静謐の宮
miyano



  舞台『サクラパパオー』(長文)

昨夜の話になりますが、なんだか蒸し暑くて落ち着かなくて、寝る気にならず、
ウロウロしたあげくにテレビをつけたら、BS2で舞台映像を放送していました。
競馬の話です。興味の無い方、お好きでない方は飛ばして下さい。


『サクラパパオー』【作・演出】鈴木聰
【出演】櫻井淳子、羽場裕一、若松武史、角替和枝、小林隆、福本伸一、
    おかやまはじめ、小林愛

競馬の話です。
途中から観たのですが、色んな登場人物が競馬場を舞台にして関わり合う話みたい。
予想屋とか、踊らされる気の弱いおっさんとか、女に入れ揚げて(たぶん公金に
手をつけちゃって)今日中に800万つくらなきゃいけないエリートとか、
旦那を亡くしてのんびり楽しんでるおばさんとか、その旦那に囲われてた女とか、
色々色々…。“グランドホテル形式”っていうのかな、こういうの好きです。
でまぁ、競馬場ですからね、金絡んでますから、もっと人間のエグいとことか
痛いとことか情けないトコとか色々出てくるんだけど、
もうそれがうま〜くコメディに仕上げてあって、面白すぎる…!
2人組の若い予想屋がエリートを手伝っていて、当たったら馬券持って逃げちゃったり、
おっさんの予想屋の予想が信じきれなくて、ちょっとしか買わなかったら
それが当たっちゃって、予想屋に謝る気の弱い男…それが小林隆さん
(『オケピ!』の“ビオラの彼”、『新撰組!』にも出演中ですねv)だったんですね。
知ってる人が一人でもいたので、それで観続けたってのもあるんですが、
予想屋の役の方、この人が上手くて!名前わかんないんですが、ホント上手くて面白くて、
次の予想に小林サンがまた乗り切れずにいると、口でお囃子を言い出すんですね、
文字にしづらいそのお囃子の直後には「レッツゴッ!」って入るんですが、
(競馬知ってたらたぶん絶対わかるノリなんですが)
予想屋「♪〜(囃子)♪」
小林サン「レッツゴッ!」
予想屋「よし行こう〜!!」
小林サン「あぁあ〜〜ちょっとちょっと…(すがりつく)」ってノリとか大爆笑。
本当に面白い舞台でした。
最後はファンタジーなんだけど、思い込みがファンタジーなわけであって、
その事件というか展開はあり得ないことじゃなくて…。
すごくハッピーで面白くて楽しくてちょっとジンときたりして、わくわくした。
本当にいいモノを観ました! ああ〜これDVD欲しいよ〜!!
2001年の舞台みたいなので、もう今さら無理かな。最初から観たい!

競馬レースの実況を、本物の杉本清さんが(録音らしいですが)されていて、
この方の淡々とした実況が激しく胸を打つんですよ…ホント。
本場の本物ではほとんどお聞きしたこと無いですけど、あの競馬の実況って、
どうしてあの瞬間であんな劇的な言葉が出てくるんだろうって溜息が出ます。


以前、武豊さん騎乗でサイレンススズカっていう馬がいました。
とにかく豪快に飛ばして走り続けて快勝する凄い馬で…かっこよくて、
凄い勢いで連勝してて、だけど有名なレースで、競争中に骨折。
その瞬間を、実はテレビで観てました。
滑るように走り抜けていく馬が、一瞬、ほんのかすかにつんのめった。
隣にいた人が、「あ!故障!!」って叫んだ。
あっという間に減速して、武さんが降りて、サイレンススズカの馬体に顔を埋めました。
実況の人が、「沈黙の日曜日ッ!!!」って絶叫したのだけ覚えてる。
そっか、“サイレンス”…って変に冷静に思ったのも覚えてる。

なんだろうな。ホントに衝撃の一瞬だった。んでもって永遠の一瞬だった。
テレビを観ていて、思い出して、ちょっと泣けました。

もう今は全く関係無くなったけれど、
どこまでも緑深く広がる競馬場、美しい馬達、吹き渡る風、が、好きでした。

2004年05月24日(月)
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