せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2007年06月03日(日) |
劇団劇作家「劇読み vol.1」千穐楽2 |
「親シラズ」は11時半の開演。10時過ぎに劇場入りして、出演の伊藤さん、泉川さんとウォームアップをする。 朝いちの身体は、やっぱりなかなか起きない。しりとりをしたり、歩きながら順番に数を数えたり。できないことをチェックして、できるようになった変化を確認する。奇数より、偶数の方が数えやすいねとか。 開演した舞台は、初日よりも客席の反応がよくてびっくり。さもない親子の会話が当たりまえのように成り立っていて、リーディングだからと構えることもなく、すんなり芝居の中に入っていけたからだと思う。 開演前にお願いした、初日よりも、少しだけ観客を意識してみようということ、つまりは声をしっかり出してみようというダメもきれいに通って、とても気持ちよく、そしておもしろく見ることができた。 続く「白狐」は初日を拝見してるのと、満員御礼とのことで失礼して、続いては「佳子のさくら」。 数日ぶりの青木さん、菅野さん、児玉さんと最後の確認をあれこれ。この回も満員で、僕は最前列の桟敷で作者の佐藤さんと一緒に観劇。 児玉さんが、最初の語りで「作、佐藤喜久子」の後に、「演出、関根信一」と入れてくださっていた。びっくりしたのと同時に、あたたかな気遣いがとてもうれしい。 ドビュッシーのピアノ「夢」に乗って、万里子(青木さん)が座った車椅子を押して安子(菅野さん)が登場。開演前、青木さんに「登場の時、目をつぶってた方がいいかしら」と聞かれた。目をつぶって車椅子に乗るのは、気分が悪くなるかもしれないので、開けててだいじょうぶですよと答えた。 本編は、初日よりはややテンポよく、きちんきちんと運んでいった印象。それでも、二人が語る様々なものの色が今日も目に浮かぶようなリーディングだった。椿の葉の濃い緑、蝋梅の黄色、小さな詫助の花、夜の闇、そして桜の花。児玉さんの語る、音も聞こえてくるよう。水の音、靴音、そして沈黙まで。ベテランの女優さん二人が演ずる年老いた女性たちが、いつのまにか楽しげにおしゃべりする少女のように見えてくる。不思議な芝居。 ドビュッシーの「月の光」が流れ出して、この芝居が閉じていく。車椅子から立ち上がった青木さんの少しだけ微笑んだ表情を残して暗転。おつかれさまでした。 最後の舞台は、「円山町幻花」。稽古もリハーサルも見ていない舞台。演出は作者の三井さん。どんなだろうとわくわく。 渋谷円山町を舞台に東電OL殺人事件をモチーフにした作品。 今回の8本の作品の中で一番「男度」が高い気がする。演じている俳優さんたちも生々しい男と女だなあという気がする。 この作品を健翔さんが演出したらどうなるんだろう、僕だったらどうするんだろうと考えながら見つめる。 僕の担当する作品に出演の俳優さんたちが、ここでもまた全然違う顔を見せてくれている。 そして、終演、8本のリーディング公演×2、16回のステージは終了した。 終演後、スタッフのみなさんをお手伝いして、打ち上げの会場へ。 びっくりするほどの大人数の打ち上げ。みんな笑顔だ。 何度かの乾杯のあと、演出からの挨拶ということで健翔さんと僕から一言ずつ。 作家のみなさん、俳優のみなさん、そして現場のスタッフのみなさんが、今みんな笑顔でいることがとてもうれしいです。この公演がこうして無事にというか大成功で終わったということは、この企画自体が一つ「化けた」ということだと思います。声をかけていただいてほんとうに感謝です。お疲れ様でした! 「親シラズ」の伊藤さん、泉川さん、「在り処」の藤さんと同じテーブルでおしゃべり。「親シラズ」は、さもない話なのにとっても暖かい、まるで街のお肉やさんのおいしいコロッケのような芝居だと思うと話す。 その後は、「佳子のさくら」の青木さんともおしゃべり。芝居のことあれこれ。菊田一夫のことやらなにやら、芝居好きにはたまらない話をいろいろ。 ミラクルのオーナーの金さんが、今回の8作品の中からベストを選んで表彰する「ミラクル賞」の発表があった。 受賞したのは「在り処」。やった! 作者の相馬くんやキャストのみなさんと大喜びする。 一次会のお開きでお先に失礼することにする。最後に、僕が担当した4本の作品の作者、相馬くん、佐藤さん、福山さん、錦織さんと挨拶! 帰りの電車の中で、じーんと幸せな気持ちになる。しあわせだなあと思うのではなく、身体がよろこんでいるようなそんな感覚に気がつく。 たくさんの人と知り合えて、いろいろなことを発見させてもらった。 みなさん、どうもお疲れ様でした。そして、どうもありがとうございました。 僕は、これから、来週から始まる「サロン」の稽古に向かってまっしぐら。
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