われ想う
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2002年09月28日(土)

鶯谷、なんてトコロに初めて降り立った。
黄猿ファンにとって「鶯谷」は、「吉井某が若かりし頃ジプシー生活を送っていた地」である。
そんな、良くも悪くも限定されたイメージを抱いたまま改札を出る。

駅の目の前、そこが今夜の物語の会場。案内人・上田現があつらえた場所。
ギラギラするネオンと、店先から香ばしい匂いを発する飲み屋の赤ちょうちん。
「ダンスホール」とか「キャバレー」なんていう、今や古語になってしまった日本語が
あっちを見てもこっちを見ても飛び込んで来る。既に、幻想世界の住人状態。
地に足が着いてない感覚。それがまた、とびきりに心地良いのであった。

開場時間まで、近辺をフラフラする。
路地裏にまで繁殖しているホテル群。その角を通り過ぎるとき、鼻先をかすめた金木犀。
凄い。「まんま」だ。えらい加速度で感動。〜「HOTEL 宇宙船」 by THE YELLOW MONKEY〜
思えば。
この金木犀の香りを感じ取った瞬間、現ちゃんの魔法にかかったのかもしれない。
フワフワしながら入場。異空間、さらに倍。
天井が高い。ミラーボールが薄暗いなかユラユラしていた。

きっちり2時間半、ストーリーテラー上田現の作り出す音に包まれていた。
でも、終わりを告げる鐘を合図に、今の今まで目の前で繰り広げられていた世界は
幻灯機のスイッチをOFFにするように、すっと流れて消えたのだ。
そして、今夜の『上田現・百物語〜第一五夜『残像』〜』は終了。
しかし。瞼を閉じると、確かにソレは形を持って浮かび上がる。まさに残像、だな。

現ちゃんの作る世界、大好きです。
キレイで不思議で気持ち良くて、そしてちょっと怖い。
指の隙間から、ドキドキする心臓を抱え込んで、少しずつ覗いていくような。
覗いたが最後、それまでの「知らなかった自分」には戻れないような。
ユメ・マボロシ・ムゲン。
夢・幻・夢幻、無限、そして謀現。そ、現ちゃんの謀(ハカリゴト)。

また、お邪魔します。最高の一夜でした。


睦月 |MAILMy登録