せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2008年06月22日(日) 取り憑く芝居

 ハイバイ「て」を見に行く(下北沢駅前劇場)。
 おばあちゃんの葬式から始まる、家族の物語。
 葬式と、祖母の生前に家族が集まった日が交互に描かれる。
 いるいるこういう人という人物が、そのまんまそこにいる。
 芝居じゃないような、そんなたたずまいを大事にする芝居というか。
 人物にとっても共感する部分と、いやだなあと思う部分も交互に。
 おおよその芝居は、人物はまず普通にしゃべることが前提になっている(無自覚に)と思うけれど、今日の舞台では、人物は何を話しているのかよくわからない。
 でも、その話しぷりは、あきらかに、僕の記憶にあるいろいろな人(父や母)だったりする。
 そのわからなさを含めて、人物は謎をいっぱい抱えたまま、そこにいる。
 セリフで伝えるということよりも、たたずまいまるごとが何かになるというのは、いっそ映像に近いのかもしれない。
 「現代口語演劇」というもののおもしろさと不思議さに、ひさしぶりに触れたような気持ち。
 ああ、おもしろかった!とすっきり席を立つことができないたちの芝居に久しぶりに出会う。
 「取り憑く芝居」なんだろうと思う。
 帰りの電車でも、いろんなことをずっと考えてしまう。
 案内をくれた三好さんに感謝!


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