せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2006年05月12日(金) 「ブロークバックマウンテン」

 朝、起きたら、鼻の奥がむずむずする。あれ、鼻血かな?と思い、鼻をかんだら、血じゃなくて、黄色い液体がさらーっと出てきた。しかも大量に。びっくりする。痛みもないので、ただただ不思議。寝ている間にたまった鼻水が出たのかな? とりあえず覚えておくためにメモ。
 北千住の駅の常磐線のホームで鳩が死んでいた。どうしてだろう?何かが絡まったりしてるのかなと近寄ってみたけどよくわからない。きっちり目を閉じて、足を縮めて死んでいる。

 仕事の帰り、「ブロークバックマウンテン」を見に行く。ずいぶん前にチケットを買って、そのうちに行こうと思いながら、今日を逃すともう見れないかもという日になってしまった。
 こんな映画です。(以下、サイトからの引用)
 「グリーン・デスティニー」「ハルク」のアン・リー監督がワイオミング州ブロークバック・マウンテンの雄大な風景をバックに綴る、2人のカウボーイの20年にわたる秘められた禁断の愛の物語。原作はアニー・プルーの同名短編。主演は「ブラザーズ・グリム」のヒース・レジャーと「デイ・アフター・トゥモロー」のジェイク・ギレンホール。男同士の純愛というセンシティブなテーマにもかかわらず2005年度の映画賞レースを席巻した感動作。

 1963年、ワイオミング。ブロークバック・マウンテンの農牧場に季節労働者として雇われ、運命の出逢いを果たした2人の青年、イニスとジャック。彼らは山でキャンプをしながら羊の放牧の管理を任される。寡黙なイニスと天衣無縫なジャック。対照的な2人は大自然の中で一緒の時間を過ごすうちに深い友情を築いていく。そしていつしか2人の感情は、彼ら自身気づかぬうちに、友情を超えたものへと変わっていくのだったが…。


 見た人の感想はいろいろ聞いていたので、そんなに期待せず。冒頭の山の景色もきれいねえと思いながら、それほど引き込まれることもなく、わあ、羊がいっぱいだ!と思って見ていた。
 イニスとジャックの出会いと最初に結ばれるまでの流れもふんふんと見守る。そんな早急なエッチってありかな?なんだかボーイズラブにありがちな唐突なインサートだわ、ありえない!などと思いながら。
 そんなふうに、ややひいたかんじで見ていたのだけれど、ある場面からくぎづけに。山から下りた二人が別れる場面、ジャックは車に乗って走っていき、バックミラー越しに歩いているイニスを見てる。イニスは、ジャックの車が見えなくなると、道をそれて、路地の壁にもたれて号泣する。とんでもないいきおいで。通りがかった男が不審に思うくらい。僕は、この「恋に落ちてしまった」かんじにやられてしまった。
 男と寝てしまったことを後悔して泣いてるんじゃなく、別れるのがつらくて、もちろんもっともっと複雑な思いがあって、泣きくずれてる。その姿の圧倒的だったこと。
 その後の展開にも、男どうしの恋愛なのに、それぞれの妻とのやりとりが多くないかしら?とか、どうして後半に行くほど、二人が抱き合ったりする場面が少なくなっちゃうの?とか、不思議(不満?)に思うことはあったものの、僕はすっかりこの映画に感動させられてしまった。
 1980年までを描いているわけだから、当然、サンフランシスコやニューヨークでは、ゲイ・ムーブメントが動きだしているはず。それでも、このワイオミングの田舎を舞台にした物語では、男同士の恋愛が全く禁じられたものとしてしか想像されない。
 妻も子もいながら、男の恋人との関係を続けるというお話が、これほどピュアな印象を与えていることに、僕は作り手の力量を感じる。決して、美化するのではなく、うまくバランスをとりながら、どうしようもなかった二人の二〇年を描くことに成功していると思う。
 冒頭の号泣の場面から、ヒース・レジャーの芝居には拍手だ。僕が、あの手のルックスに弱いというのもあるのだけれど(瞳の表情のよくわからない彫りの深い顔、そしてもごもごしゃべるかんじ、どれもみんなすばらしい)。
 ラストのシャツの話は、いかにも原作が短編小説というかんじがする。でも、なんのてらいもなく、あそこまでまっすぐに提示されると、もうそれだけでいいという気がしてくる。気持ちよく、泣かされて帰ってきた。
 きっと予想していた、批判的な気持ちになることもなく(それほどは)、この映画をつくった人たちのがんばりに感謝したいと素直に思った。


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