せきねしんいちの観劇&稽古日記
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急遽、お願いして「親シラズ」の稽古をさせてもらう。@青年劇場の稽古場。 前回の稽古のまま、初日を迎えるのは申し訳なかった。心細そうな二人の顔が頭を離れなかったので。 今日は、客席に伝えることよりなにより、舞台にいる二人がちゃんとやりとりできるようにしてほしいとお願いする。 そのためのエクササイズをいろいろ。 作者の福山さんをまじえて、四人で(僕も入れて)、しりとりをしたり、歩き回ったり、誰にしゃべっているのか、身体を自由にするにはどうしたらいいかというのを、頭で考えるのではなく、あ、こういうことなんだと腑に落ちるようなやりかたで確認していく。 初めのうちはなかなかできなかったことがさらっとできるようになって、台本に向かう。 初めから全体をイメージして何かをやろうとするのではなく、その都度その都度のやりとりを正直に積み上げていってほしいと話す。 そうしてできた場面は、とてもコンパクトであっさりしていて、でも、今までで一番この話がよくわかった。 びっくりする。 情報たくさんの戯曲の情報をどう伝えるかではなく、そのことをさもないおしゃべりの中で共有していく親子の姿があるだけで、こんなにおもしろくなるんだと、みんなでおどろく(僕も含めて)。 手強く、重たく思えていたこの戯曲が、とても軽やかなかわいらしいものに思えてくる。 そして、娘の知らない過去をたくさん抱えた母親のなぞめいた大きさと色っぽさ、本人は気づいていないのに父親そっくりな娘の姿、初めて見えたことがいくつもある。 どうなるんだろうと思って始まった今日の稽古。終わる頃にはとてもしあわせな気持ちになっていた。 これで大丈夫。僕の担当する4本の舞台はきっといい初日を迎えられるだろう。すべては初日が開いてからなのだけれど、まずは、おだやかな気持ちでいられる今に感謝。
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