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2007年05月13日(日) 議会制民主主義を否定?

[国民投票法案]民意をくみ取るべきだ

衆参の「数の力」は理不尽

 参院憲法調査特別委員会は十一日、憲法改正手続きを定める与党提出の
国民投票法案(憲法改正手続き法案)を自民、公明の賛成多数で可決した。

 先月十三日の衆院通過に続き、十四日の参院本会議で与党の賛成多数で
可決され、成立する見通しだ。

 国民投票法案は手続き法とはいえ、
憲法改正、特に「戦争放棄と戦力の不保持」をうたう九条の変更と
密接に絡む重要法案である。

 本来、与野党が民意をくみ取りつつ、十分に審議を重ねて
「公正、公平、中立」な制度の実現に向け合意を達成するのが筋だったはずだ。

 それが衆参両院とも「数の力」で採決されるのは理不尽であり、
極めて遺憾と言わざるを得ない。

 参院特別委では「審議は十分尽くした」とする与党側に対し、
民主、共産、社民、国民新の野党四党は「中央公聴会も実施されていない。
審議が不十分」と主張し、採択に反対した。

 しかし、与党が付帯決議をすることで譲歩したことを評価、
採決では衆院可決時のような混乱は回避された。

 付帯決議は、最低投票率制度の是非の検討や投票権者の年齢を十八歳に
引き下げる法整備など、今後の検討課題として十八項目を挙げている。

 投票権を二十歳以上ではなく、十八歳以上に引き下げているが、
国民の意思を確認するために行われるのだから、まず投票率が問題となる。
十八項目の中で、最も重大な論点といえる。

 参院の審議では野党側から、一定の投票率に達しない場合は投票を
無効とする「最低投票率」を設けるべきだとの指摘が相次いだ。

 憲法九六条は、国会の憲法改正の発議について
「(衆参両議院の)総議員の三分の二以上の賛成」と厳格に定める一方で、
国民投票の承認については「その過半数の賛成」としている。

 その過半数とは、実際に投票所に行き、賛成・反対の明確な意思を
表示した投票権者、つまり有効投票の過半数であることは明白だ。

 だが、法案には何の制約もない。投票率がどうあろうと有効投票総数の
過半数が賛成すれば改憲案が承認されることになっている。

地方公聴会では賛否両論

 現憲法には、最低投票率を法律で定めるようには書いていないからという理由で、
最低投票率を設定することは違憲だという主張さえある。

 しかし、現憲法には国民投票法をつくること自体も明記されていないのであり、
それらの解釈も含めて今後の論点となろう。

 参院特別委の地方公聴会では、最低投票率について公述人から
賛否両論の意見が出された。

 「投票のボイコット運動で多数決による民主主義が影響されるのではないか」
「一部の意思のみで憲法が変更されると正当性を損なう。
少なくとも過半数の投票が成立要件になるべきだ」
「ボイコット運動などで要求される投票率を超えられないなら、
改正の機が熟していないと判断すべき」などだ。

 いずれにせよ、最低投票率の定めがないことが大きな問題であり、
最低投票率、あるいは絶対得票率を定めるのは避けて通れないはずだ。

 公務員や教員がその地位を利用して国民投票に関する運動を禁止するのも問題である。

 罰則がないとはいえ、「団体の力で学生に影響を与える恐れがある」と
運動禁止を支持する人もいれば、逆に「職種による人権や人格権の
否定につながりかねない」との声も強い。

憲法改正、現実の政治課題に

 法案では、投票日の二週間前まで改憲についての有料意見広告を
テレビやラジオに出すことが許されている。

 資金力があればいくらでも改憲の主張がマスメディアを通じて
国民にアピールできるわけであり、改憲に有利に働くのは明らかだ。

 今後の論議は、国民投票法成立を受け、七月の参院選後の臨時国会で
衆参両院に設置される憲法審査会に主舞台が移る。

 三年間は改憲案の提出、審査は凍結され、現行憲法の問題点などの
調査が進められることになる。

 安倍首相は「自民党は新憲法草案をつくって改正の意思表示をし九条は
変えると決めている」と述べ、憲法九条を含む改憲の是非を夏の参院選で
争点としたい考えをあらためて表明した。

 憲法改正が現実の政治課題となり、国民一人一人が真剣に
向き合わなければならない局面に入っている。

(沖縄タイムス社説 2007年5月12日 )


-----------------------------(引用終了)----------------------------

>「数の力」で採決されるのは理不尽であり極めて遺憾と言わざるを得ない

民主主義とは数の多いほうが選ばれる。そういうものです。

反対派は「少数派の意見を尊重していない」と主張されますが、

いきなり多数決の投票をするのではなく、

多数決投票をする前に少数の意見であっても、

それを投票者に知らしめる機会を保証し、

多くの意見を知った上で投票することを多数決原則としています。

ですから少数意見も反映してある程度の協議・妥協はしています。

ただ少数派の声の大きさに妥協しすぎるあまり、骨抜き状態となって、

本来の法案とかけ離れた場合になることもあるので、

多数決原則が全て正しいとは思いませんが、

最終的には多数決で決めないと、いつまで経っても決まるものも決まりません。

そして、当然の様に、各種意見を聞いた後の多数決の決定後は、

決定内容に不満があっても、決定に従うのが多数決原則です。

「少数意見の尊重を無視した決定である」などとその決定に不服を言う側が、

実は民主主義の基本である多数決原則をないがしろにして、

民主主義の基本的要素である「少数意見の尊重」の意味を

歪めてしまっているのではないでしょうか。

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名塚元哉 |←ホームページ