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■ 火傷。
無残に焦げた胸の火傷は
痕をつくり無様さを晒しやがては
痛みを伴ない血を流すでしょう
流れ出す血は
業となりて十字架を背負わせ
汚く見える綺麗な空への梯子として
私を一歩一歩遠くへ追いやろうとするでしょう
全てをここから
全てを消そうとして
ここにいさせてくれないのは
この火傷の痕のせいならば
ベットに隠してある鋭利な刃物で
根こそぎ殺ぎ落としましょう
痕も肉も何も残さず
流れ出す血液にも冷淡な一瞥を与え
狂ったように泣き叫びながら
肉と血と痕を
土に投げ捨て掃除して
また新たに痕を
火傷をしましょう
この眼が火傷を知ってしまったから
この耳が火傷を知ってしまったから
この体が火傷を知ってしまったから
さぁ
雨雫も染みない
黒ずんだ激しい火傷痕を
この身に刻みましょう
2002年05月20日(月)
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