地徊営業日誌
目次|書きすてたもの|未定なもの
必殺仕事人を見て爆笑する。
歳を取っていても中村さんが大好きです(笑)
以前書いた若と執事お手紙話。どうでも良いですけど最近主従ばかり書いています。いい加減別の話も書こう…。ナルコとかナルコとかナルコとか(その前に原稿!)
これだけ時間かかったならもうちょいきちんと書けていてもいいんじゃない?と自分に空手チョップかましたくなる主従お手紙ネタです。ぶっちゃけイントロと後日談だけで良くなかったか話↓
*** お手紙 ***
その光景に、春野サクラは呆気にとられた。 「…何をしているんですか?」 「え?」 カカシとナルトが振り向く。二人の手には、手紙が握られていた。
カカシがナルトに向かって封筒を差し出す。白いシンプルな封筒には、蜜蝋で封がされていた。 「どうぞ、ナルト様」 「あ、ありがとうってば」 真っ赤になって、ナルトは手紙を受けとった。それを大事そうにポケットにしまうと、代わりに別の封筒を取り出す。カカシが持っていたのと同じ封筒だ。 「これ、カカシに」 「はい。ありがとうございます」 うれしそうに、それはうれしそうにカカシがナルトの手紙を受け取る。ナルトが安堵のため息をついた。 一部始終を見ていたサクラの眉間に皺がよる。 (アホだ…) お互いに照れている二人を見ながら、心の底からサクラはそう思った。
万年筆を手に、ナルトが便せんに向かう。 「練習なんだってば」 机の上には大量の真っ白な便せんと、カカシからの手紙。胡乱臭い物でもみるように、サクラは机脇のゴミ箱を見た。ゴミ箱の中には書き損じた手紙が山と入っている。 サクラの視線には気付かず、ナルトは万年筆の先をインクに浸した。 「んと、オレ、手紙くれるような人いないし。そしたらカカシがくれる、って言うから…」 「…それでこのゴミの山なのね…」 思わずサクラはため息をついた。ゴミ箱の中には、紙くずが山と積まれていた。 ナルトが唇をとがらせた。 「だって手紙書くのむずかしーてば」 「間違ったら修正液使えばいいじゃない。相手はカカシさんなんだし」 「そんなことできないってば!」 サクラの提案を、力一杯ナルトが拒否する。鼻息も荒くナルトは力説した。 「カカシにあげる手紙なんだから、あっと言わせるべりーぐっっなものにしないと!」 ナルトの熱弁に対し、サクラの白けた視線が手紙に突き刺さった。 「……ご高説のところ悪いけど、そこ、字間違ってるから」 「ああ!!」 サクラに指摘され、ナルトが悲鳴をあげる。さらにサクラは追い打ちをかけた。 「後、『拝啓』に対する結びは『敬具』よ」 「ええ!!」 再びナルトが悲鳴をあげる。それ以上間違いは指摘せずに、サクラは辞書を机の上においた。 「横着せずに調べて書く!言っておくけど、誤字だらけよ」 う、とナルトが返答に詰まる。慌てて手紙を書き直すナルトに、サクラは背を向けた。 (…後でゴミ袋持ってこよう) あの調子では、まだまだ紙くずの山ができあがりそうである。余計な仕事を増やしてくれたカカシに、サクラは恨み言の一つも言いたくなった。
ゴミ袋を取りに台所に向かったサクラは、椅子に腰掛け何やら悩むカカシを見つけ足を止めた。思わず眉間に皺が寄る。 (嫌な予感がする) ゴミ袋は後で取りに来ようと、一歩後ずさる。だが、敵はそれよりも素早かった。 「サクラ。ちょうど良いところに」 カカシがサクラに気付いて顔をあげた。内心でサクラが舌打ちする。それでも、何とか笑顔を形作りサクラはカカシに訊いた。 「なんでしょう」 「手紙のことなんだが」 カカシの手には封筒が握られている。笑顔のまま、心の中でサクラは悪態をついた。 (きさまもかーーーーーー!!) 怒鳴ってやりたいが、それは胸の奥に閉まっておく。全く、本当に余計なことを始めてくれたものだと思わずにはいられない。 険しい顔をするサクラに、カカシは手にした封筒を手渡した。宛先は黒と赤の丁寧な文字でつづられていた。 (なんでこんな書き方を) サクラが眉根を寄せる。 (ん?) よく見れば、黒字で「カカシへ」と宛名が書いてある。さらに見れば、赤字は黒字で書いた手紙の間違いを訂正していることがわかった。 嫌な考えがサクラの脳裏によぎった。 「…これ、ナルト様からの手紙ですか…?」 わざわざ全て書き写したのだろうか。それにしても誤字の多いことである。住所からして間違っているのはさすがにどうだろう、と思った。 カカシが困ったように眉根を寄せる。 「やはり、きちんと投函した方が良いだろうか」 だが郵送にすると時間がな、とカカシが呟く。サクラはかろうじて怒りを飲み込んだ。 しばし、笑顔で悩むカカシを見つめる。 「…大丈夫だと思いますよ」 朗らかなサクラの言葉に、カカシが顔を上げる。サクラは周囲に花をまき散らさんばかりに微笑んだ。 「それよりも、一刻も早くナルト、様にお渡しした方が良いと思います。ええ、一刻も早く」 一刻も早く、を殊更強調してサクラは言った。サクラの言葉に背を押されたのか、カカシも決意したようだ。 「そうだな」 晴れ晴れとした顔で封筒を見つめる。微笑みながら、内なるサクラが毒づく。 (早く渡せ、早く) 家中の便せんを使い切る前にどうにかしてもらいたい。それがサクラの偽ざる本音であった。 「ではこれは渡しておこう」 カカシの言葉に、うんうん、とサクラが頷く。そうだ、とカカシがもう一通、手紙を取り出した。 「こっちは投函しておいてくれ」 なんだろうか、と受け取ったサクラは、宛先に目を点にした。 宛先には館の住所とナルトの名前が書かれている。貼ってある切手は、収集家垂涎の珍しい代物だ。 言葉を失うサクラに追い打ちをかけるように、ナルトの声が響いた。 「カカシ!」 息せき切ってきたナルトに、カカシが微笑む。 「ナルト様。どうされました?」 カカシの目元は緩みっぱなしだ。ナルトが手にした封筒をカカシに差し出す。 「はい!これ次の手紙」 「ありがとうございます」 ナルトに差し出された手紙を、それはうれしそうにカカシが受け取る。代わりに、カカシはナルトの手紙(訂正版)を手渡した。 「これは前回頂いた手紙をなおしたものです。ちゃんと見直しておいてくださいね」 カカシの言葉に、ナルトが眉を潜める。 「これだけ?」 「私の手紙は、明日以降郵便屋さんが配達してくれますよ」 カカシの言葉に、ナルトが顔を輝かせる。 「本当!?オレが受け取ってもいい?」 「はい、勿論」 楽しそうな主従のやり取りの間も、サクラは動けなかった。 何故、今この手紙を渡しはダメなのだろうか。そもそも手紙とはこんなハイペースでやり取りするものだったろうか。それよりもこの切手もったいないだろう。 サクラの頭の中を疑問がグルグル回る。サクラを現実に引き戻したのは、ナルトの台詞だった。 「そだ。便せんなくなっちゃったってば」 「では、新しいものをお出ししましょう」 ピクリ、とサクラの耳が動く。あの、便せんの束がなくなったと言うのだろうか。当然導き出されるゴミの量に、サクラの中で何かが切れた。 「……いー加減にしなさい!!」 そのサクラの怒鳴り声は、庭を越え道まで届いたと言う。
かくして、うずまき家では手紙のやり取りは一日一回と決定された。
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後日談〜。こっちのが書きたかった(笑)
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次の日、落ち着きのない様子で、ナルトは玄関を行き来していた。サクラが訝しげに眉を寄せる。 「何してんの」 「ね、サクラちゃん。郵便屋さんまだ?」 焦れたようにナルトがサクラに問う。サクラがため息をついた。 「うちに来るのはお昼過ぎ!って言わなかったっけ?」 「でも、今日は早く来るかもしれないってば」 必死なナルトの様子に、サクラは再びため息をついた。 「そんなに待ち遠しい?」 「うん!」 サクラの問いに、勢いよくナルトが頷く。期待に満ちあふれた目で、ナルトは玄関を見つめた。 「すっげぇ楽しみ」 あんまりうれしそうに笑うので、サクラの表情も自然と優しくなる。ニッと笑うと、サクラはわざと意地悪く言った。 「昨日出すの遅くなったから、今日は来ないかもよ?」 「そしたら明日も楽しみだってば!」 目を輝かせてナルトが答える。サクラは吹き出した。 「しょーがないわねぇ」 こんなに楽しみにされては、手紙を出さないわけにはいかないだろう。特に、ナルトには甘い男のことだ。だが、仲間はずれはいただけない。 「返事出してくれるなら、私もあげるわよ」 「ほんと!?書く!絶対書く!」 そして、こんな約束をする自分もナルトに甘いのだろう。サクラだって、それくらいの自覚はあるのだ。
「サクラちゃん、もうすぐ来るかな」 「そうね。もうすぐじゃない」 玄関先に座り込んでいる子供達を見て、カカシが小さく笑う。ちりん、と玄関のベルが鳴らされた。 「きた!」 急いでナルトが立ち上がる。喜びいっぱいに、ナルトは玄関を開けた。
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しかしうちのカカシはどうしてこうもどんくさいのでしょうね。
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