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2006年12月13日(水) 恥の概念は過去の遺物なのか?

図書館の本、傷だらけ…「切り抜き」「線引き」横行

各地の公立図書館で、雑誌などから写真や記事を切り取ったり、
専門書に蛍光ペンで線を引いたりするなど、図書を傷つける行為が増加している。

 中には、閲覧室で堂々と雑誌を切り取り、職員から注意されると
「どうしていけないの」と反論する人もいる。

 公共の財産を傷つけてはいけないという最低限のルールを破る行為の横行に、
図書館側は「社会全体のモラル低下の表れでは」とため息をついている。

 東京都世田谷区の区立中央図書館(同区弦巻)で被害が
目立ち始めたのは5年ほど前から。
徐々に悪化し、資料係の越後信子係長は「最近では1日2、3件のペースで
切り取りや書き込みが見つかる」と話す。


(読売新聞 12月12日15時38分)


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テレ朝系『スーパーモーニング』の「恥知らずの現場」というコーナーや、

MBS『VOICE』(関西ローカル)の「憤懣本舗」というコーナーで、

落書き、飲酒運転などモラルの低下した日本人のやりたい放題の映像が流れます。

番組取材班がそういう人々を取材すれば、

取材される側は、ほとんどが逆ギレや筋の通らない言い訳で開き直ります。

逆ギレや言い訳する人は、まだ自分が悪い事をしている自覚があるのでしょうが、

>職員から注意されると「どうしていけないの」と反論する人もいる。

反論にすらなっていないことを言うこの人は、

注意されたことに腹を立てているのではなく、

本当に自分の行為がどうしていけないのか分かっていないのでしょう。

このような返答をされた職員はどう対応していいか苦慮するだろうと思います。

 新渡戸稲造の『武士道』「第8章 名誉」に、

イギリスの歴史家トーマス・カーライルの

「恥は、すべての徳や善行、すぐれた道徳を生み出す土壌になる」という

名言を引用した箇所があります。

昔から、マナーやモラルのない羞恥心の無い人は存在しましたが、

現代は、マナーやモラルのない羞恥心の無い人が増えすぎて、

道徳が追いつけない状態ではないでしょうか。

ここ数年「自分を大切にしましょう」とか「自分を愛しましょう」とか

「ナンバー1よりオンリー1」というようなことばっかりを

熱心に説く風潮がありますが、

このような風潮も恥の概念を薄れさせた要因の一つではないかと思います。

確かに自分を大切にすることも重要ですが、

自分の事ばかりしか考えないというのでは、

自分だけの価値基準で自己中心的な行動をとって、

周囲に目配り気配り思いやりの自覚さえ薄れさせ、

自分本位の察しの利かない自己中心主義な人間になります。

 今年は『国家の品格』が売れたこともあり、

あらゆるメディアで「品格」という言葉をよく目にしましたが、

品格の無い日本人が増えたと感じる人が多いからこそ、

「品格」を改めて考え見直されたのだと思います。

品格の無い日本人が増えたと感じる人はまだマシで、

恥の概念が無くなることは自分にとってデメリットだということを

羞恥心やプライドの無い手に負えない人に実感させ、

社会のコンセンサスとして再び定着させるというのは、

今の時代では難しいことなのでしょうか。



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名塚元哉 |←ホームページ