せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2008年11月10日(月) |
岡崎藝術座「リズム三兄妹」 |
西田夏奈子さん出演の岡崎藝術座「リズム三兄妹」を見に、駒場アゴラ劇場へ。 客席に入ったところで、加藤記生ちゃんと田辺愛美ちゃんにばったり。おとなりで観劇。 岡崎藝術座は、前回の上野広小路亭での公演を見ただけ。今回も、にしやんが、国民的歌手「巣恋歌(すごいうた)」を演じて、バイオリンの演奏&歌も歌っちゃうということだけを頼りに。 初めの三十数分は、延々と無言のシーンがつづき、それから、トイレと入浴の場面が舞台上で。 「ソファを演じます」と言ってずっと動かないでソファになっている役者さんの存在がなかったら、もう耐えられないぎりぎりのところまで連れていかれた気分。 そのぎりぎりで、巣恋歌が登場して、あとはもう一気に、リズムに乗っけられたよう。 リズムに敏感なリズム三兄妹と、最近リズムが少しずれてしまう巣恋歌、それに、俳優の坂田さんが好きでたまらない三兄妹の末っ子、夢子の友人のお話が、なんだかむちゃくちゃな身体能力の高さで繰り広げられる。 前回の上野でも思ったことだけれど、誰に向けての演技なのかということを、すごくていねいに考えていると思う。 「三月の5日間」を寄席芸人たちが観客に語るというスタイルで演じた前作は、語る相手をしっかり意識した上で、それを外し、また積み上げるということを繰り返していたと思う。 今回も、ラストの恋が成就した坂田さんとファンのセックスのような「とんでもない動き」の後、客席に向かって「ほらね」とでも言ったような夢子の表情で芝居は終わる。 終演後、物語を見たという感慨はないのだけれど、しっかりしたパフォーマンス、それも身体の表現に特化したものを見たという、満腹感と高揚感があった。すごいねえ・・・と記生ちゃん、愛美ちゃんと言い合った。 にしやんのバイオリンと歌も、他の俳優のリズムをとる身体に負けない表現で拮抗していたと思う。 受付で販売していた、巣恋歌のCDを購入する。 にしやんに挨拶して、来年の夏の舞台のことをあれこれ話す。 それと12月3日の歌謡ショーのことなども。 にしやんもやたらなハイテンションでどうしたの?と聞いたら、「これで終わったから」とのこと。芝居が終わった後というよりは、マラソンとか体操とかのやっぱり体を使ったことを思い切りやったあとのような、高揚感がここにも。
家に着いて、1月の新作「ジェラシー」がらみのやりとりをいくつか。 出演をお願いしていた、藤あゆみさんから、出ていただけるとお返事をいただいた。 これで、10人のキャストが全員決定だ。 藤さんは、劇団劇作家の劇読みでご一緒しているベテランの女優さん。 昨年のvol.1で相馬杜宇さんの「在り処」を演出させてもらった。 ほんとに個性豊かな、幅広い層のキャストが集まった「ジェラシー」、ますます楽しみになった。
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劇団フライングステージ第33回公演「ジェラシー 夢の虜」「ミッシング・ハーフ」
一昨年、サンモールスタジオ最優秀作品賞、最優秀女優賞(関根信一)を受賞した「ミッシング・ハーフ」と新作の2本を同じ装置で上演します。
日程:2009年1月24日(土)〜2月1日(日) 会場:下北沢 駅前劇場 作・演出:関根信一 出演:(50音順)
「ジェラシー 夢の虜」 石関 準(フライングステージ) 遠藤祐生 岡田梨那 加藤裕(クロカミショウネン18) 岸本啓孝(フライングステージ) 日下部そう(ポかリン記憶舎) 相楽満子(青年劇場) 関根信一(フライングステージ) 高山奈央子(KAKUTA) 藤あゆみ
「ミッシング・ハーフ」 日下部そう(ポかリン記憶舎) 関根信一(フライングステージ) 大門伍朗
1940年の上海が舞台の「ミッシング・ハーフ」 「ジェラシー 恋の虜」は1932年の上海が舞台 男装の麗人として名高い川島芳子と 「ミッシング・ハーフ」のヒロイン、女装の川野万里江 川島芳子の物語を描く作家の不思議な共同生活の物語 >>
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