極爆の生活記録。
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2000年01月07日(金) 極爆戯言その3

久々の戯言。
独り、夜中にコンビニでバイトしてると、
こんなつまらん事を考えてしまうものなのだ。
まあ、夜中に来る客なんて、殆どが泥酔客。
店員がブツブツ何か呟いていても気にはせんだろ。

戯れの3「アリとキリギリス」

皆も良く知っているであろう、
有名なイソップ童話の一つ、「蟻とキリギリス」
越冬の準備をコツコツ進めている蟻を尻目に、
ひたすらに遊び続けていたキリギリス。
しかし、不真面目生活を続けていたキリギリスには、
当然の如く冬を越えられない訳で。
食料も、燃料の備蓄すらも無い彼は窮地に立たされる。
さて、ここからが問題である。
イソップ童話の本筋では、このキリギリス、
無情というか、当然というか、死んでしまう。
蟻が今までの備蓄を使い、のうのうと生き延びている横で、
彼は助けも奇跡も無いまま、あっけなく死亡してしまうのである。
まったく素晴しい童話だ。この物語のテーマは「働かん奴は死ね」
ストレート。鼻水垂らした子供にも、理解できる世の理というヤツである。
ここまでは問題無い。
だが、この童話。
何処でどうなったのか、何故か結末が変更されてしまう。
死んでしまうのが可哀想だとでも思ったのか、
死というモノが子供向けで無いと思ったのか、
キリギリス、蟻に助けられてしまうのである。
この結末の変化が何時、何処で起こったのかは極爆には判らないが、
とにかく、この要らぬ情けにより、
この物語に大変革が起こる事となる。
「物語のテーマの変更」である。
とりあえず、キリギリス氏が生き延びた事により、
「働かん奴は死ね」の論理は崩れ去る。死んでないんだから。
という事で、主題はこうなる。
「働かなくても何とかなる」
生活保護を受けるとか、それ以前に実家に寄生とか、
まあ、何とかなってしまう。
なんと現代にマッチしたテーマである事か。
今の時代、キリギリスでも生きていける世界になってしまった訳だ。
本来、自立をテーマにしていたこの物語が
本当に困ったらならば、
誰かの同情を買っていれば生き延びれる。という、
何とも上手い、世の渡り方を教える教科書になってしまったのである。
まあ、実際、体面とかそういうものを無視すれば、
この世は生きていける世界なんだろうなあ、とは思うが…
なんだかなあ。
死によって子供が受けるショックより、むしろ、
この「キリギリス精神」を育んだ子供達が世にでる事の方が不安である。
情けによって生まれた、新「蟻とキリギリス」
「全てを捨てれば生き延びる。それが嫌なら死んじまえ」
という声が聴こえてきそうな、
何とも世の中を反映した、世知辛い、滑稽な物語への進化である。


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