せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2006年06月03日(土) 「罠の狼」2日目

 マチネ。どうも腹の具合が悪い。冷房がきいてしまってるんだろうか? 何度もトイレに行ってしまう。緊張してるんだろうか? こんなの初めてだ。
 開演前、僕は舞台の壁をずっとなでている。劇場の壁にもたれたり抱きついたりしていると、劇中で僕が別れた男の思い出に触れているような気がして、その冷たさと、人じゃないとか、もういないとか、これはただの壁じゃないかと思うたびに、今回の澤渡くんに近づいていけるような気分。マイズナーでならったことの拡大解釈、僕なりのプリパレーション。
 本番は、いいかんじで舞台の上で生きていくことができた。あ、できてると思っておだつこともなく、ただ思うまましゃべり、その場にいることが。
 ただ、ラスト近く、ずっと首にかかってなければいけない首つりのビニールヒモがとれてしまった。稽古場でも一度もなかったアクシデント。拾ってかけなおすことは絶対に無理で、どうしようかと思う。清木場さんは、手に取るし、津崎くんには最後に外してもらわないといけないのに。
 どうぞ傷跡をなでて!と清木場さんに、どうぞあることにして外して!と津崎くんに「念」を送る。気持ちが届きますよう。
 と、二人とも、ないことがあたりまえのように芝居をつづけてくれる。感謝。
 床に落ちっぱなしのヒモをラストのタブローに向けての片づけの最中、なるちえがこれまたあたりまえのように拾っていってくれる。感謝!
 と、彼女がスプーンを一本、カタリと音をさせて落としていったので、「ご恩返し」のつもりで足元にそーっと引き寄せて隠した。やった!と思ったら、なるちえは、下手からもう一回出てきて、僕の足元からスプーンを拾い上げて片付けていった。余計なことしたなあと反省。
 終演後、楽屋でひといき。
 澤唯くんからの差し入れをみんなでおいしくいただく。
 ソワレ。ラストシーン、向き合って立った清木場さんがほろほろっと涙を流して、びっくりしてしまう。その後の僕の気持ちもそれを受けてのものになった。いつもとおおすじは変わらないけど、とっても納得。
 終演後、中日乾杯。差し入れのラム、ロンサカパをおいしくいただく。ラムはやっぱり油断がならない。どんなふうに帰ったか、すぐには思い出せないくらい、よっぱらって帰ってきた。


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