wakaP〜の好物三昧

2003年09月27日(土) YUTAKA 「brazaia」

YUTAKAと言う、日本ではあまり知られていない日本人アーティストがいる。それもそのはずで彼の活躍の地はブラジルと米国が中心であり、彼の音を生で聴いたヒトは本当に少ないと思う。

僕が初めてYUTAKA、当時、横倉裕の声を聴いたのは新進気鋭の独立系レコード会社としてYMO、A&Mのディストリビュート等で注目されていたアルファレコードのオフィスを別件で訪れた時だった。

担当者が「こんなデモテープがあるんですよ。」と言って聴かしてくれた素晴しく洗練された曲「ラブライツ」は一瞬にして僕を彼のファンにしてしまった。更にデュエットの相手がパティオースティンと聞き、再び驚いた。

「brazasia」は90年、デイブグルーシン率いるGRPレーベルより、YUTAKAの名前で発表された二枚目のアルバムで、タイトルは「ブラジル+アジア」の造語である。「セルジオメンデスを追って日本を飛び出したきり、彼は日本人でなくなった」との伝説がある程、我が国での存在感は薄いが自分のアイデンティティをアジアとして表現したかったのだろうか。当時、このアルバムは西海岸を中心に好セールスを記録したと言う。

タイトル曲でもある一曲目は、琴とギターのユニークな組み合わせにポリーニョ・ダコスタのパーカッションが絡むサンバのフェイドインで始まる。
元シーウィンドのポーリン・ウィルソンとのデュエットは「YUTAKAワールド」の真骨頂で、今聴いても心が躍る。途中、YUTAKA自身が弾くピアノソロが、めちゃカッコ良くてさすがセルジオメンデスを師匠と仰ぐだけの事はあると思わせる。

日本で活動していたら間違いなく大注目されていたに違いないと確信する彼の音楽を一度で良いから実際に聴いてみたい、と言うのが僕の夢のひとつである。


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