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2006年12月14日(木) ハードも良いけどソフトもね。

私が生まれた時からお世話になって命の恩人でもある、

これまで5千例以上の先天的に心臓に疾患のある子供の手術を

専門的に取り組んだ心臓血管外科のドクターが、

先月の23日から今月の2日まで、

ベトナムハノイの国立小児病院からの要望により、

ボランティアで手術指導に行かれてました。

今日、久しぶりにお会いできたので、

その時の話を伺いました。

日本政府はJICA(独立行政法人 国際協力機構)から、

医療機器をベトナムにも無償提供しているのですが、

現地の医師の多くはまだまだ技術や知識が不足しており、

残念ながら満足に使いこなせる人が少ないそうです。

ハノイの国立小児病院は同国で唯一子供の心臓手術も

手がけている病院なのだそうですが、

医療機器の使い方も基礎から教えなければいけなくなってしまい

思いのほか大変だったようです。

そのソフト面の支援に熱心なのが韓国なのだそうです。

韓国の大手電子機器メーカーサムスンは病院も経営しているのですが、

そのサムスン病院が、ベトナムなど発展途上国の医師や看護師を呼びよせ、

技術などをソフト面の指導に力を入れているとドクターの話で知りました。

「日本はハード面での支援は熱心だが、
 ソフト面にも心を込めもっと力を注がないとダメだ。
 真の友好にはこういった心配りが大切なのに。」と言っておられました。

この話を聞いて、ある事を思い出しました。

自衛隊がイラクのサマワから撤退して、しばらくしてから、

朝日新聞にサマワのその後という記事が掲載されていました。

サマワ市民の80%ほどが自衛隊の派遣には感謝しているのですが、

自衛隊の支援によって新しく作られた病院では、

最新の医療機器が提供され自衛隊撤退後も残されているのですが、

技術の指導もされず説明書も日本語のため、

自衛隊撤退後は、まったく使えず放置された状態で、

現地の医師が困惑していると書いてありました。

日本の支援というのは、なぜこうも隅々まで目が届かないのでしょうか。

ハードも大事ですが同規模のソフトも提供しなければ、

せっかくの善意も無駄になってしまいます。

本当に中途半端で勿体無いと感じます。

 ドクターは、国内外の小児病院で数多くの手術指導をしてきたのですが、

「中国では酷い目にあったので、もう絶対に行かない。
 今も呼ばれるけど断っている」とも言ってました。

子供の命を救うことを第一に考え、

自分ような医師が一人でも多く増えることを望み、

培ってきた技術を国内外の若い医師に指導する熱心なドクターに、

「もう絶対に行かない。」と言い切らせてしまう中国。

中国で何があったのかとても気になったのですが、

トラウマになるようなことを言いたくもないでしょうから、

あえて聞かないでおきました。




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名塚元哉 |←ホームページ