 |
 |
■■■
■■
■ 純愛のワナ(本のネタバレ)
うだうだと本を読んでおりました。 この前購入した大崎善生の「アジアンタムブルー」です。 これは前作「パイロットフィッシュ」の続きか?とか一瞬思っちゃったんですが、 前作は図書館で借りたので手元に無くてよくわからない。
文庫で買ったので、何気なく読んでいたのですが、ネットで検索したら、以前、 思いっきり純愛系と言う感じのハードカバーだったから敬遠した本だったです。 すっかり忘れてた。装丁見て思い出した。
この人の文章は本当にさらさらとキレイで、 ありがちな例えですが、水のように飲める。 でももちろん水にだって味はある。そういう感じ。 それでその味が私には合ってる感じ。
単純な純愛モノ、と言えばそうかも。 もともとハードカバーの帯コピーが、 「愛する人が死を前にした時、いったい何ができるのだろう」ってやつで。 つまりは恋人が死ぬ話で。
はっきり言ってそういう類の本は敬遠してきましたが、 これはそこまでベタベタしてないし、 いろんな人が指摘してますが、文体とか雰囲気が村上春樹っぽいんだな。 村上春樹をさらにクリアにサラサラにした感じ。 だから村上春樹の文章が好きな方なら、悪くないと思います。
しかしこの大崎さんという方は、癌にそうとう思い入れがあるのかな。 ネタばれですが、
↓
↓
↓
パイロットフィッシュもアジアンタムブルーも癌で死ぬ人がいるんです。 てゆーか癌ばっかり。
それから、読んでて思ったこと、ちょっと後半、急ぎすぎたっつーか無理矢理過ぎ。 恋人が死ぬ、もう助からない。 そして希望を叶えてやりたい。 そう思ったとき、一般人には1ヶ月仕事を休むことはできても、 この小説のように叶えてやれるだけの財力はあるだろうか。この年齢の男性が。 それに外国に行った時に、フツーに現地人とみんな簡単にコミュニケーション取ってますが、 何語喋ってんの? そういうとこのリアルさが薄いぶん、ちょっと不満ですかね。
読後に色々考えていると、けっこうキライなシチュエーションなんですよ。 その大切な人を失くした後のトピックだったり、 そんな劇的なことがそんな簡単にあるだろうか? 登場人物の設定がけっこうフツーじゃないので、そう言う意味で確かに面白いけど、 なんっか現実的じゃないんですよね…。
でも読んでる間は気にならないくらい、雰囲気が好きだった。 なんというか悩ましい作家です。
あ、この本は、じっくり読まないと時系列がけっこうわかりにくいです。 回想シーンやら過去の記憶の断片やら色々あって。 パズルがバラバラになってしまった話でもありますので。
2005年08月13日(土)
|
|
 |