ちむたんのつぶやき
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2008年07月24日(木) グッドバイ・スウィートハート

今日は自席の真上だけ冷房切って仕事してます。

父もここ数年は冷房がたいへん苦手になっていました。実家に行くと、すごく暑い日でもエアコンを入れると咳がでるからと窓を開けてあって、風がない日はしんどかったなあ。
今はもうそういう思いもしなくてすむところにいるのだと思うと、ほっとしつつなんとなくせつないのですが。


父を見送ってから半年が過ぎました。
悲しみは癒えることはないのだと思いますが、以前の爆発力は失っています。少なくとも、ひとりきりじゃないときには。
はじめの頃は他の人といるときでもうっかり噴火しそうになって、それを抑え込むのに結構なパワーが必要で、仕事以外では人に会う気になかなかなれませんでした。
親を亡くしたというのは私のごく個人的な事柄なのに、世間の人がそれを最重要視しないことが腹立たしい…みたいな気分でした。もちろん、さすがにそれはおかしいよな、という感覚は残っていたので、なんとかなりましたが。
われながら燃えるマグマです。まあ、それだけ父が好きでした。

成田美名子のマンガ「ALEXANDRITE」で、父親を亡くした女の子が泣きながら「パパにもう何もしてあげられないのが悲しいのよ」と言うのですが、父が逝ってからその場面を思い出して泣きました。



亡くなった1月20日の朝8時、他の患者さんに朝食が配られました。前日の夕食をもどしてしまった父には、様子を見ましょうということで食事を出さなかったのですが、周りの気配に気づいた父が「朝ごはんの時間だね」と言いました。
父は昔から、体調がよくないときでもなるべく食事を抜かない、生活のリズムを崩さない人なので、冷蔵庫にカップのヨーグルトが買ってあったのを思い出し「ヨーグルト食べる?」と尋ねたら、食べるといいます。

ベッドの枕元を少し起こし、ヨーグルトをスプーンですくって勧めました。もう身体も起こせない父が、それでもひとさじ、ふたさじと飲み込んでくれました。
とても不思議な気分でした。
こんなに弱ってしまっているのに、父の気力は衰えていない。もうあと二、三週間くらいしか生きられないといわれていながら、身体のことを除けば別にこれまでと変わらない、そのギャップの大きさが。

いつも雑談するときのように「ヨーグルトはさっぱりしてて美味しいよねー」となにげなく言ったら「うん、美味しい。」と、普段の父とまるで変わらない声で力強く言ったので、はっとしました。
朝病院にきたら、入れ歯が外されてしまっていて発音が不明瞭になり、父の言うことがなかなか聞き取れなくて苦労していたのですが、これははっきりと聞こえました。それからたった6時間ほどで逝ってしまうなんて、夢にも思わないほどに。

父の好みに合うかな、と食べ物や飲み物を探してきたり作ったりして食卓に出し、美味しいと喜んでもらうのが長い間大きな楽しみでしたが、これがほんとうに最後の、私が父にしてあげられたことになりました。



今日の題名にしたのは、宮崎駿監督の「名探偵ホームズ」というアニメ作品の劇場版挿入歌で、正直なところ作品の内容にはほとんど合ってないんですけど、いい歌なんですよ。
歌詞のURLを貼り付けたいと思いましたが、マイナーなのか発見できず残念。
題名が示すように恋人との別れを歌った曲ではありますが、けっこう普遍性がある(ような気がする、なんたってカーチェイスの大騒ぎの背後に流れているのであんまりよく聴き取れない)のです。

“今の私にできる 最後のプレゼント”

というところで泣いてしまうんだな。


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