へる(ぷ)の日記
へる(ぷ)



 火傷。














無残に焦げた胸の火傷は

痕をつくり無様さを晒しやがては

痛みを伴ない血を流すでしょう

流れ出す血は

業となりて十字架を背負わせ

汚く見える綺麗な空への梯子として

私を一歩一歩遠くへ追いやろうとするでしょう

全てをここから

全てを消そうとして

ここにいさせてくれないのは

この火傷の痕のせいならば

ベットに隠してある鋭利な刃物で

根こそぎ殺ぎ落としましょう

痕も肉も何も残さず

流れ出す血液にも冷淡な一瞥を与え

狂ったように泣き叫びながら

肉と血と痕を

土に投げ捨て掃除して

また新たに痕を

火傷をしましょう

この眼が火傷を知ってしまったから

この耳が火傷を知ってしまったから

この体が火傷を知ってしまったから





さぁ

雨雫も染みない

黒ずんだ激しい火傷痕を

この身に刻みましょう
















2002年05月20日(月)
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