せきねしんいちの観劇&稽古日記
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寝坊してしまい、あたふたと家を出る。 富士見丘小学校卒業式。 10時開始の式にぎりぎり間に合った。体育館の手前にはすでに六年生が整列していて、ばたばたと走っていったら、「関根さーん!」と手を振ってくれる。今日のみんなは、きりっとしたブレザー姿。またいちだんと大人びて見える。 体育館の中、来賓席の篠原さん、健翔さんのとなりに座る。 今年で三度目の卒業式だ。今年もまたいっぱい泣かされてしまう。 校長先生のお話では、篠原さんの去年の舞台「ギフト」の話が登場。 ギフトとは、プレゼントという意味だけではなく、天からさずかった才能だということ。そんな才能や、夢を、大切に生きていってくださいと。 卒業証書の授与。今年は、名前を呼ばれた子供達が壇上で一人一人、一言挨拶をする。将来の夢だったり、今の気持ちだったり。 こんなのはじめてだ。ただ、証書を渡す時間だと思っていたので、びっくりする。 最初に呼ばれた1組のアマノメくんから、一番最後2組のヨシナガさんまで、誰もがきっちり自分の言葉で、自分の気持ちを語ってくれた。広い体育館全体に届く、いい声で。 一年間の演劇授業の最後に、これがあるような気がしてとてもうれしい。もっと言わせてもらえば、三年間の授業のおしまいが、このスピーチなのだなあと思った。 一昨年の六年生は、最後の発表会で、即興で今の気持ちを話す、というのをやった。みんなよくできていたけど、それでも、うまく伝えられなかったり、話すことにためらいがあったりという場面も生まれた。 あれからちょうど二年。富士見丘小学校が通年で行ってきた、対話、会話の授業と、演劇授業、その結果が、今日の彼らの堂々としたスピーチになったのだと思う。 このスタイルは、小学校の卒業式としてはままあるかたちなのだそうだけれど、富士見丘小学校でははじめてとのことだ。 演劇授業についてしゃべってくれた人も何人かいた。俳優になりたいと思うと言ってくれた人、演劇授業で学んだことをこれからも生かしていきたいと言ってくれた人。ありがとう。 その後、卒業の言葉。六年生が六年間の思い出や今の気持ちを全員で語る。その間に、「光速マシーンに乗って」の劇中歌2曲も歌われた。この曲を聞くのも、今日が最後だと思うとまた泣けてきた。 式のあと、特活室にいる卒業生に、篠原さん、健翔さんと挨拶する。 こうやってここで彼らと向き合うのは何度目だろう。でも、今日が最後。 「卒業式は今年が三度目で、僕は泣き虫なので毎年泣いてしまうんですが、今年はじめて、なんで涙が出るのかわかったような気がします。一緒に舞台をつくった『仲間』とさよならするのが、さびしいんだとわかりました。いい思い出をたくさん、ほんとうにありがとう。みんなには、夢も希望も、思い出も、仲間もいます。これからも元気で生きていってください。ありがとう!」。僕は、こんなことを話した。 その後、校庭で卒業生を見送る。五年生がつくったアーチをくぐって、歩いていく彼らを拍手で送り出す。 その後、子供達、保護者のみなさん、先生方と、わいわい写真に撮られる。 帰り際の昇降口で聞いた話。昇降口には、「光速マシーンに乗って」に登場した11体の犬の操り人形が天井から吊られ飾られている。 その中の一匹、犬のチョコを見た一年生が「どこを押すと鳴くの?」と聞いたそうだ。チョコの声は、ルイちゃんの担当。ほんとうに犬が鳴いてるようないい演技だった。その子は、チョコと歩ちゃんの場面にとっても感動したんだって。すごいね、ルイちゃん。歩役のスギヤマさんも、チョコの操りのイイダさんも。よかったね! 春は今日から始まったというようなあたたかい日。校庭の早咲きの桜の濃いピンクやこぶしの花の白が青い空にはえてきれいだった。 みんな、卒業おめでとう!
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