wakaP〜の好物三昧

2003年11月08日(土) フライド・プライド 「ライブ」

11月7日(金)、フライド・プライドのライブへ行く。すごく楽しみにしていた。
そしてやはりすごく良かったので、今回の「好物三昧」は予定を変えて彼らのライブの魅力を書くことにした。

彼らのステージを見るのは昨年に続き二回目である。フライド・プライドはShiho(ボーカル)と横田明紀男(ギター)の二人からなるジャズ・ユニット。
いや、一応「ジャズ」と称してはいるがその音楽性は遥かに広く自由だ。
いやいや、ジャズは元々「自由」なのだけれど…。(笑)

彼らの音楽の特徴はまず選曲にあると思う。
メジャー路線を狙ったとの穿った見方も出来るがスタンダードと70〜80年代が中心である。でもそれら名曲の数々はあくまで素材であって、横田の卓越したギターテクニックと音楽センスにより、彼らでなければ表現できない世界を創造している。そして聴いている側は名曲であるからこそ、そこからの飛躍感を感じ取る事が出来るのだと思う。

30年と言う横田の音楽生活にさえ満たない若さのShihoのボーカルもまた、逸材である。年齢やキャリアの差をモノともせず、横田のギターに正面から挑んでいく。

時に虎のように、また時にじゃれつく子悪魔(見た事ないけど…笑)のように、彼女の唄声は縦横無尽に変化しながら、複雑にアレンジされた曲をソウルフルに艶やかに象っていく。彼女の唄を聴いていると、これらの名曲が全く新しい出会いかの様に無邪気に楽しんで見えるのがスゴイ。
このふたりの組み合わせから、正に「ワン&オンリー」としか言えない音楽がほとばしる。

ライブは昨年同様、彼ら二人にパーカッションを加えた三名。
一曲目はカッティングギターで始まる「ルイジアナ・サンデー・アフタヌーン」。好きな曲だ。限られた人数で奏でる音の隙間から様々な音楽が聴こえてくる気がするのは、決して知っている曲だからだけではないと思う。自分のイマジネーションが次々に刺激される気がするのだ。リズムに合わせて思わず身が軽くなる。

その後は、ファンク・アレンジの「ルート66」や「カムトゥゲザー」のカッコ良さに身震いし、超技巧テクニックが宙を舞う「ストリート・ウォーキング・ウーマン」「ス・ワンダフル」では目が点になり、「ジャンピングジャックフラッシュ」「クロース・トゥ・ユー」は皆で大合唱という具合だ。

40人も入れば一杯という赤坂のライブハウス「N」も、その狭さが良かった。どんなミュージシャンにも特別の意味を持つ箱(ライブハウス)があると思う。今日の彼らも故郷に帰ってきたかのようにリラックスして自分たちの音を楽しんでいるのが、正直に伝わってきた夜だった。
この上なく贅沢な空間であった。


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