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2004年07月01日(木)
今まで頑ななまでに手を出すのを拒んでいた宮部みゆき作品を、とうとう読んでしまった。
私は、所謂ベストセラーの評判には懐疑的だ。
得体の知れない１００万人の支持なんて、そんな茫洋とした評価をどうして信頼できると言うのだろう。
まあ、ただの天邪鬼とも言うのだけれど。
そんなこんなで「ベストセラー作家」の宮部みゆきは私の中で鬼門に位置していた訳なのだが、そうも言ってられない事情が出来た。
PS2のゲームソフトで、「ICO」というゲームがある。
ゲームとしてとても高い評価を受けた作品で、一時期私も大いにハマッたゲームだ。
そんな「ICO」が今回宮部みゆきによって同名の小説としてノベライズ化されてしまったのだ。
読もうか、どうしようか、一瞬迷って読む事にした。
これも良い機会だ。これ読んで気に入ったら、他の宮部作品も読んで見よう。
んで、三日間の通勤時間をかけて読了。
えーと、
一章 ◎
二章 ○
三章 ×
四章 △
エピローグ ○
取り敢えずこんな感じ。
一章はね、すっごく良かったのよ。
特に主人公の親友って役の小説オリジナルのキャラクターが。
同じくオリジナルの主人公の養い親も良い味出してたし、ゲームのストーリーに深みと厚みが増した感じで、「さっすが宮部！ ベストセラーも伊達じゃなかったのね！」とまで思ったわけよ。
で、二章もゲームに忠実にかつちゃんと小説として成り立っていて、此処まではゲームノベライズで有名な久美沙織より評価は遥か上を行ってたと思う。
ちなみに私が読んだ久美沙織作品は「MOTHER」「MOTHER2」「ドラゴンクエスト�后廚肇離戰薀ぅ困犬磴覆ぅ筌庁穏酩福別樵伊困譴拭砲魎泙瓩殖戯酩福�
んで、問題の三章。
三章ではもう一人の主人公の女の子の視点っていうか過去を中心に語られてるんだけど、これが長い割に設定が陳腐でつまんないのよ。
一気に三章でレベルが久美沙織とドングリの背比べに・・・！
いや、けして久美沙織のレベルが低いとは言ってませんよ？
ただ「ベストセラー作家のレベル」では無いな、と。
まあ、自分の好みが大きく反映されているので、見る人が見れば三章もそれ程悪くは無いハズ。
でもねー今時闇の神の落とし子とか闇の神の支配って設定はどうかと思うのよ。
ゲームなら赦されるけど、小説家としてそんなプライドの無い設定には甘んじて欲しくなかった。特に、ゲームでそんな設定は無かったわけだし！
そんな小さい世界に閉じ込めなくても良いじゃない。
って事でその三章の設定が加わった事で四章にも悪影響。
まあエピローグで僅かに持ち直したので良しとする。
でも他の作品を読んでみようと思わせるまでには至らなかった。
機会があれば「模倣犯」くらいは読んでみても良いのだが（この作品は好きな漫画家が評価してたので興味がある）そんな日は来るのかな？
どうでも良いけど、ゲーム「ICO」のコピーライトは最高だと思う今日この頃。
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