富士見ミステリー文庫 加門七海 著
民俗学です! 内容は諏訪、鹿島信仰を扱っているのですが ミステリというよりもむしろホラーといった印象でした。 謎解き全般をミステリと呼ぶのでしょうが これは人死にや暗号の謎を追うのではなく、祭の謎を追うのですもの。 人の死に方も殺されるというよりはスプラッタな感じで。 なので、民俗学に興味がある方にはオススメしたいと思いますが ホラーが嫌いな人にはちょっとオススメできないかなという感じ。
著者はこういった創作のほかに 各地の風習を追った著作もあるようです。
民俗学といえば遠野で有名な柳田國男氏がおられますね。 (初めて読んだ柳田作品はノンフィクションだったので 私はずっと柳田國男という人はノンフィクション作家だと思っていたのだが) こういう、日本の各地に土着の祭や伝わる民話を題材にしたものは大好きです! 特に人間味を帯びた日本の神様たちが私は好きですね。
そういえばギリシャ神話などの神様も人間味に溢れてますが 向こうの神様って普通に浮気しますよね……。 ゼウスとか、あの辺の神様たち浮気しすぎです(笑) その点日本の神様たちはわりと一途だったんじゃないのかなぁとか。 特に女性たち。
国譲りで追われてしまう神様たちが命乞いしたりするのも人間味があると思います。
しかしこう古事記とか読んでみると思うのですが 日本の神話は侵略の歴史なんだなぁ……。 高天原による八州の国(葦原の中つ国)の侵略。 ちなみに高天原の神々は天照大神に代表されますが現皇室の始祖とされてます。
建御名方神は武甕槌神に破れ国譲りを承諾し諏訪に退いたのですが もともと諏訪にいた神様たちを追ってしまったという点で 武甕槌神と変わらないとする見方もあるのですよね。
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