メーコの芋ちゃん日記

2003年04月17日(木) 〜アメリカはキライだ〜


もう既にご存知の方も多いと思うが、メーコは昨年の11月、結婚をしてフロリダ州のオーランドへと引っ越した。
このメーコと「結婚しよう」などと考えるキトクな男性は、世界広しと言えどそうそういるワケもなく、メーコにしてみれば「ダーリンが冷静にならないうちに何とかしてしまおう」、と目論んでいたことは言うまでもないのだが、実は唯一つ、メーコの頭を悩ますジューダイな問題があったのだ。
何を隠そうダーリンは、「さしずめ太郎」のパパと「富山の薬売り」のママとの間に生まれた(←詳しくは、「身内は悪魔だ」編をご参照くらはい)紛れもない日本人でありながら、「アメリカ国籍」を持つアメリカ人であり、彼と結婚する=アメリカで暮らすことを意味するのである。 そして、これは一部の人にしか知られていない事実なのだが、実を言うと、メーコはアメリカがとぉ〜ってもキライなのだぁ。
大した歴史もないくせに、自分たちの国が世界で一番偉いかのように振る舞い、大袋のポテトチップスと1リットルのコーラを平らげながら、ビタミン剤を飲んでダイエットをするようなバカげたことをし、ハンバーガーとフライドチキンと冷凍食品を食べて喜んでいるような国を、メーコはどー逆立ちしても好きになれない。 仕事や遊びで行くなら何の問題も無いのだが、「住む」となったら大問題。 しかも、「いつかは日本に帰る」駐在員生活ではなく、ずぅ〜っとずぅ〜っとアメリカで暮らしていくことを前提とした「永住生活」をしなくてはならないということは、メーコにとって本当に本当〜にジューダイな問題だったのであ〜る。

・・・とは言うものの、このチャンスを逃したら、この先いつ、こぉ〜んなキトクな男性と巡り会えるか分かったモンではない。 それに、「世界を股にかける」メーコからしてみたら、いくら遠いオーランドだって、「近いモンさ!」と思えるのではないだろか。 各航空会社のマイレージも溜まっているし、日本が恋しくなったらいつでも遊びに帰ればいーのだ。 そのついでに、仕事をして小遣いを稼ぐことだってできるワケだし、隣り近所に遊びに行くような感覚で、日本とアメリカを行き来できるではないか。 「ちょっと、お刺身食べに帰ってくるね」な〜んて言っちゃったりして、いや〜ん、カッコよすぎるじゃーん。
・・・などと、ノー天気なメーコは思い、誰が何処から見ても「いつもの添乗に出かけてく」としか思えない状態で日本を後にした。

が、これがアマかった。
入国後、「アメリカ国民との婚姻による配偶者への永住権」を申請したメーコは、移民局からの渡航許可が下りない限り、アメリカ国外には出ることのできない身となってしまった。 しかも、これまた移民局からの労働許可が下りない限りアルバイトすらすることもできず、正に「究極の座敷ブタ」状態で、である。
「どーせスグ帰ってくるからさぁ」などと気楽に考え、当面の荷物しか持ってこなかったメーコはどエラク困った。そして、「だからアメリカは嫌いなんだよ」と、ますますアメリカへの嫌悪感を強めそうになったが、それは単なる腹いせだということに気づいたので素直にガマンすることにした。 ・・・自分で言うのもナンだが、ここ1、2年のメーコの成長ぶりは、目を見張る素晴らしさなのであ〜る。えっへん!
それに、実際問題、永住権しか持たない日本人と結婚した場合と比べたら、労働許可を始めとする諸々の許可が下りるまでの時間は極端に短い。 特にメーコの場合は弁護士を通したこともあって、労働許可及び渡航許可が下りるまでの時間は、「長くても3ヶ月」と言われたので、これまたノー天気なメーコは、「3ヶ月だったら大したことないし、どーせ仕事もできないんだからその間遊びまくりじゃんよ〜!!」などとウハウハ喜んでいた。

・・・が、これまた現実はキビシかったのだ。
いくらオーランドが世界に名立たる「テーマパーク王国」とは言え、毎回40ドルも50ドルもする入場料を払って、毎日一人で遊びに行かれるワケもない。 かと言って、「それじゃーウィンドウショッピングでも」などと思ったところで、飛行機使ってニューヨークにでも行かない限り、歩いて買い物ができる場所なんざーありゃしない。 仕方がないので近所のスーパーをウロついたりしてみたものの、目にするモノは日用品から食料品まで全て「デカけりゃ〜いい」といった類のものばかり。 気晴らしに外食しに行ったって、出てくるものは量だけバカ多くてクソまずいもののオンパレード。 ・・・そう。 だからメーコはアメリカがキライなのだ。 二本の足があるのだから、車を使わなくたって買い物に行かれる街づくりをすればいーではないか。牛乳1本買いに行くのに車で出かけておきながら、高いカネを払ってスポーツジムに通うバカがどこにいる?? クソでかいスーパーばっかり作って何でもかんでも1つの店に置かないで、八百屋さんや魚屋さんを作ればいーではないか。 カルシウムの錠剤を呑むんだったら、イワシの丸干し食ってみろ、っちゅーの。 だからみんな、あんなにデブになるんだぞー。 ・・・イヤだ。 メーコは絶対にイヤだー! やっぱりこんな国には住みたくなぁ〜いっっっ!!!

・・・と、入国後1ヶ月にして早くも「ジャパン・シック」にかかり、口を開けばうわごとのように「電車に乗って歩いて買い物がしたい」だの、「お頭つきの魚と新鮮な野菜が食べたい」だのと呟いてダーリンを困らせていたメーコではあったが、大切なことを一つ見逃していた。
自分自身が、雑草よりも逞しく、バクテリアよりも変幻自在に環境に順応していけるセーカクだったということを。

入国後丸3ヶ月が過ぎ、スーパーの割引クーポンを使って大袋のポテトチップスを買いだめし、1リットルボトルの炭酸飲料片手にハンバーガーとフライドチキンをパクつき、アパートの敷地内にある郵便受けにすら車で行くようになり、そのため日本から持ってきたGパンが入らなくなってゴム付きパンツを愛着するようになってしまったメーコの姿は、どこから見ても「紛れもないアメリカ人」になってしまったのであ〜る・・・・。
そして、かつては世界を軽く跨いでいた輝かしいマタも、食べ過ぎと運動不足により何処にあるのか分からなくなるほど短くなってしまった・・・。

そんな折、待ちに待った移民局からの労働許可交付の手紙が届いた。
が、こんな姿になってしまっては日本に帰れんではないか。
・・・だからアメリカはキライなのだ・・・。
そう呟きながら、メーコは明日、スポーツジムに入会申し込みに行こうと思うのであった。

メーコの下半身に、輝かしいマタが復活する日は来るのだろうか・・・? 乞うご期待!




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