カツェンバーグと、00年製作“The Family Man”(天使 のくれた時間)などのデイヴィッド・ダイアモンド、デイヴ ィッド・ウェイスマンの脚本家チームが会談した中から生ま れたもので、元々彼らが01年公開の“Evolution”(エヴォ リューション)の脚本を検討していたときに、その後には何 をやりたいかという話になり、そこにアニメーション部門の ヘッドのアン・デイリーが参加、彼らが皆ロックンロールを 愛していたことから、それらの音楽をCGIの中で活かせな いかということになったようだ。 従ってこの計画は00年頃にはスタートしていたようだが、 このほどその計画にゴーサインが出て、脚本家チームと7桁 ($)の契約が結ばれたことが発表されたものだ。そして、 この計画では声の出演者に、ウィル・スミス、ロバート・デ =ニーロ、マーティン・スコセッシというキャスティングも 発表されている。まあ、スミスは元々ラップアーティストで もあるから判るとして、デ=ニーロも最近の『アナライズ・ ユー』で美声(?)を披露していたが、それにスコセッシと いうのは、一体どういうことになるのだろうか。 なお製作は、新作“Sharkslayer”のアリスン・セイガン が担当、04年の公開が予定されている。 * * もう1本はディズニーから、ケネス・グレアム原作の児童 小説の古典“The Wind in the Willows”(楽しい川べ)を CGIと実写の合成で映画化する計画が発表され、『ブレイ ド2』のギレルモ・デル=トロの脚色と監督が契約された。 この計画については、以前からデル=トロが希望していた もので、彼と『ミミック』の脚本家のマシュー・ロビンスが 共同で脚色を担当し、さらにデル=トロは合成されるCGI についても全面的に監督することになっている。 また、今回の計画では未来物の要素を入れた物語になるよ うで、デル=トロとロビンスの長年のパートナーのバルーク ・インバーが手掛けたコンセプトアートや、マテリアルのデ ザインもすでに契約されているということだ。 なお同じ原作は、日本でも児童演劇で上演されるなど、ア ニメーションや実写のテレビシリーズも数多く作られている ようだが、最近では、97年に元『モンティ・パイソン』のテ リー・ジョーンズが監督、エリック・アイドルやジョン・ク リースの出演で、イギリスで映画化された作品も公開されて いる。 * * 後半は短いニュースをまとめておこう。 またまたユース・ファンタシーの計画で、アメリカで3月 に発行されたばかりの中国系アメリカ人作家ローレンス・イ ェップ原作による“The Tiger's Apprentice”の映画化権 がミラマックスと契約され、すでに“Ella Enchanted”な どを手掛けているジェーン・スターツの製作で映画化される ことになった。物語はサンフランシスコで祖母の手で育てら れた中国人の少年が、実は不死鳥の卵の守り手であった祖母 の跡を継いでその守護者になるというもの。3部作だそうだ。 次も映画化権の契約で、00年の『スペース・カウボーイ』 に監督主演したクリント・イーストウッドとワーナーが、ピ ュリッツァー賞候補作家のジェイムズ・R・ハンセンが執筆 中の人類最初の月面到着者ニール・アームストロングの伝記 の映画化権を獲得した。この本は、“Firsy Man: A Life of Neil A. Armstrong”と題されるもので、アームストロ ングが朝鮮戦争に従軍した戦闘機パイロット時代からの半生 を記録、04年の出版が予定されているということだ。 最後はインディペンデンスの話題で、『A.I.』などの俳 優ジュード・ロウが自ら製作を買って出た“The World of Tomorrow”の撮影が3月に開始された。この作品は第2次世 界大戦前を背景にしたSFドラマで、グウィネス・パルトロ ウとアンジェリーナ・ジョリーが共演。ロウとジョリーは互 いに競い合うパイロットで、パルトロウは彼らを追い回すジ ャーナリストという役柄だそうだが、これでどうしてSFス リラーなのだろう。他に、『ギフト』のジョヴァンニ・リビ ージと、『Taxi��』のバイ・リンの参加も予定されてい るそうだ。脚本監督は、本作がデビュー作のケリー・コンラ ン。製作総指揮はアウレリオ・デ=ラウレンティスとラファ エラ・デ=ラウレンティスが担当している。
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