| 2002年06月29日(土)→→→Parallel lines cross at infinity |
カールステン・ニコライ展 平行線は無限のかなたで交わる を観にまたもやワタリウム美術館へ。
「ニコライは音響・映像・光などのさまざまなメディアをコンピュータによってリンクさせたサウンドインスピレーションを発表する一方、自ら主宰するレコード・レーベル《ラスター・ノートン》よりCDをリリースし続けています。 (中略) クールで無駄のない実験装置のようなニコライの作品。そこには今まで経験したことのないSF映画の宇宙船のような空間が広がっています。サウンドと視覚が絡み合ったこの不思議なエネルギーの空間に立つ自分の姿を見つけて下さい。」
というパンフレットの文を読んでもさっぱり見えてこない。 しかし、雪の結晶の研究をして世界初の人工雪を作り出した、中谷宇吉郎にささげた作品や、自然科学や物理学から受けたインスピレーションから作り出された作品、という文字を見て行く事を決定。 「中谷宇吉郎」というキーワードに弱い私…。
2階展示室に入っていきなり霧箱(cloud chamber)。 箱って…チャンバーって言った方がわかりやすいと思うけれど、素粒子の研究に使われる装置。 ランダムな自然の動きを作り出す装置ってことらしい。 ま、いわゆるランダムウォークみたいなイメージなのだろうか。 それにしてもこれはかなりおもしろい。説明の意味がさっぱりわからずどういう原理なのかよくわからなかったが、きっと説明を書いた人がわかっていないのだろうからこれは仕方ない。物理でも専攻していない限り無理な話だから。 科学技術振興事業団のシールにはちょっと失笑。 そのフロアには他に電球が光ると同時にノイズが出るという作品や、音を密閉したチューブ等。
3階。レスラー系のシステムによる音と映像。 会場全体に床面からうなるようなノイズのような音が流れていて、それが空間のエネルギーのようなものをイメージさせて面白い。 この音は映像信号を音に変換させているものらしい。 映像自体はメディアプレイヤーとかプレステで音楽を聴いた時に出てくる音に合った映像?あれを彷彿とさせるけれど、もっとランダムで電子信号のような感じ。 その映像をガラス窓に貼った半透明のプラスティックの板に映していた。 とても不思議なのだが、electricなのに何か落ち着く感じ。
4階。中谷宇吉郎の雪の結晶の研究からイメージして出来た作品。 中谷宇吉郎の人工雪を作る装置を再現していて、自分で試験管を手にとって結晶を作り観察することが出来る。 そしてその会場にはまたノイズのような音が流れる。 結晶に夢中になってあまり音は聴けなかったけれど、あの装置を再現してあって実際に結晶が出来ていく様が見られたのには少し感動した。
キャプション、厚さ2〜3mmくらいの薄い板に紙が貼ってあるスマートな感じのものでオリジナリティとこだわりを感じた。 フォントは英語はArialかなあ、かなりぴったりくる感じ。
全体に、scienceとartとのcollaborationというか、scienceから触発されたartいう感じでこんなのもアリなんだ!感もあっておもしろかった。 しかし、scienceの説明がもっと欲しいという飢餓感があった。 物理だから私にはよくわからなかったので、どういう原理なのかがもっと知りたかった。 もっと感覚的に感じるものなのかもしれないけれど、ついついどうしてそうなっているのかばかり考えてしまって、artの面を忘れがちになってしまった。 やっぱり、ちょっとscienceとartのつなぎ目というか、融合面というかそういうところがスムーズではないのかなと思う。 もっと、原理なんて考えさせずにぐいぐい引っ張り込んでほしいかなという気がした。 フラーにはそういう力があったと思うし。
と、まとめようがなくて長くなったが、ちょっと狐につままれたような感じの企画展。 わかろうと努力しなくてはその世界に入っていかれない、そういう部分は否めないが、scienceのおもしろさやartisticな面を示すという点で、(過去色々な作品はあったけれどそれ以上にscientific!)意味があるのかなあという気はした。 平行線というのはscienceとartのことなのだろう。 とりあえず、これまたパスポートチケットなのでもう一回は行かなくては。 行く前に素粒子と複雑系の勉強してからね…。
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