せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2008年06月10日(火) ツバメと芸談

 衣替えで出したまま今年一度も来ていない半袖のシャツを着て出かける。
 風が気持ちいい。
 仕事場の近くで、ベビーカーに赤ちゃんを乗せた茶髪のカップルが、マンションの入り口を見上げていた。
 と僕の頭をかすめてツバメが飛んでいった。
 二人の視線の先には、ツバメの巣とそこから顔を出している4羽のヒナがいた。
 なんだかほっかりとした気持ちになる。
 昨日の夜中、NHKの「プロフェッショナル」に坂東玉三郎が出演していた。これまでの未放送部分ということで、英国ロイヤルバレエのプリンシパル吉田都も。
 とても具体的な芸談がとてもおもしろい。女として立つにはどうするかなどなど。
 その勢いで、芸談が読みたくなり、今日は一日、歌舞伎の芸談を持ち歩いて読んでいた。
 「ミッシング・ハーフ」に登場させてもらった歌舞伎俳優、四世沢村源之助の「青岳夜話」、五世尾上菊五郎の「菊五郎自伝」。
 明治の俳優の日常と芝居のつくりかたが見えてくる。黙阿弥の諸作品の初演時のことや、衣装やかつら、そして芝居の工夫。
 何度も見て知っている舞台の場面が、こんなふうにして生まれたんだというのがわかって、とてもおもしろい。
 古典も初めは新作で、まっさらなところから作り上げていった人たちがいるんだ。当たり前のことなんだけどね。
 


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