せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2005年09月30日(金) 「女優の箪笥」

 室井滋が「着物を味方にしよう」と決心して、着物を着て、「着物名人」と会うという写真エッセイ。
 都はるみ、フジコ・ヘミング、加藤治子といっためんめんとの着物にまつわるあれこれがじつにいきいきと語られる。
 なかでも、都はるみが、舞台衣装=仕事着と割り切って着物とつきあっているスタンスが、とってもかっこいい。
 自分では着たいと思わないのに、着物がらみの本を読むのは、とってもおもしろい。
 かっこいいといえば、たぶん40代の男性をターゲットにした月刊誌「straight,」のグラビアに玉三郎が登場している。世界の一流品を身につけるという特集で、これがじつにかっこいい。
 舞台姿でないプライベートの玉三郎の写真というのは、何年かにいちど見かけるような気がするけれど、今回は、そのなかでも特にすばらしい。
 3枚だけ掲載されている、篠山紀信による舞台衣装を付けた姿の艶やかさも圧倒的だ。「天守物語」の富姫と、阿国の扮装のその写真は、それだけでもう驚くほどのオーラを発している。
 玉三郎の衣装に対するこだわりは有名だけれど、鬘に対しての気の配り方もすごいと思った。玉三郎という人と役柄にぴったり合って、今まで見たことがない女性像がそこにある。歌舞伎という伝統の世界で、いつまでも「オリジナル」であることを忘れない姿勢にも、改めて感動。


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