せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2005年10月26日(水) 赤いコート

 駅前に古着屋ができた。
 もともとは、ノーブランドのレンタルビデオ屋、その後、ゲームセンター、100円ショップと、どんどん変わっていって、ついに古着屋。向かいのマンションの1階に大きな100円ショップができたので、方向転換したらしい。
 こんな田舎で、ニーズはあるのか、ちゃんとしたものがあるのかと、かなりうたがっていたのだけれど、それなりに商品の回転もあり、おばさんの普段着系中心の品揃えのなか、ときどきおもしろいものがあって、あなどれない。
 駅の電車の時間が微妙だったので、時間つぶしに店をのぞき、赤いスプリングコートを見つけた。
 古着じゃない、デッドストックもので、知っているデザイナーの名前がタグに入っている。予備のボタンに共布もついてる。
 レディースのLサイズなのだけれど、羽織ってみたら、ちょうどよかった(胸回りはちょっと余るくらい)。
 真っ赤というか、オレンジに近い色は、かなり派手。でも、ここで買っておかないと後悔しそうだったので、とりあえずゲットする。
 レジのお姉ちゃんに「あわせが逆ですけどだいじょぶですか」と聞かれ、「全然平気」と答える。
 そのまま出かけた帰りは雨降り。レインコートがわりに羽織ってみる。
 ジャン・パトリック・シャンリイの芝居に「赤いコート」というのがあったのを思い出す。
 白いパンツにブルーのシャツに赤いコートという出で立ちが、街のウィンドウに映ると、きっぱりした色味に目が覚めるようだ。
 気持ちも明るくしないと着れない服を買ってしまった。いつもより少し余計に胸を張って歩く。


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