| 2007年01月30日(火) |
引き続き「産む機械」発言について。 |
なんか思った以上に大騒ぎになってきましたね。
最初はね、単純に 「あ〜ぁやっちゃった。つい出ちゃったんだろうねぇ、馬鹿だねぇ」 ってぐらいの感じで捉えてたんですが・・・
なんか、時間が経つにつれて不快感が増してきました。
田中真紀子さんも言ってたけど、柳沢厚労相、つまりは普段からこういう風に思ってたんですよね、きっと。だからこそ、講演なんて場でぽろっと言ってしまった。普段から言ったり思ったりしてる事が、つい口をついて出てしまった。
あのさ。
機械がモノを生産するみたいに子供を産めれば苦労しないよ。
ユウを膝の上で遊ばせながらワイドショーを見てて、つくづく思いました。10ヶ月も大変な思いをしてお腹の中で育てて、命がけで産むんですよ。実際に出産で命を落とす人だっているんですよ。そして産んだ後も10年20年と育児は続くんですよ。
それを、なんだと思ってるんだ。ものの例えだとしても、あまりにも浅はか。
「機械の数は決まってるんだから、あとは1人頭で頑張ってもらわないと」 って、頑張るのは女だけなのか?
女だけが頑張って何人も産めば、それで少子化は解決すると思ってるのか?なんで『産まない』選択をする人が増えてるのか、考えないのか?
産みたくても、産むなら仕事を辞めなきゃいけないなんて状況は今でもある。1人ならともかく、2人目3人目になってくると職場に居辛くなるなんて話もざらだ。
2人の子供を育てながら仕事もして家事もして、でも旦那さんは何も手伝ってくれなくて、結局体を壊しそうになって仕事を辞めた友達がいる。
育児ってのは、パートナーの協力なしにはとても大変なんだよ。そりゃいろんな事情で1人で子供を育ててる人だっているけど、そういう人達がどれ程苦労してるのか、お大臣様は知ってるのか?
育児に参加したくても、毎日帰りが9時10時で子供の寝顔しか見れないって旦那さんもいる。そんな状況で、奥さんに頑張ってもう1人産んで育てろなんて、誰が言えるのさ。
こちらの日記を読んで大きく頷く。
パートナー(多くの場合は旦那さん)の協力なしに育児は大変だ。でも現実問題として、子供をお風呂に入れたり、遊んであげたり出来る時間に帰れる旦那さんばかりではない。そして、いくら本人が育児に参加したいと思っていても、男性の育児休暇や、育児参加のための残業拒否をスムーズに認める企業なんてほとんどないのがおそらく現状。そんな状況で、子供を持つことを、あるいは2人目3人目を持つことを躊躇っている、諦めている人がたくさんいるはずだ。
私は今育児休暇中だけど、いろんな人に 「1年間休暇がもらえるなんて、いい会社だね」 と言われる。
でも、それは本当はおかしいんだ。子供を産んだら育児休暇が取れるのは当たり前でなきゃおかしいんだ。
少子化が止まらないのは、女性が頑張ってないからじゃない。産んだら働きにくい。働いてたら育てにくい。そんな状況で、これ以上女性が何を頑張れというのだ。
また、子供を産めない人がどんな思いでこの発言を聞いたのかと考えると胸が痛い。
同じ自民党の高市早苗議員が、 「だったら、産めない私は不良品か」 と言ったそうです。
引責辞任なんて言われてますが、何も厚労省を辞める必要はないと思う。でも少なくとも、少子化対策委員は辞めるべきだ。こんな考えの人に何が出来る?こんな考えの人が対策を打ち立てて、それにどれだけの期待ができる?
頭が古いだとか軽率だとか、そんな問題じゃないよ。『出産・育児は女性の仕事だ』っていう根本的な考え方が間違ってる。きっとこの人は育児に関わった事なんてないんだろうなって思います。
|