へる(ぷ)の日記
へる(ぷ)



 






もう一度見上げて「好き」と言えれば

もの哀しい風情漂う今宵の月も

少しだけは笑みを返してくれるのかもしれない

流れる雲にさざめく野草

ざわめく虫の音に呼応する夜の無音





流れ落ちる涙の音はハラハラなのに

心裏腹に絶やさぬ笑みはギスギスと

これが人の音ならば

いっそ両耳を潰してあの夜道を走りたい





風の音 虫の音 野草の音

他人の顔色を聞くだけの両耳がなくても

音は静かに変わらず夜を伝える





「今宵 ノ 月 ハ 綺麗 デスヨ」

その一言が聞きたくて

僕はさっき両耳を潰した

焼いた鋏で

両耳を突き潰した





これで僕は自由だ

夜の中で生きる僕は

とっても自由なんだ








2003年09月13日(土)
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