せきねしんいちの観劇&稽古日記
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仕事を休む。眠り続ける。葛根湯のおかげで、肩こりやひざの痛みはきれいさっぱり治った。ただ、喉が痛い。午後から近くの内科に行く。抗生物質をもらって、すぐに飲む。 家に帰ろうか一瞬悩んだのだけれど、予定通り、新宿へセミナーを聞きに出かける。ネットワークユニットDuo主催の「俳優がぐんぐん育つトレーニングのプログラム法!」というもの。初めて行く会場「芸能花伝舎」は、成子坂のむこうの元小学校。二十年近く前通っていた養成所はこの近くにあった。こんなに変わった街もそうはないんじゃないだろうか。 舞台芸術コーディネーターの川南恵さんが、ヴォイス・ティーチャー池内美奈子さんをゲストに迎えてのセミナー。最初に自己紹介をすることになって、声が出るか心配だったのだけれど、思い切って出したら、なんとかなった。今日の分はもうおしまいってかんじ。 受付をしていた明樹さん、またばったり会った松本くんと入交さんにご挨拶。声がでなくてごめん。 お話は、「プロの俳優」を対象にしたトレーニングということで、「プロ」ってなんだろうというところから始まった。「近くの『ぽんぽん山』に登るのとエベレストに登るのは違うということ」。登山ということでは同じだけれど。山には誰でも登れるけれど。それぞれに素晴らしさも、楽しさも、喜びも、やりがいもあるけれど。「エベレストに登ろう」。それが今日もらった唯一の言葉かな。「ぐんぐん育つトレーニングのプログラム法」を、僕は受け取ることができなかった。 新国立劇場の養成所の二学期の時間割を見せてもらった。とっても中身の濃いスケジュール。個性的な講師に「まだまだこれからな若い人たち」が、驟雨のような授業を受けてる。これだけの授業を受けたら、そりゃぐんぐん伸びるんだろうなあと思った。でも、僕が聞いてみたかったのは、何十倍もの難関をくぐり抜けた15人が受けているこの授業のことではなくて、その15人になれなかった人たちが、どうやってトレーニングしていけばいいのかってことだったんだってことなんだとも思った。 それでも、時間割の向うには、今この授業を受けているロジャー・リーズのWSで知り合った山本くんの顔が浮かんで、がんばれ!という気持ちといいなあ!という気持ちが入り交じった。 終了後、喉の痛みがひどくなったので、ロビーに薬を飲みに出た。部屋にもどったら、松本くんたちは帰ってしまったようだったので、一人で帰ってくる。 本気で寒くなった。熱もまた上がってきた。なんだか泣きたい気持ちになって、西新宿から都庁前までの誰も歩いていない地下道をよろよろ歩いた。僕もエベレストにのぼろうと思いながら歩いた。 帰宅して、熱は38度3分。新記録。
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