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2016年10月06日(木) 日本のメディアの悪いところは誤報や捏造は大きく訂正は小さく。

説明します 「ダム底 高濃度セシウム」4日朝刊の訂正について(毎日新聞 2016.10.06)

9月25日朝刊「ダム底 高濃度セシウム」の1面と
福島第1原発事故 ダム底、高濃度セシウム 原発周辺、10カ所8000ベクレル超
3面の記事について、
クローズアップ2016 ダム底 高濃度セシウム たまる汚染、募る不安

4日朝刊1面に訂正文を掲載しましたが、不十分な点がありましたので改めて説明します。

この記事は環境省の調査をもとに、東京電力福島第1原発の周辺にある10のダムの底に、
放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレルを超える土がたまり続けている問題点を指摘しました。
その上で、表層の水の濃度は国の飲用水基準
(1リットル当たり10ベクレル)を大きく下回る現状を伝えました。

その中で、表層水の濃度を「1リットル当たり1〜2ベクレル」、
3面の図で2015年11月16日採取の大柿ダムの表層水を
「1リットル当たり1.63ベクレル」としたのは誤りでした。
記事や図の数値は、同省調査のセシウム134と137の濃度の検出下限値
(測定器で検出できる下限の値)を誤って足したものでした。
実際の調査結果は不検出(検出下限値未満)でした。

 検出下限値の意味を十分に理解しないまま同省のデータを引用し、
社内のチェックも不十分でした。今後は事実関係の確認を徹底します。


これって9月25日付の朝刊に掲載されたときから、

福島第1原発事故 ダム底、高濃度セシウム 原発周辺、10カ所8000ベクレル超
クローズアップ2016 ダム底 高濃度セシウム たまる汚染、募る不安

この記事は間違っていると専門家などから指摘の声が相次いでいたんですよね。

どこが間違っているかについて詳しくはこちらに纏められており

私も読んでいてまたひとつ勉強になりました。


毎日新聞が検出限界値の不等号の意味を理解せず、
福島県浪江町の大柿ダムの表層水からセシウム検出と報じた件 - Togetterまとめ


風評被害を広げる悪質なデマと言ってしまってもいいこの記事に関して

1週間以上経ってようやく4日朝刊に訂正記事が載ったのですが、

その記事がとても小さく内容も不十分でとても訂正といえるような代物じゃありませんでした。





これでまた批判が巻き起こりまして今日の訂正記事に至ったわけですが、

紙面ではやっぱり小さい。




誤報は一面で大きく報道し訂正は小さな記事でやるいつものパターンです。

誤報やデマをスクープのように大きく報道し、

それによって風評被害など広がる懸念を考えれば訂正も一面に大きく

それこそ同じぐらいの面積を使って載せるべきではないでしょうか。

それぐらい力を入れて訂正記事も出さないと

誤報によって読者が受けたマイナスイメージを払拭することは難しく、

不安を煽るように伝えていたものがそうでなくなった場合は同じように時間をかけて

何度も繰り返し安心安全を伝えることが正しい報道の役割と思うのですが、

間違ったことを認めるのは新聞社としてのプライドが許さないのか、

部数が減る信用問題に繋がると思っているのか

訂正や安心安全を伝えることに新聞は力を入れません。

3面記事として片隅に小さな訂正記事を載せるぐらいでは、

それを見なかった読者には誤報から受けた不安による

マイナスイメージだけが残ってしまうわけでして・・・。

今回の毎日新聞もそうですが新聞が誤報をやらかした後に

「今後は事実関係を徹底します」と言い訳しますが、

それって事実関係を徹底するよりもインパクトありきで

詳しく調査も取材もせず載せていたというとであって、

報道で伝えることの影響力の大きさを忘れていますし、

報道に伝えることと伝えた後のことに対する責任感の視点が欠けています。

こんなのインパクトありきなネットのまとめサイトと変わりません。








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