せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2008年10月05日(日) |
KAKUTA「スターマン」 「ラ・マレア横浜」 |
午後、青山円形劇場に、KAKUTA公演「スターマン」を見に行く。 「狂人教育」でご一緒した馬場恒行さん、そして、来年の新作でご一緒する高山奈央子さんが出演。 キャンプ場を舞台にしたお話。 タイトルの「スターマン」が、デビッド・ボーイの曲のタイトルだと、見ている途中で気がつき(そういう話が登場するので)、急になつかしく身近な芝居に思えてくる。 舞台になっているキャンプ場も、なんどかでかけた奥多摩の氷川キャンプ場にイメージが重なってくる。 軽やかに切ない、とてもいい芝居。 理由のわからない涙が自然と流れてくる。 終演後、馬場さん、高山さんにご挨拶して、失礼する。
夜は、横浜まで行き、吉田町で開催されている「ラ・マレア横浜」を見る。 野外劇というか路上劇。 関内駅近くの吉田町の通りの両側で9本の演劇が上演されている。 一本約10分。終了すると照明が消えて、2分間でリセット。また開演という繰り返し。 芝居は基本的にセリフがなく、人物の思いはプロジェクターで言葉になって映写されている。 降り出した雨がどんどんはげしくなったので、1本見た後で駅の近くまで戻り、ユニクロで傘を買う。 となりの古着屋で目についた紫の着物を衝動買い。 雨の中、荷物を抱えて、また路上で観劇。 バーや、本屋や、また誰かの部屋や、パーティが行われている部屋のベランダや、文字通りの路上や、目の前で演じられる場面と、実際のこの街のふんいきの微妙な温度差が楽しい。 元々はアルゼンチンで初演されたものが、この横浜を舞台にした設定にアダプトされているのだけれど、描かれている人物に「日本人じゃないよなあ」と思える部分がいろいろあって、不思議な異国情緒のようなものをかえって強くかんじた。 俳優さんたちは、男性も女性もなんだか似たイメージのキャラクターが多かった印象。 演出プランなのか、演出家の好みなのか。 腹筋を続ける男性、バーに一人いる初老の男性、部屋で恋人からの電話を待ちづける眠らない女性、書店で恋心に揺れる男性。 道ですれちがっただけの人にも、その人だけのドラマがある。 そんなことを考えさせられた観劇体験だった。
一昨日、出演のお願いをした、クロカミショウネン18の加藤裕さんから連絡をもらう。 新作に出演していただけることになった。 とてもうれしい。 役のイメージがどんどん具体的になる。 稽古開始がますます楽しみになった。
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