せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2005年12月15日(木) マイズナーWS

 テキストを使ってのシーン、エクササイズ。
 A:彼が知っていることは何か B:彼がしていることは何か、C:彼の目的は何か、をリストアップして準備。先週お休みした僕は、藤野さんにテキストをファックスで送っていただいての宿題。
 で、僕は、先々週のように、ブレイキング・バック・オブ・ザ・シーンから。一度読んで考えてしまっているテキストなので、一言ずつを初めて見て読むのはむずかしいかと思ったら、全然そんなことなかった。どうやら、初見のテキストを先に読んでしまうクセが僕にはあるらしい。
 続いて、明樹さんたちが演じた「ガラスの動物園」のアマンダとローラのシーン。二人にそれぞれ、ABCを説明してもらって、ローラが外でエモーショナル・プリパレーションをして、入ってくる。そこから始まるシーン。
 何ていったらいいんだろう、これはまさしくそこにいる二人が言葉と感情をやりとりしている、なんだかすごい場面になった。一言一言の重さ、それも思いがけない重さに、お互いに驚いているのがわかった。こんなに切ないアマンダとローラは見たことがない。ほろほろ泣けてしまう。やっぱり僕は、今、そこにちゃんと人がいると思える芝居が好きなんだ。
 ああやろうこうやろうとプランを積み重ねた先にあるのとは全然違う、正直な気持ちのやりとり、それも相手から受け取ったものに反応していくと言うことを積み重ねるだけで、こんなに場面は活き活きとするんだ。新鮮な驚きだった。
 その後のいくつものペアも同様に、活き活きした場面が作り出されていった。
 僕は、お休みのジョニーさんの代役をしたり(それは、ブレイキング・バック・オブ・ザ・シーンのみで参加)、自分のパートは、ABCの説明をしたところで時間切れだったのだけれど、今日のWSはとてもとてもおもしろい経験だった。スタニスラフスキーシステムの超課題のようなものとも違う、役者として、自分なりの「準備」として考えていたことともちょっと違う、初めてのやりかた。なんだか僕には、とてもしっくりきた。
 終了後、藤野さんや今日の参加者のみなさんと食事しながら、おしゃべり。芝居の話をいっぱい。こちらもまたいい時間。
 新宿で買い物をして、まさひろくんのお見舞いに行く。突然行ってしまい、お寝み中だったので、お見舞いの品をナースセンターに預けて失礼してきてしまう。考えたら、起こしてもらってもよかったのかもしれないとあとで気がつく。「病院慣れ」していないので妙にドギマギしてしまって、帰ってきてしまった。明日またうかがいますねとまさひろくんにはメールをしておいた。
 その後、中野坂上で、桜澤凛さん出演の劇団大樹公演「ポプコーンの降る街」を見る。小さなアトリエでの公演。きちんと作り込まれたセット。
 芝居は、これが文化庁のコンペで佳作をとった台本なんだ……と感慨深い、とってもファンタジーなお話。
 桜澤さんは、サラダオイル片手に飛び込んでくるところから、失われていた過去を取り戻すステキなシーンまで含めての熱演。
 終演後、ご挨拶&思ったことをつい余計におしゃべりしてしてしまい反省。落ち込んで帰ってくる。

 gaku-GAY-kai本番まで、あと10日!


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