せきねしんいちの観劇&稽古日記
Diary INDEX|past|will
6月に出演する、ショウデザイン舎の「襤褸と宝石」の顔合わせにシアターΧまで。 加藤道夫の最後の作品を、山本健翔さんが演出する。 主演は、ANZAさんと別所ユージさん。 出演とともに美術も担当している三谷昇さんが、装置の模型を机の上に並べていた。 そのまっすぐな、そして、何より、芝居を楽しんでいるその姿に感動する。 はるか昔、演劇集団円の養成所にいたとき、「赤ずきんちゃんの森の狼たちのクリスマス」という舞台が、アトリエで上演された。 そのゲネプロの直前、森番の役で出演していた三谷さんが、衣装のまま、舞台の床面に葉っぱを一枚一枚書いている姿を見た。 その時のことをまざまざと思い出した。 あれから20年経っても、同じ情熱とひたむきさで舞台に向かっている三谷さんは、なんて素敵なんだろう。 ご一緒するのはもちろん初めて。 いい芝居になりそうな予感がいっぱい。 一度、読み合わせをして、今日はおしまい。 僕の役は劇場の支配人。「狂人教育」の祖母とは全然違う。2つの人物が自分の中にいる不思議な気持ち。 その後、劇団の倉庫で衣装とかつらをピックアップ。 必要なものを持って、外に出たら、まみぃとばったり。 「新・こころ」の着物を片付けに着たのだそう。 それにしても、こんなふうに会うなんて。 舞台の本番が近くなると、こんなふうに誰かとばったり会うことが多くなるのはなんでだろう? 昨日も、去年の「劇読み!」でご一緒した遠藤さんと駅で会ったんだった。 初日がもう近いんだなあと実感する、不思議な感覚。
「狂人教育」の稽古。 持って行ったかつらが大丈夫ということでほっとする。 衣装、メークありで、通してみる。 通しの途中で、ふと気がつく。 この頃の僕は、「正しくやろう」としてばかりで、その瞬間、瞬間を楽しむことを忘れてるんじゃないだろうか。 場面を終えて、稽古場の隅で息を整えている短い時間に、そんなことを思って、愕然とする。 この数日、僕は何をしてたんだろうかと。 その後の場面は、とにかくその場でちゃんと生きることを考える、もとい、生きてみようとしてみた。 昨日までのもやもやした気持ちがうそのような、楽しい時間が僕の体を通りすぎていった。 そうだよ、こうじゃなきゃいけないんだ。 丸尾丸さんには、「かつらをつけて、盛り上がってたね」と言ってもらう。 うん、それもあったかもしれない。 体はへとへとだけれど、だいじょうぶ、楽しんでやれる。 自信を取り戻した。
|