2001年10月13日(土)
今日はサークルの学外発表会の本番だった。
アタシは、小さな頃から発表会なるものの舞台に幾度か立った経験があるのであまり緊張はしない。どちらかと云えば知らない人と話す時の方が数倍緊張するし、未だに慣れる事が出来ずにいるが、それはまた別のお話で今はあまり関係無い。 問題は、今回は本当に舞台の練習が出来なかったどころか、演技以前の照明・音響・衣装等の様々なモノがギリギリまで不完全だった事。それによる不安や自己嫌悪からくるストレスには少々参った。 もっと時間を割けば良かった。そんな女々しい感情がアタシの中でボソボソしていたが、時間は戻る事などあるワケも無く、刻一刻と過ぎ行くのみ。くよくよするのは好きじゃないから、気持ちを切り替えて最後の仕上げを遂行する。
準備は何ヶ月にも及んでも、本番はあれよ、あれよと云う間に過ぎて行く。今年は周りの連中のレベルが高かったから、客席は大盛り上がりだ。 湧き上がる拍手、歓声。アタシは舞台の袖から、それを眺める。 そしてとうとうアタシの出番がやって来た。中幕の後ろで待機。アタシは舞台袖で見守る人の姿を一瞬捕らえ、少し微笑んだ。
アタシの持ち時間はほんの数分。その時の事はあまり覚えていない。けれど、やるだけの事はやったし、なるようになった。だから、自分の中ではひとつの完結が訪れた。 最後の演技も終わり、フィナーレが始まる。アタシは闇の中の人の気配に、微笑みかけてお辞儀をした。さっきは聞こえなかった拍手が耳に届く。 最後に代表者が一歩前に出て、全員でお辞儀をして緞帳が下りる。 下りた緞帳の中で、仲間達は握手しあったり肩をたたきあった。そのなかで、仲間と抱き合っている姿を見つける。あの時アタシに訪れた感覚は、何だったろう? 多分、羨望だ。アタシは、こんな時、独りで立ち尽くしてしまう。あんな風に喜べない、抱き合えない。これが、性分なのか、自業自得なのかすら分からない。 でも、きっと今回の記憶は良い思い出として扱われるであろう事だけは記しておこう。この文章で著してあるのはほんの一部に過ぎないのだから。嘘でも負け惜しみでもなく、私はこの発表会を心から楽しんだ。
この後、消耗した身体に鞭打って撤収準備をし、打ち上げに行く事になる。 打ち上げでは個人的には重要で、他人にはあまり重要じゃないかもしれない発表をする事になっていた。が、それもまた別のお話。
さて、ところで。これはアタシが時々思う事なのだが。今回のメイン、宴とは、なんだったのだろう? 発表会自体か、それとも、打ち上げか。今思えば、皆に迷惑をかけつつアタフタと準備していた時もそれはそれで楽しかった。 物事はひとつひとつバラバラなようで、連なっている。アタシにとって、これらは全て宴であったし、次の宴の準備でもあったのだ。ある意味、この日記を書いている今でさえ、宴の最中であり次の宴の準備なのである。
と。そんな、少し奇妙な感覚を覚えている今日この頃なのだ。
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