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■ 花。 鉢。 夜。 私。
悲しみを水にして
悲しみを土にして
哀しみを鉢にして
毎夜 嗚咽を聞いて育てられた花が
ふと 気がつけば 枯れていたんです
目まぐるしい日々の流れに押し流され
今日できなかった事を明日に押し付け
気づけば枷が増えて身動きできずにただ毎夜涙を流すだけ
もう歩けないかも
そう何度も思いつめ 膝を抱えたりして
近頃は ただ 夜が早く終わるのを祈ってすごすだけで
そんな 紐無しマリオネットの私を
枯れた花が 鉢の中から
「やっぱり独りで生きられないでしょう?」
と 軽く嘲笑い
茶焦げた両手を差し出して
私を 鉢の中へと呼び戻そうとする
「帰っておいで」
頻りと促されながらも
壁に背をついて 膝を抱えながら
また 夜が早く過ぎるのを祈るだけの
そんな
鉢の外に出た 私。
2002年05月22日(水)
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