われ想う
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鶯谷、なんてトコロに初めて降り立った。 黄猿ファンにとって「鶯谷」は、「吉井某が若かりし頃ジプシー生活を送っていた地」である。 そんな、良くも悪くも限定されたイメージを抱いたまま改札を出る。
駅の目の前、そこが今夜の物語の会場。案内人・上田現があつらえた場所。 ギラギラするネオンと、店先から香ばしい匂いを発する飲み屋の赤ちょうちん。 「ダンスホール」とか「キャバレー」なんていう、今や古語になってしまった日本語が あっちを見てもこっちを見ても飛び込んで来る。既に、幻想世界の住人状態。 地に足が着いてない感覚。それがまた、とびきりに心地良いのであった。
開場時間まで、近辺をフラフラする。 路地裏にまで繁殖しているホテル群。その角を通り過ぎるとき、鼻先をかすめた金木犀。 凄い。「まんま」だ。えらい加速度で感動。〜「HOTEL 宇宙船」 by THE YELLOW MONKEY〜 思えば。 この金木犀の香りを感じ取った瞬間、現ちゃんの魔法にかかったのかもしれない。 フワフワしながら入場。異空間、さらに倍。 天井が高い。ミラーボールが薄暗いなかユラユラしていた。
きっちり2時間半、ストーリーテラー上田現の作り出す音に包まれていた。 でも、終わりを告げる鐘を合図に、今の今まで目の前で繰り広げられていた世界は 幻灯機のスイッチをOFFにするように、すっと流れて消えたのだ。 そして、今夜の『上田現・百物語〜第一五夜『残像』〜』は終了。 しかし。瞼を閉じると、確かにソレは形を持って浮かび上がる。まさに残像、だな。
現ちゃんの作る世界、大好きです。 キレイで不思議で気持ち良くて、そしてちょっと怖い。 指の隙間から、ドキドキする心臓を抱え込んで、少しずつ覗いていくような。 覗いたが最後、それまでの「知らなかった自分」には戻れないような。 ユメ・マボロシ・ムゲン。 夢・幻・夢幻、無限、そして謀現。そ、現ちゃんの謀(ハカリゴト)。
また、お邪魔します。最高の一夜でした。
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