指針のことば

2015年06月10日(水) インターネット時代の知性  猪子寿之

抽象化というのは、複雑な現象から相似を見つけるということです。相似を見つけるにはいい頃合いのレベルまで抽象化しなくちゃいけない。たとえば、IQテストで動物とか鳥の絵があって仲間分けしなさいという問題がある。あれはどのレベルまで抽象化すると仲間分けできるかを直感的に考えさせる問題なんです。


なぜ頭がいいのに空気が読めないかというと、空気を読むには身体が伴うからです。言葉だけじゃなくて顔色とか身振りとかも把握しないといけないわけです。

身体を伴う知性と身体を伴わない知性というのがあって、それは独立して存在しているような気がするということです。

いま時、コンピュータは将棋のプロに勝ったりするんですよ。大脳レベルの、身体を伴わない知性ではコンピュータは急激に進化してきたにもかかわらず、なぜかあまり知性的でないとされる行為はまだできないのか。

たとえば、IQと収入との相関関係とか、空気を読める人かどうかとか、人間は転んでもなぜケガしにくいかとか。ここには20世紀まではアンタッチャブルというか、まったくフォーカスが当たっていなかったんです。それに対してフォーカスを当てることが、これからものすごく重要なのではないかと思っているんです。

http://diamond.jp/articles/-/72814


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